雑録

史料判読能力養成講座EX001 幕末外國関係文書通読

講義で通読し終えたので、個人用のまとめ。
(あくまでも個人用。間違ってる可能性も大いにあるので信用しないでください)

  • 概要(超☆訳)
    • (※前提:雄藩がガタガタ言うので、天皇の権威を利用して黙らせようと、条約勅許を得るために、堀田正睦は京都へ行った。)そのため堀田はハリスに対し、江戸幕府に帰ってくるまで条約締結できないよと言っている。
    • 「京都へ行って天皇に申し上げるには2ヵ月くらいかかるので、2カ月後(またはそれ以前でも勅許得たら)条約結ぶでしょう」との趣旨を1月5日に出した書状の時に言ったよね!!(とハリスに確認している。)
    • 約束の日付になるけど、ハリスが病気になっちゃって無理して下田から江戸幕府に登城したことは、江戸から京都にお知らせが来たので知ってるよ。
    • 江戸から報告受けてるから、ハリスと下田奉行との最初からのやりとりは勿論として、一切の事情は細かく天皇のお耳に入れているよ。(※細かく報告してるからおそくなってるんだよ的なニュアンスらしい)
    • 約束の日までに江戸幕府に帰れないから約束の日と違っちゃうので、ちょっと知らせておくよ。
    • もっともこのうえはそんなに日数はかかることはないでしょう(と言い訳している。)
    • なお詳しいことについては井上信濃守と相談してね!

宛所

亜墨利加合衆国全権兼
コンシユルセ子ラール
 トウンセントハルリス江

第一文

日本と 合衆国と 仮条約 為取替之儀二付
(ニホン ト ガッシュウコク ト カリジョウヤク トリカワシノギニツキ)
【日本と合衆国との仮条約を取り交わすことについて】 

京都江 御使を以 奏聞を 被遂候間
(キョウトヘ オツカイヲモッテ ソウモンヲ トゲラレソウロウアイダ)
【(公方様が)(私=堀田を)京都へお使いに出して (私=堀田を介して)天皇に申し上げなさったので】

帰府迠 調判 難相成 
(キフマデ チョウハン アイナリガタシ)
【(私=堀田が)幕府に帰るまで 条約にサインをすることは できません】

第二文

右者 二ヶ月 可相掛
(ミギハ ニカゲツ アイカカルベシ)
【上記(私=堀田が江戸から京都へ行き天皇に申し上げるまで)のことは、二ヶ月かかるでしょう】

其時 又 其以前二も 調判 可致 旨 等
(ソノトキ マタ ソレイゼンニ モチョウハン イタスベク ムネナド)
【その時(二カ月経過後時)、またはそれ以前にも(二ヶ月経つ前に勅許得られたらそれ以前も)条約にサインするでしょうという趣旨などは】

當正月五日 書面を以 申達置
(トウ ショウガツ イツカ ショメンヲ モッテ モウシタッシオキ)
【今年の一月五日に 正面で 申し達し置きました】

第三文

右日限二も 相成候間
(ミギ ニチゲンニモ アイナリ ソウロウ アイダ)
【上記の日限(1月5日の書状で伝えた2ヵ月後)にも なりますが】

其許 病後 押而 再出府 被致候 由等 委細 江戸表より 申越 令承知 候
(ソコモト ビョウゴ オシテ サイシュップイタサレ ソウロウ ヨシナド イサイ エドオモテヨリ モウシコシ ショウチセシメ ソウロウ)
【あなた(=ハリス)が 病気の後でも無理して(下田から)江戸幕府へ登城したことなどの 詳しい事情が江戸から来て承知しております】

第四文

然處 其許と 委任之者共 初發より 對話 之 趣 者 勿論
(シカルトコロ ソコモトト イニンノモノドモ ショハツヨリ タイワノ オモムキ ハ モチロン)
【そのため あなた(=ハリス)と 委任の者ども(下田奉行)が 最初から(1月5から)対話してきた 趣旨のことは勿論のこととして】

一躰之事情 巨細二 及奏聞候二付 相達置候
(イッタイノジジョウ コサイニ ソウモンオヨビソウロウニツキ アイタッシオキソウロウ)
【総じての事情は 細かく 天皇に申し上げましたので 天皇のお耳に届いております】

第五文

日限迠二 難致帰府 約日 相違致し候間 一應申述置候
(ニチゲンマデニ キフイタシガタク ヤクジツ アイタガエ イタシソウロウ アイダ イチオウ モウシノベオキ ソウロウ)
【約束の日までに 江戸幕府に帰ることは難しく 約束の日と違ってしまいますので 一応伝えておきますよ】

第六文

尤 此上 左迠 日数 相掛候儀者 有之間敷
(モットモ コノウエ サマデ ニッスウ アイカカリソウロウギハ コレアルマジク)
【もっとも このうえ それほどまで 日数がかかりますことは これはないでしょう】

第七文

猶 委細之儀者 井上信濃守より 可申談候 
(ナオ イサイノギハ イノウエシナノノカミ ヨリ モウシダンズベクソウロウ)
【なお 詳細については 井上信濃守より 申し談じてください】

謹言
(キンゲン)
<手紙の結びに用いて敬意を示す敬意表現>

末尾

安政五午年三月朔日
(アンセイ ゴ ウマドシ サンガツ ツイタチ)

堀田備中守   <花押>
(ホッタビッチュウノカミ)