- 捕虜の扱いの変遷について
- シベリア抑留における旧日本軍の階級が維持されたことについて
国史大辞典より
シベリア抑留(藤原 彰)
- 経緯
- 引き揚げ問題
- これら抑留者の数は正確には不明だが、二十四年七月一日に連合国最高司令官総司令部(GHQ)は、シベリアの日本人引揚げ対象者の総数は七十万人であると発表した。日本政府はシベリア抑留者の引揚げにつき、GHQにくり返し援助を要請し、二十一年十二月、GHQ代表と対日理事会ソ連代表の間で、引揚げに関する協定が成立し、ナホトカ経由のソ連からの引揚げが開始された。それ以後二十五年五月までの間に四十七万人が送還された。二十五年六月ソ連政府は、戦争犯罪人として服役中の千四百八十七人を除いて、日本人の送還は完了したと発表した。これに対し、同年十二月、外務省は未帰還者は三十六万九千人であると発表し、さらに翌二十六年三月国会で、確実な未帰還者数は三十二万四千人であると言明し、日ソ両国間で、送還の終了をめぐって対立がつづいた。