雑録

天武と天皇権力の神格化

/

むかし幼少期に『火の鳥太陽編』を読んだとき、天皇権力の神格化を描いたシーンがあったことを覚えている。天武は『万葉集』で「大王は神にしませば」と歌われるような、神格化されるほどの強大な権威・権力を手中にしていくのである。この天皇権力の神格化が生じた原因を書かせる問題が高2進研模試では繰り返し出題されている。


ふむ。天武が強大な権力を持つようになった要因ねぇ。大友皇子との後継者争いに勝利して天武天皇として即位したのは壬申の乱だったわよね。この壬申の乱を手掛かりにすればなぜ天武が強大な権力を持てたかが分かりそうなものなんだけど。


ここで着目しておきたいのが「旧来の有力な豪族層」という観点。彼らは大海人皇子(天武)と大友皇子のどちらについたかを考える。


たしか旧来の豪族層は近江朝廷についたのだから、大友皇子サイドよね。大海人皇子は東国豪族の軍事動員に成功して勝利したのだったわ。つまり、有力中央豪族が没落したから天武の権力が拡大したと考えればいいのかな?山川のしょうせつにほんしBにも「乱の結果、近江朝廷側についた有力中央豪族が没落し、強大な権力を手にした天武天皇を中心に中央集権的国家体制の形成が進んだ」と述べられているしね。


そう。だからこそ天武は八色の姓を制定して豪族たちを天皇を中心とした新しい身分秩序に再編成していくんだね。また「天皇」という称号が使われるようになったのも、君主が神格化されるようになったこの頃だと、最近の教科書には書かれている(推古朝の説もあるが)。