缶詰少女ノ終末世界 体験版の感想・レビュー

野外活動を描いた日常のA視点と小型核爆弾を巡るシリアスなB視点を交互に提示して一つに収束。
A視点は学園モノで『ヤマノススメ』や『ゆるキャン』よろしくアウトドアをする。
B視点はスパイ活劇よろしく小型核爆弾や地域紛争での殺戮が主題となるシリアス。
A視点のキャンプ中にB視点の人物が接触を図り、二つの視点が一つに繋がり体験版は終わる。
終末準備ごっこをしているのがA視点だが本編で本当に終末が起こったらハラショーだ!
極限状態を生き抜くシナリオが成功するのは『はるくる』や『なつくる』で実証されてますし。
『あきくる』では白露擾乱が描かれなかったけれども本作で地域紛争が描かれたら面白くなりそう。
殺戮者のクローンが地域紛争に投入される話が展開されるが主人公くんもクローンかも?

単なる終末ごっこのアウトドアで終わるのではなく本当に終末が描かれそうな

A視点 『ヤマノススメ』や『ゆるキャン』で野外活動が流行ってますから。

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  • 如何にして更紗サリはプレッパーとなりしか
    • A視点では、自尊感情を持てず自己肯定感が低いが故に終末を迎えれば世界や自分と向き合えると信じるメンヘラ少女を救済するため、アウトドア部を結成して野外活動をすることがメインとなります。事前情報からの個人的な予想では、このメンヘラ少女の思想信条がテーマとなり、終末を扱った作品群を踏まえながら哲学ゲー的な要素が主題となるのかしらん?と思っていました。しかし体験版をやったら、終末に取り組むよりも野外活動を中心にシナリオが進んでいきます。そういえば『はるくる』でも『なつくる』でも人間の身体に着目して、「元気って素敵だわ」とか言ってましたしね。実際に身体を動かすことで、メンヘラ少女は生きる力を取り戻していきます。
    • このメンヘラ少女:更紗サリが世界と向き合えない理由としては、親の愛情の欠如、虐待とニグレクトが挙げられております(本人は否定している)。『すきま桜とうその都会』ですな。体験版では更紗の背景は詳述されず、わりとアッサリと流され、更紗の事情を知った主人公くんと八乙女先輩が立ち上がるのです。そして唯一の常識人でありツッコミ担当&弄られキャラな野外活動解説役としてアウトドアショップの娘である炉利枠の辻花が仲間に加わります。こうして終末に備えると言いながらも、みんなで野外サークル的な活動に興じていくのでした。更紗だけでなく実は主人公くんも何か大きな力に巻き込まれて世界の果てに飛ばされてしまいたいと内心で思っているところが結構グッとくる展開で、藪漕ぎをしながら世界の果てを感じるところは強く印象に残っています。

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  • アウトドア要素と地形図判読と実地巡検
    • 結構本格的にアウトドアの描写がなされていくので読んでいて面白く好感も持てるのですが、どうしても近年ブームになっている『ヤマノススメ』や『ゆるキャン』が頭にチラついて離れません。地方dis要素は『おま群』や『翔んで埼玉』っぽいですしね。
    • 地形図の読み方の面白さを読者に訴えかける場面もありますが、そういや『アマカノ2』の車椅子ヒロインの地理のテスト対策のために地形図を読んで実際に回ろうというイベントをこなしたことや『サクラノ詩』のメインヒロインが地形図の読図が趣味だったなというどうでもいいことを思い出してしまうのでした。
      • そうそう、全くといっていいほどチョー個人的な話なのですが、地形図の読図が出ると学生時代を思い出してしょうがない。まだ私が教育学研究科で教科教育実践を学んでいた時代、よく自然地理学のKUMA-KUMAに地形図の判読をやらされ現地に巡検に行ったなぁと(私の専門は世界史教育なのだが、地方の教員は自分の専門以外にも全ての社会科系科目を持たされるのだから、世界史だけでなく日史・地理・倫理・政経・現社全てを教えられなくては駄目だ!という指導のもとで付属校や研究協力校に派遣されて教科教育実践の研究に励んでいた。そして後にはホントウに全科目を教えることになるのだった。)
B視点 殺戮者の一族・地域紛争・クローン・小型核爆弾・量子力学

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  • 核爆弾を回収して核戦争を防げ!!
    • 一方B視点はシリアスパートで話が展開されていきます。B視点の語り部はツバキという人物で、スナッフムービーを見るのが趣味で、殺害シーンをイメージしてはそれに対処する訓練を重ねています。なんでも殺戮者の血を引く子孫なのだとか。ムービーを繰り返し見ているうちに、ツバキは地域紛争の映像で同じ人物が違う局面で何度も殺害されることに気づいていきます。
    • ツバキ視点ではグリザイアシリーズよろしくアカサカだのイチガヤだの隠語が飛び交いハードボイルドな雰囲気が漂います。そしてツバキの一族が小型核爆弾を保有していることが明らかになり、それが故に尾行されていることに気づくのです。ツバキは自分を尾行する人物を突き止めるために動いていきます。
    • このツバキの動きがAパートに接続されるのが、体験版のクライマックスシーンです。ツバキが尾行者を追い詰めると、Aパートで陽気なおちゃらけた先輩を演じていた八乙女さんが該当人物だと判明。八乙女先輩は仏教の末法思想を信じるグループの一員であり、核爆弾の回収が任務なのだとか。このやりとりの中で、ツバキは前頭葉を失い昔の記憶を無くしていたことが分かり、地域紛争で何度も死んでいるクローンはツバキなのではないかという伏線が張られるのです。
    • そしてまたブラフかミスリードかもしれませんが、主人公くんもまた「行動原理がプログラムされている」ことや「中性的な顔立ち」ということから、ツバキのクローンの一種であることが匂わされています。体験版はこうしてAパートとBパートが接続して終了となりましたので、ただ単にアウトドアしながら自尊感情を獲得して安易なハッピーエンド!ということにはならなそうです。実際に本当に終末が起こってしまい、それに対処していくというのが現段階でのシナリオ予想でしょうか?時間の上に立てるとか云々とか言ってて『あきくる』の量子力学を彷彿とさせますし、この後一体どうなるのか、続きが気になりますね。

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メインヒロイン:更紗サリは群馬県出身

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  • 謎の群馬県賛美が展開され、婉曲的にdisってるように感じてしまう。
    • ノベルゲーに群馬県が登場するのは珍しくなく、プラハシリーズでは1・2ともにヒロインの名字が群馬県の地名であり、群馬の森にある群馬県立歴史博物館の外観がプラハの生徒会の建造物と一致しています。ラブプリではグンマー少女が攻略ヒロインにいますし、ラズベリーキューブは川越ゲーですがカインズホームが多々出てきます。グリザイアシリーズでは雄二の母がDVから逃れて落ち延びた先が群馬でしたね。そんなわけでいつもだったら群馬県が登場するとテンションが上がるのですが・・・。本作の場合、メインヒロインを気遣うが故に、あまりにも無理やりに群馬県の良い所探しが展開され、婉曲的に小馬鹿にされているように感じてしまうのでした。

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