缶詰少女ノ終末世界「烏森亜実花シナリオ」の感想・レビュー

死んでも時間遡航してしまう多重人格の少女が、自己の別人格を解放するために死を求める話。
一つの肉体を共有する多重人格のうち、少女の人格(ツバキ)が少年の人格(主人公)を愛してしまった。
ツバキは自己の境遇が主人公くんを束縛すると考え、束縛する宗家を叩き潰すことになる。
核兵器問題は終末を回避させることで終末願望者を呼び寄せて自己を殺してもらう撒き餌だった。
ツバキは自分が死んでも少年の脳を弄って復活させようとすることを危惧し、烏森さんを殺す。
烏森さんはツバキを愛していた。それ故ツバキは自分が死んでも蘇生させられると危惧したのだ。

多重人格者が内包している別人格同士の恋愛劇

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  • 多重人格者。死んでもループしてしまう能力を保持する少女の人格。ループしないように自分を殺したい。その理由は自己が内包するもう一人の人格を愛してしまったから。彼を解放したい。
    • 体験版ではA視点とB視点が交互に提示されて行き、八乙女先輩√でそれらA・B視点は一人の人物の多重人格であることが判明しました。B視点の人格である少女ツバキは時間遡航の異能を持っており、例え死んでも過去に遡って復活します。また宗家と呼ばれる宗教団体が、ツバキを暗殺活動に利用していました。
    • ツバキは自分の中の別人格である主人公くんを愛してしまいます。それ故、何とかして主人公くんを解放してあげたいと思うようになります。そのためには、自分の人格を殺すことが必要でした。しかし、自分の人格を殺しても、主人公くんが生きている限り、主人公くんの脳を弄ってツバキを復活させようとするであろう宗家が邪魔でした。だからこそ、「宗家を潰す」ことと「自分を殺してくれる存在を探し出す」ことがツバキには求められました。宗家問題に対しては、自衛隊のスパイである八乙女先輩を媒介にして公安に働きかけることで潰してもらうことになります。
    • 続いて、ツバキが自己の人格を殺してもらおうとしたことについてです。ツバキが世界各地の紛争地域に出向いて核兵器を破壊していたのは、自己を殺せる存在をおびき寄せるための撒き餌でした。紛争を解決してしまえば、世界の終末を防ぐことに繋がります。そうすれば世界の終末を求める異能者にとってはツバキの存在が邪魔なものとなるでしょう。きっと世界の終末の希求者はツバキを殺しに来てくれるであろうと予想したのです。
    • 最後にツバキの目的を妨げようとする者として烏森亜実花さんの存在がありました。烏森さんはツバキの事を愛しています。そのためツバキが死んだら宗家以上に主人公くんの脳を弄りまわしてツバキの人格を復活させようとするであろうと予測されました。そのためツバキは烏森さんと対決し、無力化しなければなりません。観念世界での攻防が繰り返されます。一度は敗北しかけるツバキでしたが、ここで主人公くんの人格がツバキを助けようとし、意識を復活させます。この支援により見事ツバキは烏森さんを撃破します。フラグへし折り方式で、例によって例の如く烏森さんを選ぶとタイトルへ飛ばされます。ここは烏森さんをスルーして次に進みましょう。

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