- 今回のテーマ
- 日本の国家体制は戦時体制となるがそれはどのようにできてくるのか
1)組織
- 政府は陸海軍に口を出さない 【明治憲法の第11条】
- 統帥権の独立という制度は昭和の時代に非常にマズイことになる
- しかし誤解しないでいただきたいのは、そもそもの趣旨は陸海軍は政治に口出してはいけないという意味 相互に口出しすることを禁止しているのだということを頭に入れて頂きたい
- 戦前の陸海軍は陸軍と海軍が全く別の組織
- 人材登用の運営も全く別にやっている
【陸軍の場合】
- 陸軍という一つの組織は存在しない
- 戦闘部隊 師団
【海軍の場合】
2)近代化の旗手としての陸海軍(明治)
- 当初は、もっともモダンでもっとも合理的でもっとも頭が良かった
- 【国家指導者兼陸海軍指導者による統率】
- なぜ明治はバラバラにはならず一体化していたのか? それは、陸海軍指導者が国家指導者だった
- 自らの利益ではなく、国家の利益で行動している
- 陸海軍の利益を押さえつける立場にもなる
- 制度は独立しているが、トップが国家の指導者でもあったので、運用では国家の陸海軍だった
- 明治では構造的な欠陥は露呈せず、順調に発達していく
将校
- 職業軍人とは
- 少尉以上の階級を持っている人々を指す
- 将校たち 近代的な登用制度で採用される
- 資格任用制⇔情実任用制
- 現代は資格任用制になっている 陸海軍はもっともはやく資格任用制をとった
- 軍人は定年制が存在する
- 戦前の日本には定年制がなかった 昭和8年、9年の段階で官僚組織の若返りが問題になる(大久保政権から勤めていた人が!!)
- ドンドンドンドン早期退職で人を削っていく 使い物にならない奴らは切り落としていく その代わりに年金あげるから 恩給制度・年金制度がセットになっている
- 一定の若さ・人数に保つ人事管理制度をやっていた。
- 身分を問わず頭の良さ・体の良さで決まる
- 給料をもらいながら生活費用を用立てしてもらえる 身分制社会で鬱屈していた人達にとって出世の機会だった!
- 試験は筆記試験(大学レベル)・実技あり・スーパー圧迫面接がある 頭・身体・度胸 男として一番優れた人間が行く 男の中の男は軍隊へ行く!(戦前)
- 近代化の旗手
- → 軍人の制服 初めて着る洋服 陸海軍と警察、中央官庁のみ 着物に対して洋服は近代化の旗手の象徴 オシャレ集団
- 【史料3】→岡田啓介の軍靴のエピソード
- 陸軍はベッド 海軍はハンモック、ナイフとフォーク
- 扱うのはヨーロッパから輸入した最新兵器 兵器は全部輸入品 陸海軍では語学に堪能 陸軍は英仏露仏中 海軍は英語 メチャクチャ語学が出来て新しいものに敏感
兵士
- 兵士にとっても近代!
- 徴兵制
- → まず健康診断 検査をするのは医師 明治の若者にとって医師ははじめて出会う西欧近代
- 若者は甲乙丙に分類され 甲種となったら兵士となるが・・・1師団2万人×25 人数決まっている 甲種の中から抽選で決める
- 男としては甲種合格を目指す 国家公認のお墨付き 村の英雄じゃ!となる が、一方で抽選は外れたい。両義的な感覚をもたらす
- 軍隊生活には何が待っているかというと、洋風の暮らしが待っている ベッド、テーブルと椅子
- 時計に従って暮らす 朝は6時に起きて、夜は9時か10時に寝る 時計に従い動く 分の単位で
- 朝昼晩の白米が食べられる 支給が1日5合半
- シンタイキセイ
- クロサワアキラ 七人の侍 百姓たちに槍を持たせようとするが・・・ 百姓たちは真っ直ぐ立てない 誰一人真っ直ぐ立てない そんな姿勢をしたことはない
- 真っ直ぐ立つということは近代 歩き方も。明治時代は右手・右足を両方出していた。着物が崩れるから。 右手・左足を闊歩と呼ぶ 江戸時代以前の日本人はしなかった 軍隊が輸入した 全員に叩き込んだ 着るものが上下セパレートになったことにより歩き方も変わった
- 軍隊に行って帰ってくると村の人達から見ると近代化の姿そのものとなる
- 徴兵制
- 兵士の補足
- 外の世界の方が良い食べ物を食べるようになったのは大正期
- 軍隊は米はあるけど、おかず全然ないじゃん!となって逆転するが、明治は白米を腹いっぱい食えるぞ!