雑録

『りゅうおうのおしごと!』関連の薄い本

溝口ケージ『りゅうおうのおすまい』(NtyPe、2017年8月12日)

銀子&供御飯さん本。前半4頁が姉弟子編、後半4頁が供御飯さん編となっています。
話の前フリと終局部分に一応あいも出てきます。
原作で主人公くんを攻略しようとする女性陣は多々あれど供御飯さんをチョイスするセンスが渋い。

 

  • 銀子ちゃん肉体的接触を望み「詰めろ」する。
    • 姉弟子こと銀子ちゃんですが、第4巻における小項目「姉弟子(かわいい)」から快進撃を果たします。そんななかで銀子ちゃんが主人公くんに甘えるようになった様子が描かれていきます。タイトルにもあるように『りゅうおうのおすまい!』ということで、あいの居ぬ間に銀子ちゃんがアパートに突撃。そこでひたすらベッドの上で甘えるのです。膝枕をせがむ姉弟子。膝が固いからという口実で騎乗位体制になる姉弟子。そこから本のページ越しに接吻を交わす姉弟子。そんな銀子ちゃんの様子を是非ご堪能ください。距離が近いとの指摘に対し、将棋ネタで『詰めろ』が棋士の本能と返し、言っておいて照れるというオチがすごく微笑ましいですね。原作では第6巻で銀子ちゃんが主人公くんと生殖行為を楽しむための宿泊施設に滞在し抱き枕と称してべた甘になりますし、第7巻ではそれが恒常化しツンドラ属性だった銀子ちゃんはチョロインと化します。さらに第7巻終局部では戦いに敗れた主人公くんに膝を貸して抱きしめ甘えさせてあげる慈母のような存在にまで昇華するのです。姉弟子の薄い本もっと描かれることを祈りましょう。

 

  • 供御飯さん蒲団に潜り込み「向かい飛車」する。
    • 供御飯さんは女流棋士兼将棋雑誌の記者であり、主人公くんの記事をたくさん書いてくれます。その馴れ初めは小学校時代であり、小学生名人戦以来の仲間なのです。供御飯さん小5、主人公くん小3の時の話。供御飯さんは準決勝で同じく女性の月夜見坂さんに敗北してしまうのです。泣きじゃくる供御飯さんに主人公くんが声をかけたことからフラグ構築が始まります。さらに決勝では主人公くんが見事に勝利するのですね。以来、供御飯さんは主人子くんに惚れこむようになったのです。そんな供御飯さんが薄い本に華麗に登場!!主人公くんの枕にスリスリしたり、顔をうずめこんだり、オフトゥンに潜り込んでモゾモゾしたりする描写を楽しむことができます。そして主人公くんの天然ジゴロが炸裂し、供御飯さんが命を燃やして書いている記事を褒めてお礼を言うと、感情が昂りまくり!!!そのまま供御飯さんは主人公くんをオフトゥンに引きずり込むのでした。

えかきびと『おつかれさまですししょー』(サークルフィオレ、2017年12月31日)

あい&天衣3P本。時系列的には原作5巻後6巻前。竜王タイトルをかけて名人と戦い防衛した後の話。
戦いが終わった後、主人公くんが倒れてしまったと聞いた天衣が駆け付けてきます。
両親を亡くした天衣はあいの提案に乗ることになるのですが・・・
その提案とはオフトゥンに潜り込んで愛を囁くことでした。

 

  • あいのぶっ飛んだ猛攻に天衣が引きずり込まれる展開
    • ししょーにべた惚れである炉利弟子あいの積極性がとても良いですね。そしてししょーにグイグイ迫るあいがいるからこそ、オクテ気味な天衣との対比が映えるというもの。大局で疲れ切って寝てしまったししょーの蒲団に潜り込み睦言を囁いてく展開はぐっときます。そしてあいによるレディコミで蓄えた知識で口径奉仕が炸裂。一方で、天衣はちゅっちゅと唇を貪ります。目覚めた後もあいに流されるままやってしまうししょーですが、終局部は二人を愛してエンドとなります。そして最後に真面目な将棋のお話のページが掲載されています。プロ将棋というのも大変なのですね。

 

  • ツンデレ天衣がおススメ
    • 原作では主人公くんズ一門とほぼ絡みの無い天衣。おそらくマイナビ本戦の決勝で銀子と戦うので、そこで天衣編が語られることを祈っています。出番が少ない天衣だからこそ、薄い本で出てきてくれると嬉しいですね。『おつかれさまですししょー』のみどころはあいに唆された天衣がなし崩し的に求めていくところに原動力があると思います。寝ている主人公くんにあいが好き好きちゅっちゅしているのに触発されて、もうどうにでもなれと接吻を決断する天衣。あいが尺八に夢中になっている隙をついて「今なら何してもバレない…!」と唇を貪り舌を入れ絶頂に達する天衣。そのいじらしさの表現がとても素晴らしいものになっています。会えなかった分中でいっぱい相手してよとおねだりするシーンはグッときますね。
    • 天衣は原作本編で立ち位置的にどうしても出番が少なくなってしまっていますが、主人公くんのことを陰ながら思う想いは誰よりも深いものがあります。物心着く時から父親によって主人公くんの棋譜と接してきたのだから。天衣はこれまで勝利を重ねていますが、不安要素の伏線もはられているため、どのように回収されるのかが非常に気になりますね!!

 


えかきびと『姉弟子の一番長い日』(サークルフィオレ、2018年4月30日)の感想・レビュー


  • 概要
    • りゅうおうのおしごと!』の姉弟子こと銀子本。えかきびと先生は原作をとても大切にしていらっしゃるとのことで、銀子の人物像の掘り下げが素晴らしいです。銀子の八一に対する複雑な感情。この内面描写だけでも一読の価値ありだと思います。そして八一と向き合うために将棋をしているので、結ばれたら将棋やめちゃうんじゃないかという懸念。銀子の揺れ動く感情と、それを察して慮る八一。長き時間を過ごした二人が結ばれる様子を是非ご覧ください(ダイマ)。


  • 銀子の複雑な感情表現とそれを察して受け入れる八一は素晴らしい!!
    • 銀子は原作における描かれ方に関して、とても表現に振れ幅のあるキャラクター表現なのですが、その揺れ動く感情を同人誌という形で十二分に描き切ってくださっています。銀子は自分よりも後に入門した八一が、自分を凌駕して成長し、遥か彼方の存在になってしまったことを、歯がゆく思っているのです。そのため、八一を将棋の王子様と神聖視し、八一に追いつくために将棋をしている側面があります。恋心を抱いてしまったからこそ、将棋への情熱が不純なものになり、銀子は強くなれなかったというわけさ(原作では桂香さん視点で指摘されています)。八一と肉体関係を持ち、強引に向き合ってもらうという既成事実を作ってしまったら、銀子はもう将棋をやめてしまうのではないか!?この懸念は原作読者なら誰しも抱く思いでしょう。私も思いました。そしてえかきびと先生も思っていらっしゃったらしく、そのイメージ像を破壊しようという意図があったのが、この薄い本なのだとか(あとがきより)。スゲーな!!!
    • それでは、「銀子と八一が向き合うことができた時に銀子が将棋をやめない姿」がどのように描かれているでしょうか。この本が出した答えは、「八一の中に銀子の将棋が生きている」ということでした。幼い時から何全何万局と真剣勝負を繰り広げてきた二人だからこそ、分かり合えることがある!!

  • 八一の将棋の中に銀子が生きている!
    • 本の内容に即して述べると以下の通り。三段リーグに挑戦中の銀子はしのぎを削る中で疲弊しそうになっていました。そんな銀子は無理をして強気に振る舞うのですが、それを察した八一は銀子の奇行の原因をすぐに見抜きます。「三段リーグで辛くともカッコ悪いことではない」と銀子の悩みを受け容れる八一に対し、銀子は八一との才能の差を引き合いに出そうとするのですが、ここで八一のお言葉が炸裂!!!銀子と何万回もVSしてきたことを思い出したからこそ、これまでやってこれたと唱えるのです!これにより、銀子の悩みが解消されていきます。八一の中に自分はいないのであると、一人でしょげていた銀子ちゃん。しかし、八一の将棋の中に銀子が息づいていたと言ってもらえたのです。これには銀子ちゃん即堕ちですとも。
    • そしてイチャラブっくすを展開し、八一に膣出ししてもらう銀子ちゃん。膣堕してもらったからこそ、「八一の中に自分の将棋が生きている」と確信できるという寸法さ!!とてもハラショーだと思いませんか!?これにより、見事、「セクロスしたら八一に向き合ってもらうという目標がなくなって姉弟子将棋やめちゃうんだろうなってイメージ」をぶち壊したというわけです。
    • 八一との性交は銀子が確信を得るためのスイッチとなり、さらに八一とのこれまでの対局が銀子のさらなるエネルギーとなって放出するラストシーンは、ぜひ皆さまにご一読して頂きたいところです。