雑録

史料判読能力養成講座009 皇太子時代の昭和天皇の洋行問題・宮中某重大事件(『原敬日記』大正9(1920)年12月7日の一部より)

  • 崩し字 図像で覚える? 偏と旁に分けて崩す前の字を想起してたらタイムアップ
    • 毎週、崩し字を約700用例覚えてきて40個翻刻するテストがある。それはもう莫大な時間を費やしてしまっている。前回の試験では、崩し字そのものを覚えようとして失敗したので(点数はそれなりで満点には程遠い)、今回は偏と旁に分けて崩す前の元の字をイメージするようにしてきた。そうしたらちゃんと読めるようになったのだが・・・時間かかりすぎて、試験中にタイムアップという事態に陥ってしまった。と、いうか瞬時に判断しないととてもじゃないけど終わらない・・・
    • 教授曰く、学生の勉強方法が悪いとのこと。崩し字は「図像」で覚えて、瞬時に判断するものであるとのこと。勉強方法として、コピーして用例を切り取り、裏に翻刻して、単語カードみたいにペラペラ見返せとアドバイスしていた。しかし約700用例分作るのも大変。作ってやってるけど来週はどうなることやら。

今回のおはなし

  • 天皇の下部機構:臣下と皇族
    • 天皇の下には臣下と天皇家の親族の二種類が存在する。天皇には、国家の問題と皇族という一家族の問題という二面性がある。それが顕著に現れるのが天皇の代替わりの時。明治天皇の葬儀の際には、最年長である閑院宮が代表となり、そのもとで政府が実行した。臣下と親族で役割分担がなされていた。天皇は国家の長であるとともに、天皇家一族の長であった。
    • 昭和天皇から今上天皇(平成)への代替わりからは皇族はノータッチで、政府が取り仕切るようになった。

皇太子時代の昭和天皇の洋行、宮中某重大事件

  • 洋行問題
    • 当時は昭和天皇の状態が思わしくなく、昭和天皇の皇后も皇太子時代の昭和天皇が洋行することをよく思っていなかった。そのため、元老は皇族の伏見宮閑院宮から内奏してもらおうとしたが断られた。そのため松方正義が宮省とともに奏上することになった
  • 宮中某重大事件
    • 皇太子時代の昭和天皇の皇妃として久邇宮が決まったが、色盲であったので、元老たちは取り消そうとした。だが、反対の動きが激しく、結局は一度決まった婚約を反故にするのは人倫に反するとのことで、そのまま結婚した。


西園寺を訪問したり。先頃も来京せしも面會の機會なかりしが、明日頃興津に往くと云ふに付、往訪して先達中より宮中に於ける問題たりし皇太子殿下御洋行の事如何に決定せしやを尋ねたるに、皇后陛下の御快諾未だ得ざるも、山縣既に内奏したる事、過日内話の通りなれば、此上は皇族方より内奏の事となし、先づ伏見宮に言上せしに、三元老申上げて御快諾なかりし事を自分等より申上げたりとて其望なければ断ると云ふに付、不得已松方が宮相と共に天皇陛下に奏上御裁可を得ることとなれり。但両陛下とも御風気に付延引となれりと云ふ。また茲に困つた事には、皇太子殿下の皇妃と内定ありし久邇宮ノ皇女は色盲の御欠点ありと云ふ事にて、如此御病疾あるを皇妃となす事は、不可能に付、御変更相成らざるを得ざることとなり、此事に付ても色々相談中なりとの物語あり。