ケムリクサ(全12話一挙視聴)をした感想・レビュー

近未来世界で少女が惚れた男の過労死を防ごうとしたら世界を滅ぼしてしまった話。
少女は男を救うために自己の魂を6分割し能力を付与するが、男の死が判明する。
それ故、男を助けるという目的を直前で書き換え、好きなことを見つけて生きるよう指示。
少女達は終わり行く世界で座して死を待つだけであったが、男の転生態(少年ver)が出現。
再び終末世界を旅行することとなり、世界の果てで、世界を終わらせる存在と対峙する。
勝利した少女たちは終わってしまった世界を脱却し、新世界へと辿り着くのであった。

【大ブーム】文明崩壊後の終焉を旅する終末世界モノ

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  • 如何にして世界は滅亡したのか。
    • 物語の世界は近未来世界で、ケムリクサという各種特殊能力を持つ草を携帯端末のように使っています。ヒロインの少女「りり」は主人公の青年わかばによって偶然地球から掬い上げられたのですが、両親は過労死しており、わかばにとてもよく懐くことになったのでした。わかばからケムリクサの使用方法を伝授された「りり」は創意工夫のもとでメキメキと腕を伸ばしていきます。ある時わかばの仕事が忙しくなると、「りり」は寂しさを感じるとともにわかばが過労死してしまうのではないかと心配します。そのためケムリクサを用いて過労死を防ごうとするのですが、それがきっかけとなり世界が滅んでしまうのでした。



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  • さいしょのひと「りり」の分裂
    • 世界崩壊に際し、わかばによって隔離された「りり」でしたが、10日経っても連絡がつかないため、自分がどうにかしないといけないと立ち上がります。今の自分ではどうすることもできないことを思い知った「りり」は、ケムリクサの能力を使って自己を6体に分け、わかばを救おうとしたのでした。しかし分裂の直前に、わかばはもう既に死んでしまったことが判明します。それ故、急遽分裂する自分達への目的の指示を書き換え、わかばを救うという部分を消去し、好きなことを見つけて生きろと託すのでした。



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  • 終末世界旅行
    • 「さいしょのひと」である「りり」から分かたれた6体ですが、放送の時系列ではもう既に3体が死んでいました(りく・りょう・りょく)。また、「りな」はさらに6体に分裂しており、そのうちの「りなぞう」もまた放送前に死んでおり、「りなこ」も第1話で死ぬことになります。
    • こうして残されたりん・りつ・りな4体(りなっち・りなじ・りなよ・りなむ)の計6体がジリ貧の状態で終わり行く世界で死ぬのを待っていたのでした。しかし、ここに突如わかばの転生態である少年verのわかばが出現します。(なんでわかばが少年形態として転生してきたのかは1回見ただけでは読み解けなかった。なんでなんですかね?)。こうしてわかばと出会った少女たちは、このまま座して死ぬを待つよりはと、終わってしまった世界で最果てを目指すことになったのでした。
    • 物語の基本的なシナリオは、この最果てを目指す旅となっています。特殊能力を持つケムリクサを駆使しながら襲い掛かってくるアカムシを撃退しつつ、世界の謎を解き明かしていくのです。この旅を通してわかばはヒロイン達と好感度を蓄積していきます。既に死んでしまった3人も1枚のケムリクサを共有する記憶の集合体としてわかばに世界の秘密を教えていきます。



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  • 最後はお約束の大団円
    • 終末旅行も終盤、行き着く先まで行き着けど、満身創痍。エネルギー源の水も尽き果て最後の戦い。りなとりつは残りの水を飲まずにみどりのケムリクサを生成して、りんとわかばに託します。そしてラスボスバトル。ここで『けものフレンズ』と同じように主人公が死にかける演出で次回へ続くの引きが入ったり、今までの登場人物の総力戦となる展開が挿入されたりします。実は死んだと思っていた3人が助けに来るシーンはお約束の展開とは言え、お約束だからこそ燃えるものがありますね。
    • で、見事ラスボス撃破。3人とも本当のお別れ。世界の果てには豊富な水のある新世界が広がっていました。消滅寸前フラグが立っていたりつとりなも助かった模様。ケムリクサのエンディングは登場人物のシルエットが死んだ順に消え去っていくのですが、最終話ではりつとりな4体も残っていたので、死ななかったのだろうことが推測されます。
    • そしてこれまたお約束の12.1話。死んでしまった3人が死後の世界で青年状態のわかばと出会い、これはこれで救いとなったというハッピーエンドで終わることになります。
    • 人類滅亡文明崩壊後の世界を旅して謎を解き明かし、ラスボスバトルで大団円を迎え、世界の終わりから新天地に辿り着くという構造を考慮すると、「まさに『ケムリクサ』のほうが例のアレの一種の続編であった!」という意見が多いのにもうなずけるのではないでしょうか?

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