すみれ 感想レビュー(3)あかりグランドエンド編

現実世界から目を背け続けてきてしまった女性を救済するはなし。
資産家の娘として育った不幸な少女が、何もしないことを選び続けた結果の歪み。
そんな少女は自分のワガママが、主人公くんとピンクをぼっちにさせたと思い込む。
現実と決別するため過去の清算を思い立ったあかりは、ネトゲによる救済を決意。
あかりの策略の下で現実世界で立ち上がる強さを得た主人公くんは、逆にあかりを救済する。
ぼっちから解放され社会的連帯を構築した主人公くんたち4人はみんなでプリクラを撮る。
本編であかりとの情事は挿入されないので回想シーンで回収するとCG全部埋まる。

あかりグランドエンド概要


  • 再婚問題と眠り病
    • ピンク編が終了するといきなり超展開が始まりますが、これは幼少期の主人公くんが入院していたあかりの為に考えた創作という設定です(・・・という解釈のはず多分)。ではなぜあかりは入院していたのでしょうか?それは眠り病によるものですが、再婚問題に起因する仮病が背景にあったのです。あかりは資産家の父子家庭に育ったのですが、自分が好きな父親に言い寄ってくるのは金銭関係の匂いをさせた女ばかり。そんな人々に辟易したあかりは、父と再婚した継母も同様であることを知ってココロを閉ざしたのでした。唯一信頼していた父を継母・継子に取られてしまい、我慢を要求されるようになったあかり。ちょうどその時、眠り病のサンプルとして病院に収容されたことを利用して、現実世界から目を背け寝たフリを続けることにしたのです。最初はホンの出来心として仮病を使い始めたあかりでしたが、次第に仮病から抜け出せなくなっていきます。その時に現れたのが主人公くんだったのです。



  • 主人公くんと腹ぺこ姫あかり
    • 幼少期の主人公くんは、どこの男の子でもそうであるように脳天気で馬鹿、明るく活発でした。男子は自我の確立が始まる思春期が女子に比べると遅いしね。そんな主人公くんもまた眠り病のサンプルとして病院にやってきて、あかりとの交流が始まります。友達というものが居なかったあかりにとって主人公くんとの交流は何事にも変えられないものでした。主人公くんの好意の押しつけも悪くは思ってはおらず、自分を振り回して壁を破ってくれることに感情を昂ぶらせていきます。あかり編が始まり唐突に挿入される物語は、この時主人公くんがあかりに聞かせるために考え抜いた創作というオチ。病院を抜け出すこともしばしばあり、その時主人公くんが有り金300円をはたいて買った1個のハンバーガーを半分こしたりします。このように二人は親密な関係を築いていくのですが、主人公くんはあかりの漢字「明」をメイと勘違いしたままであり、夏休みも終わる頃、別れることになったのです。主人公くんは退院したあと、あかりを救済しにくるのでしたが、あかりパパ自殺問題が発生します。この時あかりパパが自殺しなかったら、幼少期主人公くんにあかりは救済されハッピーエンドだったでしょう・・・。しかしあかりは主人公くんが差しのばした手を拒絶してしまうのでした。こうしてあかりはずっと仮病のまま、病院で何もすることなく過ごすことになったのです。



  • あかりの救済と被救済
    • 数年後、看護婦のうわさ話により偶然あかりは主人公くんの現状を知ることになります。明るく活発でお馬鹿な主人公くんは、根暗な予備校生となっていたのでした。また、あかりの義妹であったピンクも学校に馴染めずぼっちであることを知ります。自分のせいで主人公くんとピンクの人生を破壊してしまったのではないか?と考えたあかりは、二人を救済することを決意します。あかりが自分から能動的になった瞬間でした。あかりは二人に近づくために富裕階層であることを利用してネトゲ交流コミュニティを開設し、主人公くんとピンクに懸賞としてパソコンを送りつけ、自分のコミュニティに誘導していったのでした。あかりの策謀によって主人公くんは何とか大学を卒業し、社会人となりました。そして孤立ぼっちであったすみれを救済することで現実での強さを獲得し、その力でピンクをも救済します。その様子を垣間見たあかりは、自分は贖罪の責務を果たしたと納得し、再び世俗から自己を切り離そうとするのです。
    • 現実から目を閉じようとするあかりを何とかしようと動き出したのは、あかりの弟(?異母弟?)でした。あかり弟はしばしば姉に巻き込まれ、主人公くん達のネトゲに参加することもあったのです。ピンクを救済するように仕向けたのも、あかりを救済するように頼んだのも、実の所、あかり弟だったのです。あかり弟に促された主人公くんは、リアルにおいてもあかりに対峙することになります。幼少期を経て二度目の対面なのですが、主人公くんは記憶の少女をメイと思い込んでいるため、なかなか明(あかり=メイ)だと気づけません。主人公くんとの再開を果たし、想い出をなぞったあかりは、精神崩壊していた主人公くんが無事に社会に適合しつつあることを実感します。こうして主人公くんとの関係を清算しようとしたあかりでしたが、今度は主人公くんがあかりを救済する番となります。
    • すみれ救済により現実から立ち上がり、ピンク救済により強くなった主人公くんに対して、3つの選択肢が提示されることに。あかりを独りにして自分だけ助かるか、あかりとともに現実から目を背けるか、あかりを連れて現実に舞い戻るかの3点です。長い年月を経て、ようやく現実と向き合うことに決めたあかりの前には、同じような境遇であった3人の姿が!ネトゲにより結ばれた4人衆はプリクラをみんなで撮影してグランドエンド。ここではプリクラがリア充の象徴として設定されており、それらをかつてぼっちであったメンバーで撮ることによって、社会的連帯による自己肯定が成されたというノリです。最後にはすみれの花言葉がテーマとされタイトル解題が行われます。