雑録

ニュートンと林檎の樹「ラビ・ジエール√」の感想・レビュー

死んでしまった母を蘇生するためにタイムパラドクスを発生させてしまうはなし。
並行世界が増えるのではなく世界線は一定でありタイムリープすると現実世界が変わる設定?
つまりは同じ世界にその時間軸の自分と未来からやってきた自分の複数が存在することになってしまう。
当然未来からやってきた自分に居場所などあるわけもなくその時代から切り離されてしまうとのこと。
ラビ√では、主人公くんはそれを覚悟して実行しようとするのだが、代わりにラビが行いビターエンド。
2周目にもう一度ラビ√に入ると、ラビが歴史修正した世界をプレイすることが出来る。

ラビ√概要


  • 魔女狩り〜死んでしまったママを生き返らせて〜
    • ラビのママは魔女狩りで処刑されました。魔女狩りをテーマにした作品は結構あって、名作としては、カードバトルが斬新でありセカイ構築を打破しようとする展開が熱い『MagicalCharming』、聖女として祭り上げられるも最終的に切り捨てられた裏ヒロインを救う『紙の上の魔法使い』、共同体の維持のための「包摂と排除の原理」によってリアル天使を殺してしまった『フローラル・フローラブ』などが挙げられます。宗教戦争の中、17世紀の危機においては魔女狩りが盛んに行われる時代だったのです。
    • ラビの行動原理は魔女狩りによって処刑された母親を生き返らせることです。そのため主人公くんたちによって行われるタイムマシン修復を手伝うのですが、装置を奪い去ってしまいます。ラビは独断専行で母親が殺される2年前にタイムリープしていったのです。愕然とする主人公くんたちでしたが、これにより過去改編は成功し、主人公くんたちは広場でママと歩いているラビを見つけます。しかし同時に過去跳躍したはずのラビとも遭遇するのです。どういうこっちゃい!?なんと『ニュートンと林檎の樹』の世界観では並行世界や複数の世界線などが存在しない解釈であるとのことでした。すなわち、世界線αのラビAが過去跳躍して歴史改編しても世界線βが発生して並行世界が分岐するのではなく世界線αそのものが変化してしまう設定。ラビAが過去跳躍すると過去の時間軸のラビBがおり二人のラビが同時に存在することになるとのことでした。じゃあラビが消え去ったあとの世界はどうなるんだ無くなってしまうのか?無くなってしまうようです。

  • タイムパラドクスとママへの想いの伝達
    • ラビAによるタイムマシン強奪事件後、主人公くん達にとっては即座の時間経過なのですが、ラビAにとっては2年ぶりに主人公くんたちと再会することになります。そしてタイムマシンもすぐに返却されます。ラビAは母親を魔女狩りから救い、ママとラビBが幸せに過ごす時間を見守ってきました。しかしラビAは母親と面会することはかなわないのです。このラビAの母親への想いを解決してあげるのが、ラビ√のメインとなります。ラビが大道芸の奇術好きなのを利用してラビAとラビBの入れ替わりを提案します。つまりは体験型の手品として二つの棺桶を用意し一方にラビAを入れて置き、ラビBを参加させます。そしてラビBを眠らせているうちにラビAが違う棺桶に移動したと称して登場させママに対して思いを伝えさせるのです。そしてまた棺桶に戻りラビBを起こすという仕組み。1分程度の邂逅でしたが、ママに想いを伝えることには成功します。ママとラビBが旅立って行く姿を見送るラビAと主人公くんの図は切なさ炸裂しますね。



  • ラビはいったい同じ時間軸に何体存在していることになるんだ?
    • ラビ√でもニュートンの歴史修正編に突入します。ニュートンとフックの対立にはハレー彗星で有名なハレーが仲介し、ハレーの支援で自費出版という形で『プリンキピア』が刊行されたとのことです。そしてそのハレーの正体とは、江戸幕府による貿易統制政策で帰国できなくなった日系人ヒロイン:ハルだったのです。そのため史実通りに歴史を運ぼうとするとニュートンとハレーが仲良しでなければならないのですが、彼女たちは対立してしまいます。それというのも、当時は女性科学者たちが偏見を受けていたので、一緒に差別を乗り越えて頑張ろうね!と支え合っていたのに、ニュートンが抜け駆けをして男として論文発表を行い業績を重ねたからだったのです。で、そのことがハレーにばれて不和になってしまうのでした。そんなわけで、ニュートンとフックの対立の場にはハレーが現れず歴史歪曲が進むことが確定してしまったので、主人公くんが時代や人間関係から切り離されることを受け入れ、タイムマシンを起動させようとするのですが・・・。主人公くんはラリホーを食らい、これまたタイムリープしたのはラビ。エンディングが流れ、愛する主人公くんのために身を犠牲にするラビの切なさを感じるビターエンドですね。しかしラビ√2周目では、うまく歴史改編に成功しており、ニュートンとハレーが和解できそうな雰囲気が漂います。そうなんです!ラビは複数存在する自分たちが入れ替わりながら、主人公くんとの関係を続けていっていることを匂わせハッピーエンドを迎えます。