論文講読用のレジュメ
著者が主張する第1章での4つのポイント
- 一、満洲情報源の拡大
- 二、軍主導の旅行スタイル
- 三、帝国のまなざし
- 「観戦旅行と利源調査に現れた帝国のまなざしを、戦跡・国威・富源という三つの語りにまとめることができる。まず、満洲丸での観戦旅行が、志賀重昂に「日本国威の反照」、「戦捷の淵源」、「戦後経営」の可能性を実感させた。また、旅順開城直後の2回目の観戦旅行に触発され、『読売新聞』は、教育家にも旅順観覧を行わせるように要望し、旅順の持つ、国民教育の道場としての価値を明確に指摘している。そして、開戦前から流布されていた「富源」のイメージは、戦時中、利源獲得と戦後開発への期待感に転じ、さらに戦後の利源調査の計画にも継承されていた。戦跡・国威・富源は、のちに観光客のまなざしの中にも反復され、満洲観光の重要な要素となった。」
- 四、満洲観光の気運づくり