二人だけの世界観におけるユーモア的関係性を描いた日常系作品の流行について

セカイ系の解釈は多々あれど私は「男女二人だけの関係性により世界観が構築されている作風」のことだと勝手に思ってます(テキトー)。それを考慮に入れると、男女二人の関係性をメインにした日常モノが最近ブームになっている現象はセカイ系の一種と捉えても良いかと思います。

 

具体的には、40人程度生徒が存在する教室において後ろの座席を占有する男女二人組が一風変わった形でコミュニケーションをとる作品群です。授業を全く聞かずに手遊びばかりする男子にツッコミを入れまくる女子を描いた『となりの関くん』や、純情な男子学生をからかい戸惑う様子を眺めてほくそ笑む女子を描いた『からかい上手の高木さん』、さらにはコミュニケーション下手で内向的な無表情系ヒロインとギャグ風味で二人三脚する『阿波連さんははかれない』など枚挙にいとまがありません。これらの作品ではサブキャラたちも出てきますが、あくまでもポジションは遠巻きな賑やかし担当であり、主軸に絡むことはありません。

 

また彼らの関係性の原動力がギャグになっているところも共通点です。好感度蓄積はマックス状態でもフラグ構築イベントが発生しないため恋愛関係にはならないのです。そんな恋愛関係には至らないまでも価値観を共有しているという間柄的な関係性を消費して楽しむのです。彼らは次から次にぶっ飛んだアイディアを投入してきます。作者は良くネタ切れを起こさないなと感心するレベルです。きっとネタが尽きたら最終回でフラグ構築して終わるのかもしれません。