缶詰少女ノ終末世界「辻花咲シナリオ」の感想・レビュー

「世界5分前仮説」と「観測による存在の確定」と「アポトーシス」のはなし。
人類という種の終わりに際して抑止力として発生するのが辻花咲という存在。
その一方で人類に終末をもたらす存在として発生するのが更紗サリという存在。
辻花も更紗も主人公くんが観測したことにより実体化したのであった。
仲間との交流で世界の継続を望むようになった更紗は矛盾に苦しみ拳銃自殺。
選択肢で辻花を選ぶと終末への抑止力が働き世界の滅亡を防ぐことが出来る。

主人公くんが「観測」したことにより更紗と辻花が生まれた。

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  • 世界の終末をもたらすものとその抑止力となるもの
    • 更紗も辻花も人間として生まれたのではなく、形而上的なたゆたう曖昧な存在でした。物語の冒頭においてコンビニのイートインで缶詰を食べる少女を主人公くんが見かけるのですが、その瞬間に更紗サリという人物が発生したのです。主人公くんが「種の滅亡」をもたらすナニカを更紗サリとして観測して確定させたのですね。主人公くんは台風に巻き込まれてどこか遠くへ飛ばされたい、世界の果てへと行ってみたいという欲求を孕んでいたので、「世界の終わり」を観測することができたのです。その一方で、世界の終わりを防ごうとする世界の意志の抑止力も存在していました。それを主人公くんは辻花咲として観測し実体化させるのです。更紗も辻花も「世界五分前仮説」により生み出された瞬間にこれまで生きて来た過去を持っています。烏森さんルートで時間の上に立てる存在であるツバキを取り込んだ更紗は、自己の都合の良い世界、つまりは終末が近い世界へと改変していきます。
    • 辻花ルートでは更紗の世界改変により入間基地のミサイルサイロで核ミサイルを打つかどうかのジレンマに晒されることになります。これは結局、訓練でありブラフであったのですが、世界の抑止力としての存在であることを辻花が認識するきっかけにもなります。辻花は、更紗が世界に終末をもたらす存在であったとしても、今はプレッパーズ部の仲間であり友人なのだと主張します。そして世界の終末を防ぐためには、更紗と誠心誠意話して分かってもらうのだと辻花は息巻きます。しかし更紗は暴走を始めており、核ミサイルを発射させようとしていました。辻花と主人公くんは更紗を抱きしめ、友情パワーを発動させるのですが、なんと更紗は拳銃自殺を図ろうとします。ここで選択肢が出て、世界の抑止力である辻花を信じると、更紗の暴走を止めることができます。

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