金色ラブリッチェ 共通√の感想・レビュー

挫折系主人公くんモノ。捕手としての野球人生に終焉を迎えた主人公くんが第二の人生に挑む。
エキスパートを育てるための学園で、打ち込めるものを見いだせない主人公くんは何を目指すのか。
ノリ的には『こんぼく』(愛する女のために空手人生を断念した主人公くんの話)を彷彿とさせる。
(打ち込めるモノを無くしプラプラしている主人公くん像といえば『CLANNAD』なつかしすとなる)
ヒロインズたちとの交流で自己の存在理由とかに悩みながらしながら個別ごとに「打ち込めるモノ」を見出しいく展開。
そしてグランド√では再び野球で捕手を目指すだろーよという臭いがプンプンしていますが果たして!?
共通√は正ヒロイン姫様の初恋の対象が主人公くんではなく真ヒロインの不良だったと!!いう所まで。OP後にシナリオ選択となります。

共通√概要


  • 如何にして主人公くんは上流階級に受け入れられしか
    • 主人公くんは学校にも通わずプラプラしているプー太郎。今風に言えばNEET。そんな主人公くんでしたが、黒服に追われる北欧の姫様を助けるというボーイミーツガール展開で親しくなります。黒服は姫様の護衛であり勘違いでしたよというオチがつくとともに、姫様の意向により上流階級の子弟が通う学校へコネ入学することになったのでした。無意識のうちに特権意識のある生徒たちは下層階級の主人公くんが同じ学校に通う事を忌避し露骨に嫌がらせをしてきます。耐性のある主人公くんはそれをサバサバ処理していくのですが、そんな生活に嫌気がさしてきたのもまた事実なのでした。
    • では、そのような主人公くんを排斥する環境はどのように変わったのでしょうか?シナリオのイベントとして持ち出された装置は、大雨による大規模停電。道が崩落し陸の孤島と化した学生寮で主人公くんがリーダーシップを発揮し、災害を乗り切るのです。すいとんスープを作って皆にふるまう主人公くんは周囲に受け入れられるようになり、一緒にカレーを作ることで仲間認定されるのでした。同じ釜の飯を食う関係ってやつだね。こうして主人公くんは学園において承認されることとなったのです。


  • エキスパート学校における自己の専門性というもの
    • 主人公くんたちが通う学校の方針として生徒各自が自己の専門性を磨くという教育理念がありました。しかしながら主人公くんには打ち込めるものがないのです。ここでCLANNADこんぼく展開はいりまーす。
      • CLANNADではトモヤさんがバスケ部でスポーツ推薦入学したものの父親との喧嘩で肩を負傷し部活を断念することになりましたね。スポ推で入った奴が部活を辞めればその後は自己の存在意義を失いそれはもうプラプラさ。こんぼくでは主人公くんは空手家であったものの、姉の大学推薦をチラつかされて部活を空手部を辞めざるをえずプラプラすることになりましたね。
    • そんなわけで金恋主人公くんもまたこれまで打ち込んできたものを断念された挫折系主人公くんなわけです。体験版で伏線が張られていたようにやっぱり野球でしたね。OPでめっちゃ野球ボールでてましたし。主人公くんは捕手であったものの、全体のためによかれと思ってやったことで、チームを破壊しモトカノを傷つけてしまったようです。チョコチョコとそのトラウマが発動する部分が出てきて過去に懊悩するシーンがまたよし。個別√ではヒロインとの情交を通して主人公くんが自分の専門性を見出していくのでしょうね。


  • 幼馴染属性付与:姫様とヤンキーヒロイン
    • 主人公くんたちは幼少期に出会っており長期休暇を利用してキャンプを体験した仲でした。その時の記憶をめぐって主人公くんと姫様とヤンキーの間で悲喜こもごもが展開されます。主人公くんは姫様に好意を寄せられていることを感じ取り、幼少期における姫様の初恋が自分ではないかと勘違いしてしまいます。その理由は姫様がつけている指輪と主人公くんが持っている指輪の箱に刻まれた同じ「ロゴ」。主人公くんは箱を拾った時に出てきた「金色」のモノに強い印象を受けたのですが、これが勘違いを産むもととなります。主人公くんの記憶では、箱には指輪が入っており、それを姫様にあげたため、主人公くんに初恋を抱いた姫様がその指輪を大切にするようになった、と認識していました。しかしそれは記憶改竄であり、事実とは全く異なったのです。主人公くんピエロ状態。
    • 主人公くんたちが拾った箱の中に入っていた「金色」のものとは、ラブリッチェマーク(チョコボールの金のエンジェルみたいなもの)だったのですというオチ。では、姫様の指輪は!?なんと姫様の指輪は幼少期のキャンプで行ったグループワーク「楽器の廃材でリサイクルオシャレグッズ作り」で作ったものでした。そして姫様はそこで作った指輪を初恋のヒトと交換したとのこと。しかしそこで主人公くんは気づくのです。幼少期のキャンプでは性別役割分業でグループワークが設定されており、オシャレグッズ作りは女子だけだったのではないかと・・・。そしてその読み通り、姫様が指輪を交換した相手は真ヒロインであるヤンキー娘であったことが判明します。そしてこのヤンキー娘。じつは主人公くんが尊崇の念を抱いてる黒髪ロング歌手その人でもあったのです。ヤンキー娘は主人公くんにアレコレと哲学的なアドバイスを送り、姫様とくっつけようとしたりします。攻略ヒロインズのなかでは一番魅力的に描かれている人物でもあります。そんなヤンキー娘ですが、OP後のヒロイン選択には登場せず、そしてこれ見よがしに、シークレットとかあるではありませんか。あー、これってヤンキーがグランド√なんですね分かります。