今年度始まって約2か月経ったので振り返り書き殴りメモ。
- 「主体的・対話的で深い学び」
- じゃあお前はどんな実践してたの?
- 私が行っているのは主にNIEと反転授業である。
- まず前者のNIEについて。これは現在起こっている時事問題のニュースをピックアップして、その歴史的背景を探る展開にしている。新聞記事配って読ませてラインマーカー引かせて要約させて、意見文を書かせて、グループワークで意見交換会をする。その後、教員のターンであり、その問題の歴史的背景を解説し教科書や受験に出てくる知識の補足を行っている。
- 後者の反転授業について。これは映像授業を複数撮影しておいてグループで見る担当をそれぞれ決め、自分が視聴を担当する映像授業を見てから授業に臨む。撮影した動画は校内ネットワークの共有フォルダに投げて置いて生徒がいつでも見られるようにしておく。そして授業ではバズ学習としてそれぞれがグループで自分の見てきた授業を説明するのである。
- 私が行っているのは主にNIEと反転授業である。
- 這い回る社会科
- しかし「主体的・対話的で深い学び」には欠点もあって、それは知識が断片的になってしまって、全然体系的ではなくなってしまうことである。受験校であるか否かの問題ではない。いくら活動を行い幾ばくかのアクチュアルな知識が身に着いたとしても全体の中に体系づけられねば、ただ単に活動しただけで終わりなのである。活動しましたね。何か身に着きましたか?それは全体像の中でどこに位置付けられますか?なに?全体像を知らない?氷山の一角の断片的な知識だって?全体的・体系的な歴史像の構築を放棄して活動だけさせて喜んでいる教員もいる。
- 教科書解説式授業の問題点
- しかしながら教科書を順番に、または順番を入れ替えたとしても、その内容を解説していくだけの授業でも全然体系的ではない。何故ならば教科書を年間4単位で終わらせることなど到底不可能だからである。教科書を解説していって一年間経ちました。受験に使わない人たちはココまでだよ〜尻切れトンボ。受験で使う人たちも2010年代後半まで終わらないよ〜。あとは自分でやってね!尻切れトンボ。
- 体系的な歴史像の構築を
- じゃあお前はどんな歴史像を編んでるの?
- 今年度は4単位で日本史担当であるが政治権力史の変遷で構成した。原始古代から現代までの政治権力の変遷の全体像を提示するのである。狩猟採集から農耕への変化による政治権力の発生(縄文・弥生)、古墳の広まりから見るヤマト政権の拡大(古墳)、古代における集権的な国家形成(飛鳥・奈良)、天皇親政と藤原氏の勢力伸長(平安)、院政と武家政権の誕生(平安末期・平氏政権・鎌倉)、大名領国制(室町)、幕藩体制(江戸)、近代的中央集権国家(公議政体論VS武力倒幕論)、立憲国家成立期(自由民権運動)、政党と議会の対立・妥協・提携、政党政治の成立と崩壊、軍部の台頭と15年戦争、戦後復興、55年体制と高度成長、失われた30年という構成である。
- 「体系的な歴史像の構築」と「主体的・対話的で深い学び」
- 年間4単位で全体像を把握させる体系的な歴史像は構築した。これにどのように「主体的・対話的で深い学び」を取り入れるかである。思いついたようにアクティブラーニングしても効果は薄い。そんなわけで日常的な学習の中に「主体的・対話的で深い学び」をボチボチと取り入れた実践が以下の通り。
- 授業のテーマは「なぜ」形式にして、まず自分で答えを考えさせ、続いて周囲とグループワークして意見交換会する。そのうえで、教員が発問というか問い掛けをしながら語り掛ける方式で講義する。で、最後に授業を聞いたうえでもう一度なぜに答える。そして授業の前と後で、自分の考えがどのように変容したのかをこれまた意見交換会する。
- 意見交換会のオンパレードじゃないか!?と思われることもあるが一定の流れができてルーチン的に活動させることができる。相手の考えを聞きながら自分の考えを深められる。そして授業の前と後での意識の変化を書かせることによって、授業によって自己の認識がどのように変容したかを視覚的にとらえさせることができる。
- そんなわけで、今2か月と少し経過したが、それなりに授業実践しているので、振り返りとして書き殴った。