『神様のゲーム』の感想・レビュー

完結させてから売れ!!シリーズ。なんという「あのね商法」。続きは『悪魔のゲーム』を買ってね!
閉鎖空間極限状況モノ。生殖行為を生存条件とするデスゲームが行われる。
登場人物たちの心理的駆け引きが見所であり一致団結して立ち向かうのではなくお互いを殺し合う。
日常パートや穏やかな場面はほとんど皆無に近く、緊張感が強いられる中でストレスがかけられていく。
猟奇的な描写が続き陰鬱なシナリオを長時間読まされた挙句、完結されずに終わったぞ。この憤りはどこへ…

概要

  • 人妻編
    • 主人公くんたちは「神」を称する形而上学的存在に拉致され閉鎖空間でゲームを行うように強要されます。逆らえば極度の苦痛を与えられた挙句に殺され、しかも恣意的に蘇生させられるのです。ゲームに参加させられた女性陣には手持ちポイントが与えられており日数が経つと減っていくという仕組み。また水分補給及び食事を行うスペースを使用してもポイントは減ります。ポイントを増やすには主人公くんとの生殖行為が必要です。そのような条件の中で15日間を生き延びることがクリア条件として与えられます。
    • 策略をめぐらせる主人公くんたちでしたが、女子医大生が自己のアイデンティティを守るために尊厳死を選びます。こうして最初の犠牲者が出る直前、主人公くんの従妹が女子医大生を救うため財閥令嬢を殺害しようとし、神から付与されたジョーカーを使用してポイントの移譲を行うのでした。こうして財閥令嬢が死にかけるのですが、主人公くんもまたジョーカーを保持しておりポイントの移譲ができました。本来ならば女子医大生に移譲されたポイントを財閥令嬢に戻せばよかったのですが、混乱のあまり自分を支えてくれた温厚な人妻のポイントを財閥令嬢に移してしまうのです。温厚な人妻は死にました。この温厚な人妻は主人公くんのことを慮ってくれる唯一の女性であり、この人妻の死は主人公くんに最後まで心を折れさせない覚悟をさせるものでした。


  • 女子医大生編
    • 人妻が死んだあと、新たにゲームに参加させられたのは女子医大生の従妹でありホスピス患者でした。ホスピスは不治の病で動けなかったのですが、ゲームに参加することにより身体が回復します。そしてクリア報酬としてゲーム終了後の恢復が約束されたのです。こうして尊厳死を決めていた女子医大生は安易に死ねなくなりました。その一方で、従妹と令嬢はタッグを組んで深謀遠慮。従妹の目的は主人公くんを精神崩壊させずに生き残らせることでした。その手段は、主人公くんを怒らせて「殺されても仕方がない」という状況を作らせてゲーム参加者を退場させることでした。この女子医大生編ではポイント減による死以外は蘇生されることをいいことにヒロインたちが殺し殺されまくります。しかし結果として女子医大生が殺されても仕方がないという状況を作ることに成功し死なせます。主人公くんの精神的ストレスを緩和するための自然な流れの死を演出しようとしたのですが、主人公くんにはヒロインたちの策謀は丸見えであり、女子医大生の尊厳死を看取ることになります。

  • 財閥女頭首編
    • 女子医大生死亡後に召喚されたのは、令嬢の母である女頭首でした。女頭首は実に老獪な人物であり、積極的にゲームクリアに動きます。すなわち、自分と琴子以外の殲滅でした。早々にギャル子を味方につけた女頭首は主人公くんを拘束し、従妹とホスピスを監禁して死に追い込もうとします。絶体絶命に追い込まれた主人公くんと令嬢はどのようにこの危機を打開するのでしょうか。女頭首は自分の娘を殺させないため主人公くんと令嬢を交尾させようとしますが、その行為の最中にワイルドカードの発動条件に暗黙の了解を得ます。そして令嬢は殺人の経験があるというアドバンテージを活かして、実の母親に噛みつき皮膚を抉り取ったのです。この間隙をついて主人公くんはワイルドカードを発動させるのですが、碌な選択肢しかありません。結局、主人公くんは女頭首、ギャル子、ホスピスの命を代償に死亡者数のリセットを選んだのでした。こうして令嬢と従妹が生き残り、あとの3人が追加されるという新たな状況へと移るのですが、最後にホスピスになじられたことを契機に主人公くんはついに精神崩壊し、心が壊れてしまったのでした。

  • 神様のゲーム最終局面
    • 死亡者数リセットにより新たなメンバーが3人召喚されます。従妹に惚れている男子、その男子を慕っている女子高生、そして弟の嫁の3名です。主人公くんが精神崩壊状態なのを良いことに男子は全ての女性を支配下に置こうとします。従妹が犯される寸前で主人公くんが復活します。強姦を防いだのは良いものの主人公くんは性格が変化し獰猛になっていました。男子をいたぶった後にぶっ殺すと、ゲーム参加者の女性陣を食い散らかしていきます。そして最後はゲーム終了条件の一つである女性生存数2名を達成し、従妹と弟の嫁を犠牲にし主人公くんは死ぬのでした。残されたのは琴子と途中から参加した女子高生の二人。主人公くんは残りのメンバーを生存させてゲームを終わらせることもできたのに、なぜ従妹と弟の嫁を道連れにしたのでしょうか?それは神を殺す布石でした。主人公くんは弟に神殺しをすることを託したのです。こうして主人公くんは長いゲームを終えて死んでいったのです。

  • 続きは『悪魔のゲーム』を買ってね
    • なぜ主人公くんが豹変し途中で神様のゲームを終わらせてしまったかが語られます。日常に回帰したのは令嬢は後始末を行っていきます。そこへ主人公くんの弟がアプローチを仕掛けてきます。弟が言うには、弟は悪魔と繋がっており悪魔の領域で神様のゲームをずっと見させられてきたのだとか。そして主人公くんが精神崩壊した時に、悪魔の領域へ召喚されそこで契約を結んだとのこと。なんでも主人公くんが魂を穢れさせた上で悪魔に捕食されることを条件に弟が「神殺し」を行えば神様のゲームで死んだプレイヤーは主人公くんを除いて全員蘇生されるのだとか。そのうえで悪魔は令嬢にも悪魔の提案を行います。神殺しを行うためのゲームに勝利すれば主人公くんも蘇生してあげると。令嬢はこの提案に乗るかどうかの選択肢を突き付けられるのですが・・・おーっとここでゲームが終わったぞー!!!オーケー。落ち着け。まだ慌てるような時間じゃない。タイトル画面が変更されて『悪魔のゲーム』編がリスタートするんだろ?あれ、どこにもリスタートボタンがないよ!?これで尾張かよ。そりゃないぜ。続きが気になる人は『悪魔のゲーム』を買ってね!!というオチでした。