高校世界史の授業・研究課題〜書き殴りブレーンストーミング〜

やってる取り組み・やりたい取り組みなど

  • 目的達成学習×主題学習
    • 1つの授業を1テーマで行う授業スタイル。最初に授業の目的を提示し、それを解き明かしていく。起承転結。その中で歴史の知識を増やしていく。教科書をダラダラと説明するより一つの授業にメリハリがつく。一話完結の読み切り式でどこからでも始められる。だが教科書大好き少年少女たちから教科書どおりにやれと言われることが多いので、教科書の構成に沿いながら1授業1テーマでやるようにしている。
      • 日本の世界史教員の指導法を整理体系化できたら面白いかもしれない。アンケート調査(『世界史の窓』のような)などではなく、実際におこなわれている世界史教員の授業を。そうすれば日本の世界史教育の現状がわかるのではないだろうか?
  • 高大連携
    • 高大連携といっても現状では大学講師が高校に来て講義をするだけ。またその内容を見ても簿記だのTOEICだの資格取得に始終し、全然学術的ではない。むしろ高校の教員が普段の授業の中で、高大連携を意識した授業を行えばいいのではないか?だがしかし、それはどんな授業なのか?というはなし。大学の教授陣は高校世界史に何を求めているのか?それを知りたい。
      • 近現代をもっときちんと教えろと言っていた
      • 現代世界を構築している仕組み(主権概念・国民国家・議会制民主主義・資本主義)がどのように形成されてきたかとか?
  • NIE
    • 知識の活用・PISAの読解力リテラシーとの関連。要約文を書かせることで要旨把握能力の育成。自分の意見を根拠を持って述べさせることで論理的表現力の育成。時事問題の背景を世界史から解き明かすことで興味関心も高まる。時事問題を散発的に取り上げるだけでは体系化された知識につながらないデメリットも。世界史の教科書と現代世界がどのようにつながっているのかを意識させる?グローバル教育にもつなげられる。
    • これもただ単に新聞ノートやらせるだけじゃダメだということはわかっている。それは作業。新聞スクラップを通してどのように社会認識が深められるか。これを実証できなければならない。
  • 博学連携
    • 実際のモノや体験学習中心?文化財の啓発・普及・活用
    • ただモノを見たり体験するだけでなく、それが学校の授業とどのように繋げられるか。
      • 弓矢やり投げ体験→槍と弓矢の武器の性質の違い(尖頭器と石鏃)。更新世の時代にオオツノジカやナウマンゾウなどの大型獣が日本列島にやってきてそれをしとめる為に石槍が使われていた。しかし完新世となると温暖化し大型獣が死に絶えイノシシなどの中小動物を獲るために弓矢が使われるようになった…と、いうことを体験学習を通じて実感する。できるの?
      • 石器使用→動物を解体する。では現在は何で解体する?包丁やナイフだとするとその素材は何?ステンレスとか鉄。金属器。日本では弥生時代に伝来した。弥生時代といえばコメ作り。農耕。しかし世界史的には新石器革命といって完新世-磨製石器-農耕牧畜の開始がセット。獲得経済から生産経済へ。だが日本では新石器時代縄文時代になっても本格的な農耕は行われず。さらに金属器も青銅器→鉄器と進化したのではなく、両者が一緒にやってくる。だから青銅器が祭器として使用され、鉄器は実用的なものに使用された。
    • 博物館が近代国民国家形成の装置として働いた側面とか。旧石器時代→「日本人」のさかのぼり。
  • 国際バカロレア
    • 今の政権はバカロレアを取り入れるとか大学改革とか言ってる。しかし時代迎合的な理由からではなく、きちんとバカロレアが身につけさせようとしている、バカロレアで身につけさせることができる人材育成能力とかを意識しておくこと。要するに高校生に歴史事象と歴史解釈と歴史叙述させるのでしょう?あと歴史分析。同一の歴史事象でも受け手によって全く異なる解釈となってそれが語られて大衆に広く認識されることで歴史が確定される。そのため、歴史の語り手が一体どういう視点でそれを解釈し、どのような意図で語っているのかを読み解ける力を身につけさせる。これって社会認識力の育成?
  • 教科横断
    • 国語教育と連携でNIE
    • 日本史と連携で世界史の中の日本の位置づけ
    • 地理と連携して世界地誌
    • 社会経済史→政経経済分野と連携、戦後史→政経政治分野と連携
    • 主権概念の変遷で法学教育?
  • アクティブラーニング
    • 今はもう昔のことだが、かつて反転授業が流行った時にやっていた。家で動画を見させて学校の授業では発展的な内容をやるもの。これは通史の知識がないと論述のテーマ史できないじゃん問題がその根底にあった。しかしまぁ時代はアクティブラーニングや協働学習を求めていたので、家庭で動画見せたあとはジグソー学習とかやった。生徒に別々の動画を見せてきて学校の授業ではそれぞれの班員が自分の学習内容を紹介し、知識を補完し合いひとつの単元を完成させるという方式。いまでこそアクティブラーニングという名称だが、PISAの読解力リテラシーやキーコンピテンシー、学習指導要領の生きる力などで体験型経験型の学習は広まっておりディベートや討論などは盛んに言われていたのだよなぁと。時代が追いついたか。さらに元をたどればスプートニクスショックを契機とする体系的な社会科カリキュラムの前に「這いまわる社会科」があったことを思うとずいぶん皮肉なものだ。活動させて、はいアクティブですよ〜とか言うわけにもいくまい。
      • 動画の授業配信について。これはいつでも誰でも見られなければダメ。会員登録とかたった100円でも有料なものでもダメ。知識へのアクセス性はとにかくフリーに限る。社会の流動性。能力のある者や学習意欲のある者が社会上昇できるような社会でなければいずれは固定化してしまう。基本的な読み書き計算パソコン操作ができれば誰でも学問への道が開かれていなければ。
  • その他
    • 歴史学の成果
      • 高校世界史は歴史学とは異なるものであり、最近の研究とか新書とかの内容をただ焼き直して高校生にかみ砕いて教えるのはどうなのかしらね。
    • 大学受験の研究 〜大学入試から大学が学生にどのような能力を求めているかを分析する〜
      • 最近はやり。特に論述問題は通史を学習したうえでその知識を再構築して論理を組みたてられなければならないので面白い。知識の活用やテーマ史なども絡めて扱うこともできる。大学で出題されたから扱うというのではなく、その問題がなぜ出されたのか、どういった歴史的意義があるのかという分析が必要。
    • 娯楽における世界史の扱われ方
      • ゲームとか漫画とかにおける世界史。やはり人間、興味関心のあるものには強い。
    • 経営資本
      • 資格・検定的なもの。世界史検定とか。
    • 世界史=世界を分析する・読み解く力