PURELY×CATION(体験版)の感想・レビュー

キャラゲーだが単なる属性記号消費ではなく人物像の掘り下げがしっかりしているのでやっていて楽しい。
「癒しの日常」を謳っており「PURELY」をテーマにしているだけあってヒロインがとても可愛い。
現実にいるそこらの女ではなく物語消費の中だからこその純朴な少女像に魂が浄化されそう。
最近ありがちな三角関係のストレスとか女性の面倒くさい部分とかが無く、息抜きとか気分転換に需要がありそう。
丁寧に描写されたほっこりするシナリオ・テキストでグッときました。
特に同級生・後輩・先輩の高校生トリオが良い感じで久しぶりに琴線に触れるキャラクター造詣でした。

雑感

  • 三波舞√
    • クラスメイトの純朴な和菓子屋の娘と絆を育む話。和菓子属性が単なる設定ではなく、ヒロインとの仲を深める装置としてしっかりと描写されているところがとても評価できると思います。おすすめの和菓子を説明してくれる様子に好感が持てる良ゲーです。また常連のお婆ちゃんから和菓子のレッスンを受ける場面がとりわけ印象に残っています。和菓子は味だけではなく、季節感に合わせた見た目も重要であり、それを含めて「味」なのだと具体例を挙げながら説かれるシーンはきゅんきゅんきました。クラスメイトならではの10分休みで小テスト攻略協力プレイやクラス委員共同作業もステキ。英語のリーダー小テストは読解テキストがTOEIC的な広告文の要点把握になっているところに時代も感じましたし、しかも社畜(会社の奴隷)を選ばせる英文の小ネタにひそかに大爆笑。放課後残って一緒にクラス委員の雑用もするのもノスタルジックラヴだわ!本編でも引き続き和菓子愛をフラグ構築に練りこめれば単なるキャラゲーを越えた和菓子ゲーと昇華できそうで期待が持てます。

  • 葵澄怜√
    • 素朴系大人しい後輩(公式設定ではクールポンコツ)と映画を通して絆を育むはなし。私は素直クールのキャラ設定に惹かれるところがあるためホイホイ釣られてしまいます。あと映画の教えを請うという展開も個人的に大好き。そのため不器用な後輩と徐々に映画で繋がっていくという過程にはたまらないものがあります。と、いうのも私が地元駅弁教員養成課程で教員になるための修練を積んでいた頃、倫理学の老教授が映画大好きであり、様々な名作古典映画を解説してもらったからなのです。もう既に定年退官してしまったと思いますがお元気かしらん?と郷愁に駆られること限りなし。紙芝居ゲーで映画モノというと『木漏れ日のノスタルジーカ』が挙げられ、実際にある映画の魅力を語ってくれましたが、やはり脚本の解説は良いものです。ピュアリケの澄怜√では作品がタイトルパロであるので、実際の作品だったらもっと良かったかもしれません(著作権的に厳しいでしょうが)。素朴系大人しい後輩の破壊力はとても抜群あり、映画をうまく処理してシナリオが進めば期待が持てそうです。

  • 夏木洸√
    • 夏木先輩、バスケがしたいです!努力家で練習に真摯でありポイントガードとしてチームを引っ張る先輩の力になりたいのです!!と物語が進んでいきます。バスケがヒロイン攻略のための題材となっている紙芝居ゲーは『リアル妹』などが有名ですが、やはりバスケは良いものです。特に放課後練習が終わったあと、一人で個人練習に打ち込む先輩の姿には感動。『スラムダンク』でゴリが個人練習をしなきゃ強くなれっこないんだと呼びかけるものの部員たちが帰ってしまう場面を思い出して涙しました。主人公くんよ!!お前が先輩の支えとなって一緒に個人練習に付き合ってやるんだ!!!シュー練でもリバウンド役がいるのといないのとでは大きく違うし、ディフェンス役がいれば1on1の練習もできるんだ!!先輩の高校バスケに花束を。あと余談ですが先輩がすごく家庭的で幼い弟妹の面倒を見てあげるとことか本当に癒されます。


  • 綾瀬透華√
    • 音楽の先生枠。テンプレ系女性教員キャラクター表現だと「行き遅れを気にして嘆く」様子が強調されがちですが、本作の先生は生娘であることを気にしないとか超越しているところに好印象です。その背景には、綾瀬先生が教員になった理由と関係があり、高校時代の恩師による自分のペースでやればよいとの言葉に支えられてきたという事情があったのです。そのため綾瀬先生√では「何かになろうとして焦る」主人公くんを許容する存在となっているのです。CATIONシリーズは「このままではいけないから女と付き合おうとする」ことを作品の行動原理としているのですが、敢えてそれに反逆するかのようなアヴァンギャルドさがステキ。授業の様子はわりと好感がもて、授業の導入で生徒目線を取り入れてやり、生徒たちの音楽的な能力を育成しようという感じが伝わってきます。周囲と騒いでワイワイやることに馴染めず、個人の内面を住している側面もグッときました。