雑録

グローバルヒストリーにおける文明史や人類史とそれを題材とした娯楽作品


かねてから歴史を娯楽として扱う作品は多いわ。
2017年初頭においては、異世界転生架空戦記という手法により世界大戦を捉え直す国際国際史や人類滅亡後の世界において獣人たちが人類の足跡を辿る文明史、はたまた歴史の分岐点に過去跳躍し世界改編を試みる人類史が各地で散見されるわね。


歴史学はランケ史学以来、厳密な史料批判を重要視してきました。そしてそこで紡がれる歴史というのは国民国家に強く影響を受けたナショナルヒストリーでした。つまりは国民国家形成の正当化のための歴史。歴史教育は、国家がどのような過程を経て成立したかという「大きな物語」を語ることで「国民統合」の機能を果たしてきたのです。


ふーん。近代以降の歴史って国民国家史だったのね。


しかしポストモダンの時代、国民国家は幻想の共同体であるという言説が広く知れ渡ることとなりました。それに伴い、歴史学では一国史の立場からではなく、大きな枠組みや展開により歴史を把握しようとするグローバルヒストリーが唱えられるようになるのです。現行の学習指導要領における高校世界史の歴史観「諸地域世界」もこの影響を受けており、前近代においては独自的な発展を遂げてきた諸地域が接触交流史し一体化していくという展開になっていますね。


ちなみに戦後の高等学校世界史の歴史観も変遷があって、おおざっぱに分けると西洋中心史観→文化圏→諸地域世界と捉え方が変わってきているのだわ。


そしてグローバルヒストリーでは環境史や文明史、人類史もまた主要な題材とされています。こうした学問的背景の下地があったからこそ、SFの背景もまた広がりを持つようになったと感がられるのではないでしょうか。そんなこともない?「異世界転生架空戦記」、「人類滅亡後の世界」、「過去跳躍世界改編」などのSF的モチーフが歴史と結びつき、現代の解釈に基づいて語られているのです。


歴史とは現在と過去の尽きることのない対話なのです、だわ。


あくまでも過去の出来事は現代の視点から解釈され続けていくものなんですね。しかし史料批判に基づかない荒唐無稽なものは歴史とはいえないので、元ネタや原典を探し、どういった歴史観から作品が構築されているかを考える考証班の人たちが出てくるのでしょうね。