クロノクロック「ドロシー=ダヴェンポート√」の感想・レビュー

ホスピス少女の楽しい想い出作りのために、結婚式を挙げるはなし。
折角のホスピスモノなのに死生観や生き甲斐が描かれることなくシナリオの丈も短い。
しかも最終的に主体的な生への意志により運命が変わったとかあっさりザオラル
ホスピス系作品はナルキを筆頭にこなかなやはるとま2と多々ありますが遠く及ばず残念。
生きることの辛さや生へのしがみつき、煩悶や葛藤が殆ど無いため非常に薄っぺらい。
あとアップルパイのお菓子作りが得意という設定が全く活かされていない。
今のところ体験版が一番面白かったよ状態です・・・。

シナリオ概要


  • 転校生金髪腐女子メイドは許嫁でホスピス
    • ドロシー=ダヴェンポートことD.D.は主人公くんの屋敷に転がり込んできたアングロ=サクソン系イギリス人。最初から主人公くんに好感度マックスであり、明るく元気で日本のホームステイを楽しみます。D.D.と接するうちに、家督を継ぐ運命を受け容れていた主人公くんは、D.D.と一緒にいれば自分の人生をもっと楽しめるんじゃないかと惹かれていくことになります。こうして想いを告げることになったのですが、フラグ構築は失敗してしまいます。なんでだ!?と思う主人公くんでしたが、これには理由があったのです。それがD.D.は不治の病を抱える、いわゆるホスピスだったということなのです。D.D.は自分の死を運命として受け入れており、死ぬ前の想い出作りに日本へホームステイにやってきて、自分の許嫁である主人公くんと交流を深めようとしていたのでした。D.D.がメイドの役割に徹していたのも、あくまでも主人公くんと踏み込んだ関係にならないままの緩い状態を維持したかったからだったのです。



  • 結婚式エンド
    • D.D.は自分の病気がばれてしまうと、イギリスへ帰ることになります。D.D.が自分の死を受け入れていることになんら未練がないことを知ってしまった主人公くんは、D.D.の考えを尊重して現実を受け容れる事になります。ここで考えを変えさせる契機となるのがイモウトなのですが、主人公くんあっさり意見を変えすぎ。D.D.シナリオは短めに感じる原因がここにあります。主人公くんが思想を転向させるのがあっさりすぎなのです。まぁプレイヤに過度なストレスを感じさせないようにさせる配慮なのかもしれませんが・・・。で、主人公くんは自分たちの仲間にD.D.がホスピスであることを告げ、協力して貰うことに。手段は結婚式。この結婚式の準備はシナリオの大きな軸になるかと思うのですが、これまた非常に淡々と進んでいってしまいます。主人公くんがD.D.の両親に電話するとことか一瞬で終わらせずにきちんと描写してくれよと。そして帰国しようとするD.D.にサプライズの結婚式を提供してホスピスでもいいから死ぬまで一緒にいようとフラグ成立。エンドロールの後、主人公くんとD.D.が主体的な選択をしたから運命が変わったとかいうオチになり、デッドエンドが回避されたことが匂わされ終了となります。シナリオが薄すぎる。