雑録

『天体のメソッド』観戦記(全13話の感想・レビュー)

札幌市内及び洞爺湖が重要なモチーフの作品なので、コンテンツツーリズム論演習で扱うため視聴。
2014年秋アニメで、ネットでは否定的評価が散見されますが友情をテーマにしたシリアス作品です。
道庁赤煉瓦庁舎が校舎として出てきますが、赤煉瓦庁舎は令和元年10月1日から改修工事となります。
聖地巡礼の景観は時間と共に変化するので、作品の中に歴史的景観が保存されるという事例です。

目次

第1話「円盤の街」の感想・レビュー

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  • 母の病気の為北海道から東京に引っ越したが、母が死んだので戻って来たという感じ
    • お話の始まりは、主人公の女の子の乃々香が、父親と共に東京から北海道に戻ってくる所からスタートします。乃々香は幼少期において引っ越しのことを友人たちに伝える事ができなかったらしく、それがトラウマになっているせいか、記憶もおぼろげです。90年代後半~ゼロ年代前半の記憶を抑圧しちゃうノベルゲーと同じようなノリ・・・と思っていたら、シナリオライターが『ONE』とか『Kanon』とかのヒトだったよ!
    • 朝起きると何故か部屋にはノエルという幼女がいて、次第に過去の記憶を取り戻していきます。お父さんが乃々香の姿を亡き妻に重ねるところが個人的には破壊力抜群すぎます・・・成長した娘が、死んだ妻に似てくる・・・下手すると『CLANNAD』の汐や『サマポケ』のうみ展開になってしまいそうです。けど、このライターさんは『AIR』の途中でKeyを退社しているみたいですね。


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  • 勘違いとすれ違いと過去の記憶
    • で、慌ただしく引っ越し後の掃除や荷解きをする乃々香ですが、父親の出勤後にようやくノエルと接触。しかし、ろくに会話もしないままセイコーマートへ。乃々香が外出中、ノエルは短絡的な考えの下で荷ほどきを手伝おうと思いつくのですが、まぁひっちゃかめっちゃかにしてしまうわけでして。しかも乃々香は、お母さんの写真の額縁をノエルが割ってしまったと勘違いしてしまい、ひどい暴言を吐いてしまうのでした。父親帰宅後、額縁を割ったのは引っ越しの際の父親の不注意だったことが分かり、乃々香は後悔。ノエルを探しに行くのですが、見つからず。散々探し回った後で天文台のことを思い出し、ようやくノエルと再会。ここでノエルが乃々香の願いを叶える存在ということが示され、次回へ続くことになります。何も告げずに引っ越した乃々香のことを、良く思っていない幼少の頃のマブダチなんかも出て来て、複雑な人間関係が展開されそうです。

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第2話「ふたりの約束」の感想・レビュー

7年前に洞爺湖の上空に突如現れたとかいう円盤の追放運動を目指すはなし。
ネットの事前情報では、この市民活動を行う少女の評判がすこぶる悪いのだが果たして。
第2話にして道庁の赤れんが庁舎が出てきましたね。内部も再現度高いです。
セカイ系作品のように上空の円盤が自明のものだったら少し辟易するかもしれない。
乃々香の母の死と幼馴染たちの空中分解が上手く描かれればよいのだが。

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  • 市民活動を行う少女に振り回される展開
    • 東京から北海道に戻って来た少女乃々香。8月だから余裕綽々でいたら、北海道の2学期開始は早いようです。慌てて学校へ向かいます。少子化の為か近所に住んで居る同級生は少ないらしく、黒髪お下げ少女:こはると登校中のバスで仲良くなります。このまま平穏な学生生活が始まるかと思いきや、ネットで悪評の高いプロ市民:柚季が登場します。乃々香が何も知らないことを良いことに自説を説き、市民活動に引きずり込もうとします。痛々しい勘違いレフトウイングな運動に巻き込まれ、これには乃々香もタジタジ。しかし柚季の話をよく聞くと、次第に情が湧いてきます。柚季は「7年前の変化」によりトラウマを抱いており、その原因を何か他のものに求めなければ精神崩壊してしまうことを感じ取るのです。また乃々香自身も7年前に母親と見に行った花火が記憶の根底に残存しており、円盤のせいで花火が上がらなくなってしまったことを嘆く柚季に共感するのでした。こうして困っている友達の力になりたいと願う乃々香は、ノエルも巻き込んで市民運動に身を投じていきます。

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第3話「記憶のありか」の感想・レビュー

突如始まるオリエンテーリング
授業の課外活動と称してナチュラルに聖地巡礼スポットを創出!
今回の話で、ようやく乃々香じゃ忘れ去ってしまった過去を思い出します。
一方で、7年間片時も忘れず怨念を抱き続けて来た汐音の闇が炸裂する。
しかも円盤のせいで憎悪を増幅されるという構造に陥ってしまっていたのだ。

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  • 7年間乃々香を憎悪してきた汐音の心境を察せよ!
    • 第3話は突如始まるオリエンテーション回。これなら露骨に洞爺湖の観光スポットを映しても叩かれないね☆と、いうわけで観光名所を回っていきます。そのような中で、主人公の乃々香に一方的に冷たく当たる拗らせ少女:汐音。黒髪お下げのこはるは乃々香に対し放置を推奨するのですが、理由もなく嫌われたくないと果敢にチャレンジしていきます。しかし乃々香が忘れているだけで、汐音は7年間もの間、乃々香に怨恨を募らせてきたのです。かつて乃々香と汐音はマブダチだったのですが、乃々香は引っ越しを告げられないまま別れることとなってしまいました。いや、乃々香としては引っ越しを告げようとしたのですが、冬に会えなくなるという言葉が、降雪により皆で集まれなくなると汐音には勘違いされてしまったのですね。そして汐音にとっては突如いなくなってしまったことが裏切りと感じられたのでしょう。以来7年もの間、恨みを抱き、性格まで捻じ曲がってしまったのでした。また、乃々香たち幼馴染メンバーズが円盤を呼ぶ儀式をしたことをきっかけに、洞爺湖の上空に円盤が現われたとのことで、円盤を見るたびにトラウマが刺激されてやまなかったのでしょうね。
    • 以上の理由により、乃々香が悪びれもなく平然と戻って来たことを汐音は許すことができなかったのです。冷静に対処することができず、暴力に訴えビンタを炸裂させます。さらに乃々香と再び友達になった柚季に対して、過去の事を暴露し、絶対に許せないと同意を求めるのでした。他方で、オリエンテーリング中迷子になったことで、乃々香は過去の記憶を取り戻し、自分が円盤を呼んだことを思い出すのでした。そんな乃々香に対し、ノエルは自分が円盤だと言い出します。多分、乃々香は母親の病気の治癒とかを願ったのではないか?と思ったりしました。

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第4話「思いのかけら」の感想・レビュー

崩壊する人間関係!空中分解する幼馴染の絆!
どうにもならないやるせない感情がフンダンに描き出されています。
特に、長き時間を共にした親友の行動理念を否定した描写は震えました。
そしてそれを後悔し一人咽び泣く姿が憐憫をそそってなりません。

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  • 幼馴染の友好関係が今まさに崩壊したのだ!!!
    • のっけからビンタ祭り!過去のトラウマによる精神崩壊を防ぐため左派運動に従事してきた柚季。新しく友達になった乃々香が自分の活動を分かってくれた思った矢先に、その根本的要因が乃々香にあると教唆され、自分がピエロ状態であることを悟ります。そしてBINTA!汐音にもビンタされ、柚季にもビンタされ、乃々香は時系列的には同じ日にビンタを貰ってるんだよなぁと。
    • そして人間関係の崩壊は、長き時間にわたってマブダチであった柚季とこはるにもやってくるのです。左派運動に身を投じた柚季に対し、当初はこはるも理解を示し、時には手伝うこともありました。中学進学後、アジテーションをする柚季が陰口を叩かれている時も、こはるはキッパリと悪口に同調することを断ります。一瞬、このことをきっかけにこはるがイジメにあうのではないかしらん?と思ってしまったのは私だけではないはず!!この時、柚季は自分の活動をこはるも理解してくれていると思ったことでしょう。しかし、柚季は目撃してしまうのです。自分の兄が左派運動を行う柚季の行動を意味がないとこはるに諭している場面を!!このことは柚季にとって重いしこりとなり、こはるに対して不信の念を抱くことになる第一歩となったのでした。
    • しかしそれでも確証はなく宙ぶらりんのまま今日まで来てしまったのですが、ついに柚季が断罪される時間がやってきたのです。柚季は兄と乃々香が仲良く談笑する姿を目撃し、さらに裏切られたと感じてしまいます。そのため柚季はより一層市民活動を過激化させ、こはるはそれをなんとか諭そうとするのですが・・・。柚季はこはるに対し、結局は店の利益の方が重要であり、市民運動など意味がないと本当は思ってるんでしょ!!と糾弾してしまうのです。そして、ついに、こはるから「勘違い左派運動なんてが意味ないと思ってるよ」という趣旨の言葉を告げられてしまうのでした。ここに友情は断絶され、人間関係は崩れ去りました。
    • 日没後、営業を終えたこはるは一人寂しく店仕舞いをしていたのですが、顔出し看板がドアにつかえてなかなか店に入れられないことをきっかけに、ついに涙があふれてきてしまうのでした。ここの演出が大変素晴らしく思い、こはるの何とも言えない寂しさ、むなしさ、絶望感が伝わってきます。おススメ!その一方で、幼馴染たちの壊れた絆を前に、我らが乃々香は紛然と立ち上がります!いったいどのように関係性を修復するのでしょうか!?期待がもたれます。

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第5話「光の花」の感想・レビュー

個人の憤懣を社会問題にすげ替え左派運動で正当化していた少女が目覚める話。
悪いのは全部自分だったのにそれを認められないから責任転嫁していたの。
友人たちの獅子奮迅や過去の真相を知ったことで、拗らせ少女は解放される。
こうして幼馴染たちの絆が少しずつ回復していくのであった。

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  • 個人の憤懣を社会問題に帰し、左派運動に従事することで自己の正当化をはかることのむなしさを知れ。
    • 柚季は幼少の頃のトラウマに囚われ、自分の過ちを認めることが出来ずにいました。もし認めたら柚季は精神崩壊してしまったことでしょう。そんな柚季が自我の均衡を保つために取った手段が、左翼運動に参加する事でした。自己の個人的なフラストレーションを発散するための手段として市民運動を利用していたのでした。そんな柚季を目覚めさせるのが、幼馴染たちの友情でした。柚季が抱えていたトラウマとは何か?それは、祭りの日に自分が迷子になってしまったことで、友人たちと桟橋に集まる約束を反故にしてしまったこと。その悔恨を晴らすために手持ち花火をしようと夜中に抜け出したはいいものの、心配した兄が自転車で探し回ることになり、大怪我をさせてしまったこと。さらに柚季がすべて悪いのに兄は怪我までしたにも関わらず自分をかばって罪を一人で被ったことでした。このような罪の意識は幼い柚季の心には耐えきれるはずもなく、自分の心を守る為に全ては円盤が悪いと思い込んだのでした。


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  • 花火を打ち上げようとする事は一体何を意味しているだろうか?
    • 柚季を覚醒させるために、乃々香たちによって取られた手段は洞爺湖に花火を打ち上げる事でした。これには柚季もビックリ。中学生がイキナリ花火を打ち上げるなんてムリダロとツッコミをいれずにはいられません。しかし一見すると風車に突っ込もうとするドン・キホーテ的な振る舞いも、「無意味な行動」を友達のために遂行することの意味を示していたのです。乃々香を手助けするこはるに対し、これまた口汚く罵る柚季でしたが、ついに懺悔の時間がやって参ります。必死になって自分のために行動してくる乃々香とこはるの熱い思い。自分の勘違い的憎悪にも関わらず誠実な対応をしてくれるお兄ちゃん。そしてノエルが持ってきた乃々香のアルバムは、乃々香が自分たちを裏切ったのではないことを示していました。こうして、柚季は自分の過ちを認め、過去のトラウマを克服することができたのでした。第4話で崩壊した友達との絆や、長年生じていた兄との蟠りもほぐれていったのでした。

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第6話「本当の友達」の感想・レビュー

温泉回。柚季が乃々香にこれまでの事を謝罪し、正式に和解する話。
なかなか仲直りを言い出せなかった柚季が素直になれた所はグッときましたね。
デレた柚季の可愛さはこれまでの経緯もあり、感動もひとしおになっております。
これは良い百合友情話でした。後の班分は汐音との和解に使われるのでしょうか?
あと湊太くん、完全にこはるに良い様に使われていてかなり可哀想・・・
(そして冬服がKanonにしか見えない・・・)

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  • デレた柚季の可愛さが半端ない回でした
    • 前半戦は左派運動に走っていた柚季が友情によって解放される話でした。今回はそんな柚季が今までのお詫びをこめて温泉に誘い、乃々香との和解を図ります。こはるのサポートを受けながらも、乃々香になかなか言い出せない柚季はまさに恋する乙女。なかなか良い百合っぷりを表現しています。出発前のバス停で言えず、温泉のゲームコーナーで言えず、そしてとうとう外に呼び出して、自分の心情を吐露できた際には、まさにようやった!!という気分でした。柚季が和解の手段として選んだ方法が、走れメロス展開。私を殴って!を発動します。この間、ゲームコーナーのパンチングマシーンで乃々香が200キロを出していたので、それにも関わらず全力パンチを望む柚季の決意たるやよし。しかし歯を食いしばって待つ柚季に放たれたのは、乃々香のほっぺたぺちんでした。これまた乃々香の優しさに触れる柚季。そして散々迷惑をかけたこはるとも別の形で友情を確かめ合っていて、まさに6話は柚季回でしたな。最後に寝るシーンで今一度お礼を言い、布団を被る演出はステキな描写でした。
    • 一方で湊太くん。どうみてもこはるに好意を持っており、こはるもそれに気づいているのですが、良いように好意を利用されてしまっています。クールを気取りながらも、温泉に誘ってもらえるかもしれないとソワソワし、こはるから電話がかかってくるや飛び付くのですが・・・待っていたのはこはるの代わりに店番というオチ・・・。看板を相手に独り言ちる湊太くんの哀愁が漂います。

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第7話「私のなくしたもの」の感想・レビュー

死んだお母さんの墓参りに行く話。
なぜか日本人は墓参と慰霊を見るとノスタルジーな郷愁に駆られる。
乃々香が記憶を抑圧したのは、幼少期に母親を亡くしたからだと判明。
優しいお母さんの手を握るといつも冷たかった・・・は破壊力抜群です。

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  • 慰霊と鎮魂
    • 何故か日本人は、遺伝子的にかもしれませんが、死者の魂に想い入れがあります。仏教思想だと輪廻転生で来世へ生まれ変わりますが、日本の土着信仰だと素朴な祖先崇拝で、先祖の霊が傍にいる気がするのです。お盆にはナスとキュウリで馬と牛を作って先祖の霊をお迎えしますしね。
    • そんなわけで、乃々香も死んだお母さんの墓参りに行きます。乃々香のために一緒についてきてくれる柚季とこはるの友情も微笑ましいですね。そして二人に対して乃々香はお母さんが病死したことがトラウマになっていることを告白するのです。乃々香はお母さん大好きっ子であり、よく懐いていました。しかし病気がちであった母親には死の香りがつきまとい、手を握ってもいつも冷たかったのだとか。そして、7年前の引っ越しも母親の治療のためであり、しかしそのかいもなく結局は死亡してしまったのだと。それ以来、乃々香は精神的に苦しむようになり、生存本能により辛かった記憶を抑圧していったのだとか。こうして泣きゲーではよくある「トラウマにより昔のことを忘れさる主人公」が発動、友人たちのことも忘れ去ってしまったのです。
    • 地元に戻って来た後、柚季やこはると友情を再確認するなかで強さを得た乃々香は、ついに亡き母親と向き合うことを決意。お墓へ花を手向けに行けるようになったのです。すると、そこには汐音の姿が!!どうして!?言動から察するに、汐音は乃々香と友達になるきっかけをくれた乃々香ママの墓参りを欠かさなかった様子。それだけ乃々香のことを大切に思っていたのですね。汐音は。好感度マックスだからこそ、簡単には乃々香を許すことが出来ない汐音の頑なな心はどのように解きほぐされるのでしょうか?
    • あと余談ですが、看板の修復作業を通して地味に湊太くんとノエルが仲良くなってたのも微笑ましいですね。

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第8話「彼女の信じること」の感想・レビュー

ついに汐音がデレて乃々香と友情を再確認したのだが・・・
「流星群が今年は良く見える」「ノエルは円盤だから」という台詞が問題に。
つまり乃々香と汐音が和解したらノエルが消滅するのではないか?と邪推。
このため一度は汐音がデレたものの、再び関係は冷え込むのであった。

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  • ついに汐音がデレた!!かと思いきや・・・
    • 乃々香のことが好きすぎて逆に拗らせてしまった少女:汐音。そんな頑なな汐音の心を解きほぐすキーワードとなるのが一緒に流星群を見る事でした。汐音に直接さよならを言えなかった乃々香はノエルに伝言を託します。きっと戻ってくる、流星群を一緒に見ようと。汐音は何年も待ち続けましたが乃々香が戻ってくる気配は一向になく、いつしか愛情が憎悪に変わっていったのです。そのため7年後、とうとう乃々香が帰ってくるのですが、今更何をしに来たのだと恨み言を吐いてしまうのでした。その一方で、ノエルは乃々香を信じて待ち続けていたと答えます。このノエルの発言により、汐音は結局自分が乃々香のことを信じ切れなかったのだと悟るのです。そしてまた乃々香は約束を破り続けていたことを後悔し、なんとか汐音と流星群を見られるように努力します。乃々香が思いついた方法は文化祭のプラネタリウムの出し物で流星群をつくる事。こうして乃々香の熱意とノエルの後押しによって、ついに汐音は拗らせていた自分の気持ちを解きほぐすことが出来、乃々香と友情を再確認することができたのでした。感動。
    • しかしここでアクシデント!!ノエルの発言「流星群は今年は良く見える」「ノエルは円盤だから」というセリフから最悪のケースを想定してしまいます。今まで円盤があったのは、乃々香と汐音が乖離してしまっていたから。二人が仲良くなれれば流星群が見られるようになる。そして流星群が見られるという事は円盤が消えるこということ。つまりはノエルが消滅してしまうのではないか!!そんなことを汐音は想像したのではないでしょうか?こうしてノエルがいなくなることを恐れた汐音は、ノエルを消滅させないため、乃々香に対して再び険悪な態度をとってしまうのでした。

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第9話「さよならの意味」の感想・レビュー

やはりノエルは願い事を叶えたら消滅してしまう存在。
そのため汐音は乃々香との和解を拒否することになる。
しかし汐音の行動は意味が無く、結局ノエルは円盤から離れてしまう。
確かにこれ以降ノエル問題を最終話まで引っ張ったら終局部ダレしてしまうかも。

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  • 文化祭の話なのだが、汐音とは和解できず。
    • 前回とうとうデレた汐音でしたが、自分の願いが叶ったらノエルが次の願い事を叶えるために居なくなってしまうことを知ってしまいます。それ故、自分の願い事が叶わなければノエルはずっと洞爺湖に居ると早合点し、乃々香との和解を拒んで、親の元へ引っ越すことを決めてしまいます。そのため折角の文化祭もカレーにスルー。汐音と流星群を見る為に一生懸命作ったプラネタリウムも宙ぶらりんな存在に・・・いや、ホント8話で和解完了しておいて、ノエル問題は5人でアプローチすればよかったのでは?と思う事しきりです。そんなわけで乃々香との和解を拒み続ける汐音。乃々香と仲直りしたいけれどもノエルを失いたくないという二律背反アンビバレンツに陥ります。汐音がとった方法とは和解しないまま、オサナナジミーズのもとを去ることでした。乃々香の必死の説得も功を奏しないまま、汐音は去っていくことに。さらに円盤から離れて文化祭にやってきたノエルは案の定、体調不良に!!汐音が和解を拒んでも拒まなくともノエルの運命は変わらなさそう。

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第10話「願いの行方」の感想・レビュー

「皆がいつもニッコリでいられますように」との願いを叶えたらノエルが消えてしまう。
そのことを汐音に聞かされた幼馴染メンバーズは、またもや空中分解。
折角、過去の因縁を乗り越え、和解できたのに、ニッコリはなくなってしまったのでした。
これって「皆」にはノエルも含まれていて願い事を叶えたらノエルも復活ってオチじゃね?

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  • オサナナジミーズ再び空中分解
    • 前回、洞爺湖を離れて道庁赤れんが庁舎にやってきたノエル。円盤から離れられないという主張通り、ノエルは倒れてしまいます。洞爺湖に戻り復調するノエルでしたが、流石に不審に思う幼馴染メンバーズ。そしてまた乃々香もノエルから、願い事が叶ったらノエルが消えてしまうと告げられます。幼馴染たちにノエルのことを教えたのは汐音であり、これをきっかけに再び幼馴染たちの絆は崩壊していきます。汐音が自ら犠牲になろうとするのに対し、いなくなるのは別に汐音でなくともいい筈と、海外留学を控えた湊太が言い出します。そういや、湊太はなんで留学希望してるんですかね?ナゾだ。そして今回も二律背反アンビバレンツは引き延ばされます。みんなでいっしょにニッコリでいたいという乃々香の願い。その願いに対して、ノエルはただ願ったから叶えたいのではなく、みんなと交流してその想いに触れたからこそ叶えたいのだと述べます。果たして願い事とノエルの別れと幼馴染の関係性は無事に解決するのでしょうか?

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第11話「流星群の夜」の感想・レビュー

オサナナジミーズの願いの本質は皆同じ。いつまでも変わらない絆を願った。
そして、願いを叶えたらノエルは消える事を知って思い悩んだ。
だが、ノエル自身の願いは、みんなの願いをかなえる事だった。
ノエルとの交流で、ノエルの願いを叶えたいと思うようになる幼馴染たち。
かくしてついに崩壊した絆は何度でも蘇り、ついに5人が勢ぞろいすることになった。

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  • 願いの成就とノエルとの別離
    • さんざんノエルとの別離問題で話数をひっぱてきましたが、第11話にしてついに、幼馴染たちの絆が回復されます。「みんながいつもニッコリ」との願いは乃々香だけのものではなく、汐音も、こはるも、柚季も、湊太も、皆が願ったものだったのです。そしてノエルがそんなオサナナジミーズの願いを叶えたいと願っていることを知ることになるのです。ノエルとの別れは辛い、しかしノエルの願いをかなえられないのはもっと辛い。二律背反アンビバレンツな状態に陥っていた、幼馴染たちは、ノエルの想いに触れることでついに、ついに、ノエルの願いを叶える決意をしたのです。なんかもうお涙頂戴的に作中の登場人物たちも泣きまくっておりますね。古式ゆかしい泣きゲー展開。そして展望台に流星群を見に集まった夜、ノエルとの別れを偲んで最後の交流会が開かれます。そして、降り注ぐ星を背景に、ノエルは消えていくのでいた・・・

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第12話「円盤のない街」の感想・レビュー

90年代末~ゼロ年年代初頭に流行した泣きゲーパターン発動!
記憶リセットループ存在忘却でヒロインを自分しか覚えていない逆ONE展開。
ヒロインの存在は単なる幻想だったのかもしれないという恐怖が迫りくる。
ヒロインを忘却した友人たちに思い出してとお願いして回る必至さをとくと見よ。
最後はマブダチだけがヒロインを覚えていて「ニッコリ」してハッピーエンド。


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  • 天体のメソッド』が2014年秋アニメとして放映された当時に否定的な評価をされてしまった理由は、物語のテーマと構造が、90年代末~ゼロ年代初頭の泣きゲー展開だったからであろうと思われる。
    • 本作品の物語構造とテーマを分析すると、所謂泣きゲー展開です。まず幼少期と記憶消去について。主人公の少女(乃々香)は母親の病気により故郷を去らねばならなかったのですが、それを言い出すことが出来ませんでした。最後の思い出作りとして星に願いを託すのですが、それは幼馴染の絆を願ったものでした。しかし主人公の少女は、母親の死を耐える事が出来ず、幼少期の記憶を抑圧する事で乗り越えます。あんなにも願った幼馴染たちのとの絆を封印してしまったのです。
    • 七年後、故郷へ戻る主人公の少女でしたが、幼馴染たちの絆は断絶していました。この幼馴染たちとの関係修復が終盤までのメインテーマとなっています。この関係修復の鍵となっているのが「願いを叶える為に召還した円盤」であり、この円盤は願いを叶える少女「ノエル」として具現化するのです。この円盤具現化少女の支えにより、主人公ちゃんは幼馴染たちとの絆を再構築していくのです。一番の難所は幼少期に誰よりも主人公の少女と仲良しであったマブダチちゃん(汐音)でした。この汐音は拗らせ切っており、いつまでもグチュグチュとしていたので、視聴者はヤキモキすることになったのでしょう。
    • 円盤具現化少女ノエル=願いを叶える存在ということは、願いを叶えたら消え去ってしまうという事。そのため、関係修復した幼馴染メンバーズは再び空中分解してしまうのです。しかしながら、円盤具現化少女の本質を考えると、願いを叶えるための存在なのだから、きちんと願いの成就を果たしてあげる事がその報いとなるという結論に辿り着きます。幼馴染たちは仲直り。関係をもう一度修復して願いの成就を目指します。
    • こうして願いを叶えようろするのですが、なんと記憶リセットループが発動します。物語の時間軸は引っ越し初日に巻き戻り、さらに円盤具現化少女のことは主人公の少女しか覚えていなかったのです。はいはい、古式ゆかしい「存在忘却」のパターンですね。これは『ONE』という作品で確立された泣きゲー技法の一種で、「主人公くんが周囲からどんどん忘れ去られていき最終的には永遠の世界へと旅だってしまうのですが、ヒロインとの絆が現実を繋ぐ舫いとなって、再び戻ってこられる」という「様式」です。以来、様々な作品でこの「存在忘却」が扱われるようになるのですが、『天体のメソッド』の場合はヒロインが忘れられ、主人公が存在復活のために奔走するので逆ONE展開と言えるでしょう。こうして必至になって這いずり回る姿が(90年代末~ゼロ年代初頭は)涙を誘ってカタルシスを生んでいたのですね。最終的に主人公の少女(乃々香)と最期まで仲直りできなかった拗らせ系マブダチ(汐音)だけが、円盤具現化少女のことを覚えていたのですね。そしてこのマブダチは「ニッコリ」します。この「ニッコリ」こそが本編の主要ワードで、円盤具現化少女が叶えたいと思っていたことなのでした。マブダチが「ニッコリ」したことは、円盤具現化少女の存在が夢や幻でなかったのことの証明。円盤具現化少女は確かにいたのだ!とハッピーエンドを迎えたのでした。

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第13話「はじまりのそらから」の感想・レビュー

ノエルがいたことは自分の妄想!?そんな恐怖に囚われていた乃々香。
汐音がノエルを覚えていたことから自分だけではなかったことに安心する乃々香。
そんな乃々香に対して、汐音は私の知ってる乃々香はそれだけではないと発破をかける。
もう一度ノエルを召喚しようと幼馴染たちを説得する乃々香。
一方オサナナジミーズたちも拭いきれないノエルとの思い出の残滓を抱いていた。
友情パワーが炸裂し、ついにノエルが帰還してハッピーエンドを迎える。
明言されてませんが「みんなニッコリ」の「みんな」にはノエルも含まれていたのでしょう。

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  • もう一度円盤の召喚を!
    • 記憶リセットループが発動して引っ越し初日に戻ってしまった乃々香。前回は幼馴染たちに接触するも、乃々香の方がキチガイ扱いされてしまう。そんな中、汐音だけが覚えていてくれて乃々香は感涙したのでした。自分だけの妄想じゃなかった、汐音も覚えていてくれたと咽び泣く乃々香でしたが、前回の世界線で乃々香の頑張りを見て来た汐音は、「私が知ってる乃々香は演説」をかまし、乃々香に発破をかけます。「本当にそれでいいの?私の良く知ってる乃々香っていう女の子は、一度こうしたいって決めたら、絶対に最後まで譲らないような、真っ直ぐで、素直で・・・そんな言葉に、いつの間にか、みんなの心が動かされていく・・・私の知っている友達はそういう女の子のはずだったけど・・・違った?」。いやーこのシーンはこれまでの話数をかけて二人の関係を見守って来た視聴者にとってはちょっと感激してしまう描写ですね。これまで乃々香に対してどこか依存してきた汐音が今度は乃々香を救うのです。そして一方幼馴染たち。自分たちの記憶にはノエルなどいないはずなのに、その痕跡がここかしかに残っているのです。そんな残滓を拭いきることができずに、感情を持て余していきます。そして、これまたこれまでの放送で軸になってきたアイテムというかシンボルがノエルとの思い出を刺激します。湊太と柚季にとっては過去のアルバム、こはるにとってはキリゴンの顔出し看板・・・ノエルとの思い出を思い出せなくてもどかしく思う幼馴染たちを乃々香と汐音はもう一度集めるのです。・・・なんで湊太だけ汐音が呼びに行ったんでしょうね?それはそれとして、もう一度集結して円盤を呼び出す儀式をした幼馴染たち。翌日、ひまわりの花びらに導かれた5人はひまわり畑に集まります。そして汐音の麦わら帽子が空から落ちてくると、そこにはノエルの姿があったのでした。ED後に色調をクレヨン風?に変更して、麦わら帽子を拾い上げたノエルが「ニッコリ」するところは感動してしまいますね。多分、明言されませんでしたが、ノエルの「ニッコリ」エンドであることから考えると、円盤にお願いしたみんながいつでもニッコリでいられますようにのみんなには、ノエルも含まれているという解釈かと思われます。

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