満支旅行年鑑では、日本からの満洲旅行について、推奨ルートとその日程、それにかかる費用、観るべき観光資源について記載されてる。
観光による移動は交通インフラに依拠する。満支旅行年鑑から、(1)関釜連絡船を使って朝鮮を縦断し満洲に至る往路朝鮮経由、(2)大阪商船で門司から大連に渡り満鉄で北上する往路大連経由、(3)日本海ルートで北鮮三港(清津・羅津・雄基)に至り京図線で国都新京を目指す往路北鮮経由、以上3つのルートで満洲観光が行われていたことが分かる。
満支旅行年鑑における満支観光の推奨ルートを見ると、鉄道沿線の各都市を観光するものになっており、どの経路を選んでも、旅順・大連・奉天・新京・哈爾濱の5大都市を欠かさず回ることになっている。また各都市においては観るべき観光資源も記載されている。当時の観光は、国の光を観るという意味での観光であった。そのため、観せたい、観てもらいたい「満洲国」がここからうかがえるのである。
満支観光ルートとその日程
各ルートの費用概算