1.身分制社会とは何か。
- 差別とは
- その人が選べない その人の責任が全くない だから差別
- 生まれながらにしてその身分に
- 現代の身分制度ではどのような身分があるか?
- 1868年以前は?
- 近世の身分社会 → 士 | 農工商穢多非人
- このラインを引いたのが太閤検地 身分を確定するという近世社会の構成原理
- 小農自立 一地一作人 中間搾取をなくしたのよ
- 近世の身分社会 → 士 | 農工商穢多非人
2.近世日本の身分と土地所有
- 太閤検地の意義を強調
- 一つの土地(農地)に対しては、二つ(二人)の権利だけが設定されるようになった
- 領主的土地所有と百姓的土地所有 原則的に1対1
- 生産された農産物を年貢として収奪する権利→領主的土地所有
- その土地を耕して生産する権利→百姓的土地所有権
- 中世は領主的所有権が重層的錯綜的だったし 農民サイドも奴隷制など重層的だった
- 近世はその中間支配がとっぱらわれた
- 百姓的土地所有は、農地だけの土地ではない。
- 商店や工房も同じだし 海辺でいえば海産カンバ(水産加工する場所が漁師の土地) キコリだったら山
- 百姓と領主しかない
- 町人も職人も百姓の一種
- エタヒニンも百姓的土地所有権 エタヒニンは身分的に賤視された職業に従事
- 天皇家も領主的に土地を所有している 公家とか大名とか寺社も領主的に土地を所有する
- そこから年貢を取る権利を持っている
ここで突如、授業中に疑問に思う
教授さま「たくさんの武士たちは年貢をとって生活している」
!?疑問発生!?
??? 年貢を取る権利をもらっている??? 武士って城下町に集住させられて、俸禄米とか貰ってるのでは?
【解決】領主的土地所有には、地方知行制と蔵米知行制があって、蔵米知行制は武士が直接土地所有してなくとも、領主的土地所有の枠組みってことね!
- 領主的な土地所有権
- 蔵米知行制
- 幕府は コウギゴリョウに ダイカンを 派遣して年貢を取り立てる → 将軍が派遣する役人が年貢徴収 → コウギゴリョウから集まって来た年貢を分配する
- 蔵米知行制では、土地を貰うのではなく米や金を貰う ※土地を貰った方が格式が高い=ジカタチギョウの方が格式が高い
- 幕府や藩はできるだけクラマイチギョウを増やしていきたい
- 土地を渡してしまったら 資本投下して生産性あげても 幕府や藩に入ってこない できるだけ蔵米知行にしていきたい
- 19世紀になるとクラマイチギョウが増えてくる → 家臣の家来は領主的土地所有の分配化に置かれる
- やっかいなのは、侍・中間・小物(武家奉公人) → 領主的土地所有権の配分を受けているのだが・・・
- 一季居奉公人 ある期間だけ務める 臨時採用
- 譜代は管理できるが一季居奉公人は管理できない 期限が終わると領主的土地所有から百姓的土地所有に変わる
- 太閤検地の時、かなりセンシティヴな問題となる
- 一季居奉公人をどのように編成するか 譜代にしたいけど無理
- 一季居奉公人必要な事例
- 軍役を課せられる 江戸時代には戦争がないから 軍事パレードとなる 領知の大きさに応じて軍制を整えておかねばならない
- 江戸と国元を往復する 細かく決まっている 軍役令に定まっている ピッタリに仕立てなければならない
- 奉公人の数が規定されているが ぴったりになんかできない 大体出発するときと、大きな城下町を通る時と、江戸に入る時だけ人数を揃える あとはスリムでくる
- 人宿はスキルがある奉公人を斡旋してくれ!と頼まれる 必要に応じて武士として雇われる 【身分的周縁論】
- 寄進
- 徳川将軍家が寄進する場合がある 社家は血縁相続 僧家はガランボウ相続
- 寺社には寄進する
- 宮家や公家は将軍から知行されている
- 宮家や公家は侍・受領などを抱えている
- 将軍家が認めた土地から年貢を取っている
- 年貢を納める側
- 用益権(耕作などをできる権利)
- エタヒニンは
- 百姓的土地支配をしていますよ。
- 土地アレコレ
- 朱印地(幕府が寄進する土地)
- 除地(年貢を免除する土地)
- 固定と流動
- 年貢を払う側・もらう側が確定している →身分固定化の側面 家産継承の側面 分割相続しない 蛙の子は蛙 夢も希望もない
- しかしながら、身分は流動する
3 流動する身分
- 1980年代に盛んになった 身分的周縁の人々
- 身分制度グチャグチャの例1【本所編成】→ 渡辺左京
- 士族として生まれるが勘当されて浪人へ
- 浪人は領主的土地所有権を持たない存在 →再生産活動ができない → 武家奉公人となる
- 土御門家(※公家 特別な領主 京都の宮廷に仕える 先祖はアベノセイメイ)に入門し、陰陽師となる → 公家は家職を持っていて、本所として振る舞う
- 冷泉家は和歌の家元・本所。全国に門人をもってる、和歌の指導をして生活。
- 飛鳥井家は蹴鞠の本所(全国の大名が競って入所する 大名は江戸城に烏帽子を被って入城するが蹴鞠の段位によって、烏帽子の紐が決まっていた 何色の紐で競う 飛鳥井家に入門して伝授を受ける 紐をゲットする 飛鳥井家は入門料と免許料で生活する)
- 土御門家は陰陽寮の陰陽頭 安部はウジ 土御門家がイエ 土御門家に入門していないと無免許陰陽師となる 陰陽師の免許をもっていないとできないこと(手相・風水・印鑑を彫る・辻占など) 陰陽師になるには京都の土御門家に入門しないとダメ 土御門家に陰陽師の管理を任せる 京都の土御門家にいかないと陰陽師になれないが、19世紀になると土御門家は江戸に出張所を設ける。
- 【身分的周縁】→陰陽師の身分。その後、人気陰陽師となる。
- 神社の「社人」となる。除地を獲得する 土地持ち陰陽師
- 土御門家江戸役所の陰陽師組組頭頭取役に就任する→土御門家の家来となり公家身分へ
- 問題を起こして江戸から1年間追放されたあと、江戸にもどり旗本の家来となる →身分は武士へ
- 家老として抜擢されるも家臣不正事件告発により、告発した家臣に殺害される。
- 身分グチャグチャの例2【株売買と養子縁組】→樋口則義
- 身分制の中の流動性
- 江戸時代はイエとしてはかっちり決まっているが 本所編成や株売買や養子縁組によって個人が流動的に動いていく。