【発売前予想】2019年9月発売 新作ノベルゲームの趨勢について【下馬評】

みなさん、こんにちは。月末金曜日が近づいてきましたね。
度重なる延期で発売を危ぶまれていた『スタステ』がギリギリでマスターアップ。
発売6日前に体験版も上がり内容も冬ゲーだったので寧ろタイムリーな結果になりました。
(※真夏に冬ゲーをやるより、これから冬になる時期にやった方が季節感的に情緒がありそう)
そんなわけで本命『スタステ』、短編『きまテン』、FD『千の波濤』が妥当な線かと思います。
アイドル目指すなら『同クラ』、萌え抜きゲーなら「月石」に走っても良いかも。

【2019年9月のメニュー】

スタディ§ステディ (ま~まれぇど、2019-09-27)

  • 雪国・冬・地域資源といったコンテンツツーリズム要素を如何に生かせるか!
    • 期待されながらも延期を繰り返してきたま~まれぇどの新作がギリギリでマスターアップ。e-moteの導入などで手間取ったか!?作品の魅力は何といっても雪国の冬ゲーで地域資源が満載なところ。見所はヒロインと一緒に、田舎でウィンター・スノー・地域ならではのイベントを楽しめること。是非、冬イベントを掘り下げてキャラゲーを盛り立てて欲しいです。結果的に冬ゲーであることを活かすならば、真夏の7月末に出すよりも9月末になって良かったかもしれません。少し気になるところといえば複数原画の弊害でしょうか。同じ作品でも複数原画でキャラデザが全然違うとかいうのもこの業界ではザラですが、木場先生とEmilyで顔の造形が違すぎて違和感が拭えません。Emilyのキャラデザは安定して可愛いですが、木場先生の立ち絵は顔に比して目がでかすぎなように思うのは私だけではないはず。ゼロ年代初頭のキャラデザとかはまるでコンタクトに味噌汁が注げるような目のでかさと揶揄されていたのを少し思い出してしまいました。
    • ままれの作品はメーカーのスタッフ自身がシナリオに期待できないとか言っちゃってますが(『うちまろ』の体験版のオマケなどで)、キャラゲーなのでどこまでヒロインの人物像の掘り下げが出来るかが勝負の分かれ目となってきそうです。また、攻略ヒロインではないのですが、体験版の時点では主人公くんが所有するスマホのAIが物語を動かす原動力となっており、恋心を発露したAIの行方はどうなる!?といったところで体験版が終わっているので、この問題を製品版でどう扱うのかにも期待が持たれます。




 

きまぐれテンプテーション (シルキーズプラスWASABI、2019-09-27)

  • 今月のシナリオゲーの筆頭!新興宗教を題材にした推理ゲーでどこまで魅せてくれるか!?
    • 古式ゆかしい推理系アドベンチャーで、マップ選択してひたすら画面をクリックして情報を集めて謎を解き明かしていきます。題材自体はとても面白く新興宗教を扱っており、怪死したアパートの住人が霊魂状態になった挙句、自らの臓器をカニバリズムしたことで天使となったと思い込んでいるというエグイ設定です。クリックの連続の作業ゲーに加えて重苦しい雰囲気が漂いそうな中、本作をコミカルにしている存在が主人公くんの助手となるサキュバスさん。とても可愛いキャラクター造形で、しかもe-moteでヌルヌル動くので、クリックの連続の作業ゲーであろうと、新興宗教だろうとなんのその!助手とやり取りしてるだけでも十分に面白いです。9月の新作はキャラゲーが主流の中、シナリオにも期待できそうな一品です。地縛霊となり天使と称するサブキャラたちがどのように未練を解消し成仏されるのかも見ものとなっています。



 

千の刃濤、桃花染の皇姫 -花あかり- (AUGUST、2019-09-27)

  • 本編はグランドルード一本道の作品で、主人公くんも堅物な生真面目なのに、FDでサブキャラとのイチャラブとか破綻せずにできんの?
    • オーガストの最高傑作は『穢翼のユースティア』だと思っています。『千の波濤』は体験版の時点では非常に期待でき、アメリカに植民地化された日本でどのように国権回収運動を起こすのかワクワクしていたのですが・・・。結局は擬古典モノ路線となり、前世での災厄が禍となっていて、アメリカに植民地化されたのも全て仕組まれたものという展開になったので鼻白んだ記憶があります。またユースティアと同じくフラグへし折り方式で、基本的にはメインヒロインのグランド一本道であり、誰かとフラグ成立すると本ルートから外れるというのも欠点でした。本編とは関係の無いオマケ程度の個別√を見せられましたしね。そのことを考慮すると、FDでサブキャラたちとの生活を濃密に描くというのもアリかもしれませんが、ヒロインたちはグランドルートのためのパーツ的人物だったからこそ輝いていた部分もあるので、キャラゲーされても余程シナリオが上手くないと結局はグダグダになってしまうのではないかと危惧されています。主人公くんもチョー堅物の生真面目系人間なので、ヒロインとのイチャラブをやられてもツッコミどころ満載になるでしょうし。


セックスオープンワールドへようこそ! (MOONSTONE Cherry、2019-09-27)

  • 伊東ライフ先生抜きでどこまで戦えるかに注目!
    • ムーンストーンチェリーと言えば、伊東ライフ先生が牽引役となり、萌えゲーと抜きゲーを融合させるべく様々な作品を生み出してきました。そう、ムーンストーンチェリーと言えば、伊東ライフ先生を指していたのです。しかし伊東ライフ先生はもう既に退社。本作が伊東ライフ先生抜きでの初めての作品となるのです。内容としては、粗製濫造される異世界モノであり、もう既にエロ漫画業界では同じ様な作品がいっぱいあります。異世界転生したら勇者であり子作りを迫られるというもの。ヒロインのキャラデザも顔が殆ど一緒なのでシナリオでどう差別化できるかがポイントになってきそうです。一応、幼馴染を死なせることに定評のある呉先生が、本作でも幼馴染を殺しており、主人公くんがその死に囚われているという設定でスパイスを利かせています。




 

同じクラスのアイドルさん。Around me is full by a celebrity. (Sonora、2019-09-27)

  • 高校の芸能学科でアイドルを目指せ!
    • タイトルからすると同じクラスにいるアイドルと交流を重ねるかのように感じますが、ところがどっこい!中身は芸能学科に編入して一流アイドルを目指すという芸能モノ。これまでガチで声優を目指す作品は何本かやりましたが、真剣にアイドルを目指す作品をやったことないなぁと。そうなるとアイマスを筆頭にソシャゲでアイドルゲーなんて沢山出ているので、如何にして訓練描写やオーディション、業界の闇を描けるかが面白さの分かれ目となってきそう。この作品で例えばグラビア撮影のポージングの蘊蓄とか、バラエティ番組で放送作家の言う通りに喋る演技とか、そういうのを詳細に描き一本のシナリオに出来れば、それはもう面白くなりそうなこと請け合いだが、果してどうなるでしょうか。通り一辺倒なご都合主義とかで終わらず、アイドル業界の悲喜交々を抉り出せれば9月の新作で大逆転を狙えるかもしれません。ライターさんが多様なアイドルとイチャコラするだけのキャラゲーを目指すのか、それともアイドル業界で一流になるための成功譚(or失敗談)を目指すのかで、作品のシナリオの質が変わってきそうです。