見上げてごらん、夜空の星を「箒星ひかり」シナリオの感想・レビュー

光害により見える星の数が減ったことを嘆いた少女が双子座流星群にあわせ電灯抑制計画を実施するはなし。
「複雑な三角関係の痴情のもつれ」と「ネットでステマ大作戦」がテーマ。
主人公を寝取ったひかりは沙夜に誠実さを示すために電灯抑制計画を成功させようと試みるがネットが炎上!
市内高校天文部連合は解散の危機にあい、計画も頓挫してしまいそうになる!!
だがここでネット炎上による注目度アップを利用し、計画を煮詰めた上でステマ作戦を実行する。
ネットを使えば高校生でも世界を変えられる!ブログ・SNS・自作MAD動画を駆使して大衆煽動。
ネット世界はリアルも動かし見事計画は成功。沙夜との関係も修復するのであった!(かなりご都合主義まんさい)

ひかりシナリオ概要


  • 三角関係の痴情のもつれ
    • ひかりと沙夜の共通はほぼ一本道。途中で主人公くんがどちらを選ぶかで分岐するのですが、ひかりは主人公くんの告白を拒否し続けます。その理由は沙夜が主人公くんに好意を寄せているから。しかしあまりにもあからさまなひかりのお節介は沙夜の気分を害し、同情で譲られるなんて!!と憤慨させてしまうのです。沙夜との友人関係は冷え込み、主人公くんから逃げ回るひかりは寂しさが炸裂していました。そこへ突如遅いかかかる暴風雨。助けに来てくれた主人公くんの手を振り払い孤独を感じる中で、ようやくひかりは自分の中の想いを認めたのです。こうしてようやくフラグが成立し寒さを凌ぐために身体を重ねたのでした。こうしてひかりが主人公くんと結びついたことで三人組が復活するかに見えたのですが、今度は沙夜が身を引きます。沙夜は自分が抜け駆けしたからこそひかりが自分の想いを押し込めることになり、結果として歪なカタチになったのだと思っていたのです。頑なな沙夜のココロを解き放つためには、電灯抑制計画を成功させる必要があったのです。



  • ネットを使って現実世界を変えろ!
    • 順調に進むかに見えた電灯抑制計画ですが、ネットで炎上したことから暗礁に乗り上げます。計画の杜撰さ・甘さを指摘され、市内高校天文部連合を解散するか、計画を取り消すかを迫られたのです。この窮地を救ったのが沙夜ちんが作成したポエミィ動画。観望会でのひかりのスピーチを利用し、二次元キャラクターを使って演説する動画がバカ受けしたのです。市内の活動を越えて情報が拡散していく様子を見た主人公くんは、計画を全国に拡大することを思いつきます。情報を拡散させるには単純明快さが必要!ということで電灯抑制計画を22時〜22時30分のみと限定し、その時間帯に電気消して夜空を見上げればOKという実行可能なモノに変えていったのです。こうして主人公くんたちはせっせとステマに励み大衆煽動を行った結果、リアルも変化していくことになります。テレビ局の取材に応じたり、プラネタリウムの研究者からの理解を得たり、大型ショッピングモールのパレードを行ったりとご都合主義的に上手くいきます。
    • そしていよいよ双子座流星群の日がやってきました。電灯抑制計画を軌道に乗せたひかりはとうとう沙夜と和解するに至ります。成長した後の三人がチャリ三ケツして星見の会場へと向かうシーンはテンションがあがることでしょう。計画の時間帯になると次々と街の明かりが消え、流星群が浮かび上がる演出の効果もあります。『しろくまベルスターズ』の逆をやったわけですね→対比を意識してるのではないでしょうか?こうしてネットを使って現実世界を変え、他者とのコミュニケーションの在り方の一形態を提示しました。最後は仲良しトリオ三人組がいれば何だってできるよエンドで幕を閉じます→「いつもで、ここから始まる!」。エピローグでは2034年に再びスターライト・プロジェクトが実施され二人の子どもに恵まれた主人公くん一家がしし座流星雨を見る姿が描写されます。子どもたちにも自分達のような経験を継承させたいというメッセージが残されます。