【発売前予想】2019年6月発売 新作ノベルゲームの趨勢について【下馬評】

2019年6月発売の主要ノベルゲーは5本あり、フルプラ2本、短編2本、FD1本となっています。
メインとなるフルプラの2本は、日常系タイムリープとシリアス系デスゲーム。
前者は、毎回「社会人編」をウリにしているtone work'sの『月の彼方で逢いましょう』。
後者はチャラ男ヤリチンが理不尽デスゲームの中で幼馴染への愛を見出す『DEAD DYAS』。
その他短編は大正時代のサキュバス系主従モノ及び忍者ガールのバトルモノ。FDは実妹系抜きゲー。

目次


それでは各作品の下馬評を見ていきましょう!

『月の彼方で逢いましょう』

  • 社会人編をウリにするtone work'sの作品
    • 『星織ユメミライ』や『銀色、遥か』で学園編だけでなく時系列変化を描き、社会人編まで語ることで高評価を得て来たメーカーがtone work's。他メーカーで時系列変化をとり入れた作品としては、ときメモ2ねこねこソフトの諸作品、夜の羊の神ゲーである『幼馴染と十年、夏』などがあります。成長する中での関係性変化というものは一種惹かれるものがありますね。今回もtone work'sは社会人編を引っさげていますが、流石に3本連続同パターンというのも芸が無いと思ったのでしょう。本作はタイムリープを利用して、社会人編の自分から学園編の自分にスマホでメッセージを送り、未来を変革しようという展開になっています(そのため1周目の学園編がちょっとだれ気味・・・)。未来からのメールが届くケータイとかそれなんてシュタゲ?という感じですが、モラルジレンマや社会体制の変革などの重いテーマにはならず、あくまでも文芸部の真面目系先輩か、同級生のチャラ系ギャルのどちらかを選ぶ三角関係を中心とした作品となっています。そのため攻略キャラはたくさんいるのですが、どうしてもシナリオの深さに濃淡が出がちになっています。メインの二人以外のサブヒロインが捨て駒扱いにされず、どのように絡んでくるかが見ものとなっています。体験版の流れ的にはチャラ系ギャルが何か問題点を内包しており、それを解決できないことが社会人編のしこりとなっていることが伏線となっています。そのためサブヒロイン→真面目系先輩と攻略していき、最後はルートロックが解除されてギャルヒロイン問題を解決に導くことでグランドエンドという展開になりそうです。憶測に過ぎませんが。



『DEAD DAYS』

  • 理不尽デスゲーム
    • 上記の『月の彼方で逢いましょう』がヒロイン攻略寄りのキャラゲー風味な作品であるのに対して、『DEAD DAYS』はお話の展開をウリにしたシリアス系なシナリオ重視となっています。主人公くんはヤリチンの軽薄なチャラ男なのですが、ヤクザ抗争に巻き込まれて死亡。そして蘇生の条件としてデスゲームに強制参加させられることになります。殺害対象はどうみてもフツーの人間としか思えなかったり、殺害後には発情して乱交したりと様々な不条理が待っていますが、主軸となるのがヤリチン主人公くんと疎遠になってしまっている真面目系幼馴染との関係です。主人公くんが軽薄なチャラ男になってしまったのも、この真面目系ヒロインとワケアリの過去があったからのようです。普段はチャラ男が真面目系ヒロインを邪険にしつつも、最終的にはピンチになると誰よりも大切にしていることが見て取れるのがウリなのでしょうね。そしてタイトルページにおいて堂々と中央を担当しているのが、この真面目系ヒロインなので、どのようにこのデスゲームに絡んで来るのか、ワクワクがとまりません。最終的にこの不条理なデスゲームを通して、ヤリチンが真実の愛に目覚めていく展開になることが予想されます。製品版は果たしてどんな展開になるのでしょうか!?目が離せません。



 

短編低価格モノで体験版も短くて何とも言えない作品群

『黄昏のフォルクローレ
  • ヒロインがどうみてもつり乙のルナ様にしか見えない
    • 大正浪漫を舞台にした二重人格サキュバスの主従関係モノです。病弱なお嬢様に執事として使える主人公くんが、上流階級的な軽快な会話を交わしていくのが一種のウリとなっています。そしてそんなお嬢様はサキュバスだったのです。昼の人間としての人格と夜のサキュバスとしての人格が二つあり、夜の人格のみ昼の人格の記憶も保有しています。つまり人間形態のお嬢様はサキュバスであることを自覚してゐないのです。当然サキュバスなので人間の食べ物で栄養を摂ることが出来ず、食が細くなりがちだったのですね。そんなサキュバスの餌としてみなされているのが主人公くんであり、5年もの間、精液袋としての役目を果たしてきたのです。主人公くんの父親は精気を吸い取られて枯れ死んだようなのですが、主人公くんは何故だか腹上死から蘇ってきます。主人公くんとお嬢様の主従の絆、サキュバスの謎、大正ロマンのミックスがどこまで面白さを呼ぶかが勝負の分かれ目となりそうな予感。



『Ninja Girl and the Mysterious Army of Urban Legend Monsters』
  • 忍者ガールの忍術バトルがウリなのに体験版では体験できない
    • 忍者ガールの忍術バトルもの。主人公ちゃんの忍者ガールが相棒の幽霊ヒロインと共に様々な事件に挑みます。最初の訪問者は首なし騎士と、もう一人の忍者ガール。体験版ではこれらの忍者ガール同士でのバトルが展開されかけるのですが、戦闘シーンに突入する前に幕を閉じてしまいます。いやー、忍術バトルがウリなのにそこを読めずに吶喊できるなんて余程勇気のあるプレイヤーだと思います。感想待ってます。
    • そしてところどころ眼に着くのが、細かい説明が凄まじく多い。専門用語とも思えない用語にすら、新用語が出てくると解説が始まるので、テンポの悪いことこの上ありません。昔だったら辞書を引けぃと言われそう。もしくは検索サイトで調べないという感じ。


『お兄ちゃん、朝までずっとギュッてして! 夜までもっとエッチして!』

  • 実妹系抜きゲーのFD
    • 本編は結構ぶっとんだ設定。主人公くんの両親は医学を研究しており、ハグによる免疫向上の実験を行っています。主人公くんはニートでありほとんど外出することなく学校にも行っていませんが、かつて喘息持ちの病弱体質だったので、自分の身体を両親の実験に提供することで存在意義を示しています。ハグモードやキスモードが搭載されており、クリック長押しを操作して、実妹とのイチャラブを楽しむことが出来ます。しかし、日々何もすることもなく実家でただ実妹とひたすらイチャラブするだけの毎日を送る主人公くんというのもスゴイな。FDの時間軸は年末年始であり、冬期休暇の妹たちとの生活を堪能することが主軸となっています。年末大掃除、年越しそば、姫始め、初詣とイベントをこなしますが、FD製品版は一体どんなイベントが待っているのかが期待されます。抜きゲーなので読者を飽きさせない様々な閨房描写のパターンは目白押しなのも、このFDのウリの一つといえるでしょう。