日本近現代社会経済史資料(003)「防衛研究所とアジア歴史資料センター」

1.防衛研究所

  • 憲法9条との関係
    • 本来ならば、防衛研究所は、現在のアクチュアルな問題に取り組まねばならぬが、憲法9条があるので、歴史の問題に取り組むと正当化している。
  • 戦史資料の紹介
    • 歴史を書くことがここの仕事 → 公式先史 official war history
      • 世界共通 戦後の日本は軍隊がないから防衛研究所で書く。
  • 史料の大半は終戦時に焼却される
    • 焼かれたけどまだいっぱいあるよ!
      • 焼却免れる → 米軍が押収 → 外交交渉 → 1958年4月に返還
      • 戦後厚生省復員局が整理保管していたものもある。
  • 主な資料(陸軍)
    • 陸軍省大日記」
    • 陣中日誌・戦闘詳報
      • 諸戦闘記録、部隊が作成
  • 主な資料(海軍)
    • 海軍省公文備録
    • 戦闘日誌・戦闘詳報等
  • 「戦史叢書」(全102巻)

2.アジア歴史資料センター

  • アジ歴
    • 国立文書館のスタッフが運営 電子資料センター 
    • アジア歴史資料とは何か? → 近現代のアジア近隣諸国等との関係に関わる資料
      • 戦争で関わった国々との文書が公開されているので、ロシア・アメリカ・イギリスなども含まれる。
  • アジ歴開設の経緯
    • 戦後50周年記念のために → 村山談話「平和友好交流計画」(1994.8.31) → アジ歴の検討
    • 1999年11月30日 閣議決定 → 2001年11月30日に開設
  • 件名 第1/其2 ソの東亜に対する戦略企図
    • 防衛省 防衛研究所 陸軍一般史料全般その他『昭和21年春頃を目途とする情勢判断』
      • (一)ソは日ソ中立条約廃棄の意思通告を一転機として急遽東ソの兵力を増強しつつあり其の企図する所は之に依りて其の対東亜攻略企図の
    • 日本近現代史において政府や軍はソ連が8月に参戦できるかどうかが論点になっている。
    • この資料は8月にソ連が参戦できることを示す貴重な資料。
    • だが『昭和21年春頃を目途とする情勢判断』なので、ソ連が参戦する可能性は低いだろうと判断している。重要性が無視されている。→ なぜ!?