千恋*万花「サブヒロインズ√」の感想・レビュー

甘味処でバイトするはなし。途中で小春√と芦花姉√の分岐する。
小春√は小品ながらもデートや嫁に下さいイベントが丁寧に描けていた(煎餅焼きスキルはともかく)。
一方で芦花姉√は途中までは丁寧に進めてきていたのに、フラグ成立後の描写がなく唐突に打ち切られてエンドになる感が強い。
甘味処パートでは客層が地元客ではなく観光客を中心にする飲食店の工夫描写などがもっとあると良かったかも。
あと煎餅焼きはご都合主義すぎるだろと思ったプレイヤさんも多いのではないでしょうか?

サブヒロインズ√概要


  • 甘味処でバイト編
    • 共通√で呪詛を解いた主人公くんは神社を辞し、祖父の経営する旅館へ。メイン4人は伝奇パートを主に担当しますが、サブヒロインズ√では芦花姉の実家の甘味処でバイトをすることになります。いつも思うのですが、飲食業のバイトってすごく大変なのに、主人公くんたちは平然とこなすよなーと。主人公くんはホールにキッチンにと大活躍し、芦花姉のお店を支えます。真面目に働く主人公くんの姿は同じバイト店員である小春の心を打ちます。また芦花姉に対して主人公くんは愚痴を聞いてあげたり相談役になってあげたり小粋な贈り物をしたりと好感度を積み重ねていきます。ヒロイン同時攻略。そんなわけで小春も芦花姉もお互いに主人公くんに好意を抱いていることに気づいてしまうのです。ドロドロ三角関係か?と思いきや、メインヒロインたちに取られるぐらいなら、お互いに正々堂々と勝負して恨みっこなしにしましょうと爽やか展開になるのでした。さすがに3P展開は無理だったか。



  • 小春√
    • 煎餅を焼くはなし。小春は主人公くんの従妹であり唯一の妹的後輩枠。幼少の頃から主人公くんの優しさに触れ好意を抱いてしましたが、数年ぶりに再会した主人公くんがバイトで頑張る姿を見てさらに惹かれていきます。小春は自分だけ年下であるため、幼少期には上級生グループから疎外感を覚えることも多かったのですが、いつも振り向いて手を引いてくれるのは主人公くんだったのです。そして飲食業のバイトを熱心に行う主人公くんに頼りがいも感じるようになっていきました。さらに主人公くんの特殊スキル「煎餅焼き」が発動し、ろくに修練も積まずに店に出せるレベルの煎餅を焼き上げます。いやこの煎餅焼きはもう少し詳細に作り方を描くべきなのではないか?と感じるのは私だけではないはず。
    • 小春√で好感が持てるのは、きちんとフラグ成立後の描写も描いていること。従兄妹関係であるため、もしかしたら親類縁者は良い顔をしないのではないかと危惧し、きちんと筋を通そうとする描写があるとやはり違いますなぁと。



  • 芦花姉√
    • 芦花姉を受け入れて甘えさせてあげます。芦花姉は唯一の年上社会人ヒロイン枠で実家は甘味処。和菓子職人の父親から経営を任され忙しい毎日を送っていました。そんな芦花姉√のテーマとなるのが「職人的ツンデレ頑固おやじとそれに反発しながらも認めて欲しがっている娘の関係」。芦花姉は経営を刷新し、一般人の敷居を低くして誰でも入りやすいようにし、外国人観光客を呼び込んで客層を開発していきます。そのためには、ただ和菓子を再生産しているだけではなく、和菓子の伝統を残しながらも若者及び外国人に受けるようにしていかなければなりません。故に和テイストスイーツの研究を熱心に行うのですが、職人気質の父親に作成を納得してもらうには相応の質が必要だったのです。そんな苦心の芦花姉を支えてあげればフラグは成立さ。珈琲やグラニテを父親に認めて貰える描写は一見の価値ありです。また芦花姉にも「こじらせ系姉気質」があり、年上で誰にも甘えられなかったコンプレックスが発動し、主人公くんに甘えてくる場面は芦花姉の心情トロもあって良い感じになっています。惜しむらくはフラグ成立後の描写がほとんどない件について。二人で出かけるという話になるのですが、デートシーンがカットされ、いきなりエンディングが流れ始めます。エンドロール後のはなしもありません。えー、ちょっと待ってくれよ。芦花姉の両親がいる甘味処でバイトしているんだから、せめて父親との対決描写はいれるべきでしょうに!!あと芦花姉の三味線フラグはどこへ・・・。