雑録

蒼の彼方のフォーリズム「市ノ瀬莉佳」シナリオの感想・レビュー

莉佳シナリオは真面目で頑固な優等生の閉塞状況を解放するはなし。
抱えているものがあっても人に言えず抱え込んでしまう少女を救いましょう。
人生に楽しみを見出せた莉佳は、ラフプレイに走りがちな幼馴染みに楽しさを伝えていきます。
主人公くんを救えなかった葵さんの悔恨を主人公くんが莉佳を救うことで浄化させるのです。
このこともあってか莉佳エンド→グランドエンド(葵さんとの別離エンド)と繋がると切なすぎる。
ちなみにグランドエンドは幼少期に主人公くんが葵さんに想いを告げた場面が描かれ、ヒロインズにより挫折を乗り越えた後、別れて終わる。

莉佳ルート概要


  • 葵さんの後悔
    • 主人公くんの師匠である葵さんは後悔を抱えていました。それは主人公くんが精神崩壊寸前であることを感じながらもスルーしてしまい、ケアできなかったことでした。「辛いことがあったんだろ?言ってくれないかな。私を信じてるなら」と言葉をかけても主人公くんの内面に踏み込んでこなかった葵さんにはどうすることもできなかったのです。そして主人公くんは幼少期みさきち事件をきっかけに勝手にファビョって自滅してしまったのでした。オープニングで余りにも主人公くんが絶望的大敗をきっしたかのように感じられますが、世界大会のプレッシャーに押しつぶされ自滅しただけですのであしからず。時は流れ、葵さんは主人公くんをコーチに仕立て上げるのですが、主人公くんが自分ではできなかった救いを少女達にもたらすことで、後悔が浄化されていきます。主人公くんはかつての自分と同じように、周囲に自分の感情を吐き出すことが出来ず苦しんでいる莉佳を見て、救いの手を差し伸べることになったのです。



  • 意地っ張り優等生りかりか
    • お隣に引っ越してきた市ノ瀬さんちのりかりかは真面目な性格の優等生。しかしその反面、頑固で人の言うことを聞かず、思い込みの激しい一面を抱えていました。真面目で努力家な莉佳は、ある程度の技術はすぐに身につけることはできるのですが、ただそれだけ。型に嵌った考え方しかできず、ステレオタイプの思考をしがちであり、柔軟な対応を不得手としてました。ゆえにフライングサーカスでも伸び悩みの時期を抱えており、現状を打破するためには何かが必要だったのです。その何かを掴むために主人公くんの学校へ武者修行をしにやってくる他校のりかりか。しかしながらストレスを抱えることも多く思い悩んでしまいます。そこを救うのが我らの主人公くんでありまして、作中では葵さんに対して次のような趣旨の内容を述べています。「俺には今の莉佳が感じていたような行き詰まった心境が理解できていた。それまで上手くいっていたことが急に出来なくなって、壁を感じるようになったこと。やさしい問題ばかり解いていればよかったのに、急に無理難題に挑まねばならなくなったこと。そういう理解が追いつく間もなく追い詰められたことが俺にもあったから」。殻に籠もりがちなりかりかに対して主人公くんが取った練習方法はゲーミフィケーション。つまりは「楽しくて、自然と身体を動かして、意識しないうちに上手くなるのが、理想の練習」と唱え、練習は楽しんではいけないと思い込んでいるりかりかを変えていくことになるのでした。



  • ラフプレイさっちゃんを救え
    • 練習を楽しめるようになった莉佳の前に、突如として難敵が襲いかかります。その敵は反則を平然と犯し、相手に怪我をさせることで勝利をもぎ取るタイプでした。通称さっちゃん。佐藤院さんを始め、明日香たちも次々とさっちゃんに襲われていきます。さっちゃんはどうしてそんなにラフプレイに拘るのでしょうか?実はさっちゃんは莉佳の幼馴染みであり、莉佳に対して嫉妬や劣等意識を抱えるようになったことから、勝つために反則を平然と使うようになった、と描写されていきます。莉佳は、相手にケンカを売り競技をメチャクチャにするさっちゃんを、主人公くんに教えて貰った競技の楽しさで救いたいと願うようになります。こうして夏休みの特訓は対さっちゃん戦の練習につぎ込まれ、秋大会を迎えます。莉佳は主人公くんの指導により、「言われたとおりのことをそつなくこなすだけの真面目ちゃん」から「自分の頭で物事を考えることが出来る選手」に成長していました。相手の挑発やメンタル攻撃にも動じません。そしてさっちゃんとの試合では、ルールを守ることは競技の楽しさを守ることにつながるんだと戦いのなかで示していきます。こうしてさっちゃんは改心し、ラフプレイのスタイルを変更することになり、莉佳達とも和解に成功します。