恋愛、借りちゃいました。「絵未・スミ√」の感想・レビュー

レンタル彼氏を本当に好きになってしまった二人の少女の三角関係モノ。
どちらか一方を選ぶ「VSイベント」まではそれなりに読めるが、個別はグダグダ。
選ばれなかった方が諦めることなく最後までチョッカイを出してくる。
個別√では特に印象深いイベントも無く延々と横恋慕を眺めさせらることになる。
特に三角関係のワンパターンで絵未・スミの各個別√を差異化できなかったのが痛い。

雑感

f:id:h30shimotsuki14:20190908210635j:plain

  • シナリオのピークは「VSイベント」までで、あとは消化試合
    • 絵未・スミ√では一人の男を取り合う三角関係がメインとなっています。絵未は高校デビューしてスクールカーストの上位に立ったものの、その本質は見栄っ張りであり、彼氏がいるフリを貫いてきました。しかしとうとう誤魔化せなくなり、カネで関係性を買う「レンタル彼氏」によって主人公くんを代理に仕立てます。それが、いつしかホントウに好きになってしまうというありがちなパターン。一方のスミは中学時代から主人公くんに惚れていたものの、主人公くんはバイト戦士であることを隠すため高校では根暗陰キャぼっちを演じていたので、関係性を深められないまま高3になってしまったのでした。そしてお約束のシナリオ展開である「ライバルが現れて初めて焦って関係性を進展させようとする」パターンが発動し、とうとう二人から同時に告白されて、どちらか一方を選ぶという選択を迫られるのです。この作品でのウリは、絵未とスミが幼馴染であり、古い親友ということ。主人公くんはこの二人の友人関係に配慮しながら最後の選択をするという所がシナリオのピークとなっています。ここまでは、シナリオも割と読める内容であり、絵未が自分の本性をグループメンバーに露呈させる所や、スミの中学からの恋心の表現などは良かったと思います。また二人を振ってサブヒロインと関係を持つこともできるので、こちらもまた趣深い表現になっています。ここで止めときゃシナリオの質も良かったであろうよと残念でなりません。
    • 「VSイベント」によりヒロインを選んだ後の個別√は消化試合感満載です。選ばれなかったヒロインの心理描写を描くのかと思いきや、選ばれなくても諦められない!と開き直って、二人の関係にチョッカイをかけてくる姿を延々とエピローグまで見せられるのです。絵未を選んでもスミを選んでも、同じ様な展開になるので、グダグダ。しかも何か特別なイベントが用意されているわけでもないので、読んでいて辛いものがあります。主人公が多用する「言うほど〇〇か?」といった言い回しや、スミが連発する「~じゃないやい」とか「~だよぅ」とかいう語尾表現にもウンザリしてきてしまうほど。せめて絵未・スミでシナリオ展開が異なればまだ良かったかもしれませんが、選ばれなかったヒロインの横恋慕を眺めることが主軸となってくるので、個別が2つあってもキャラが違うだけで見せ方は同じという同工異曲に陥ってしまってる感がありました。

絵未√に入っても主人公くんにアプローチし続けるスミの図

f:id:h30shimotsuki14:20190908210644j:plain

スミ√に入っても主人公くんにチョッカイをだしてくる絵未の図

f:id:h30shimotsuki14:20190908210656j:plain