人生に行き詰った中国人男性と日本人の少女がバブル期の東京で再起を賭ける話。
中国人男性は大学受験に失敗し人生に生きる意義が見出せず惰性の日々を送っていた。
日本人の少女は心臓病の妹の手術費の為売春させられそうになり人を殺してしまう。
それぞれの故郷で居場所を無くした二人はバブル期の東京を目指すことになる。
当てもない二人は何の因果か解体前の建物に住むバイトを1年間一緒にすることに。
果して二人は東京沙漠の中で人生の実存を見つけることができるだろうか？
体験版では二人が東京に出るまでが描かれ、出会った所でOPが入りエンドとなる。
片岡とも先生の御家芸炸裂☆ 死生観・閉塞感・人生の意義
- 日本人の少女パート
- 地方で労働に勤しむ中学生。家は貧乏ではないものの、心臓病を抱える妹がおり手術費を捻出するために一家総出で働いています。補助金申請や保険適用、金融機関の融資などについてはツッコミをいれてはなりません。早く治療すればするほど成功率が高いというなら手術してから借金を返せばとか思ってしまいます・・・。それはそれとして、日本人少女は近所のお兄さんから割りの良い仕事を紹介してもらうのですが、世の中うまい話などそう簡単に転がってはいないわけでして、すなわち仕事の内容は売春だったのです。そのことを車内で聞かされた少女は、必死で車から降りようとしたため事故に遭ってしまったのでした。
- 入院して松葉杖状態になった少女でしたが、無事に退院。しかしここで少女に間接的にとは言え人を殺したという衝撃の事実が襲い掛かる。なんとお兄さん及び少女を買おうとしていた男性が死亡したことを聞かされます。田舎の狭い閉鎖的な社会では噂が広まるのも早く、白眼視されながら暮らしていた所、お兄さんの母とかいう人物が現れ、侮蔑と罵倒の言葉を浴びせられてしまうのでした。このまま田舎にいたのでは人生詰んでしまいます。自分の居場所がないまま村八分状態のなか、田舎で埋没してしまうよりも、バブル経済で好況に沸く東京に行けば何かが変わるかもしれない。そう思い立った少女は両親の了解を取り付けると、上京したのでした。と、いうか両親健在で相談しているなら、先にアパート決めるとか、仕事探すとか、職安(ハロワ)行くとかしてから上京するべきなのでは？と思ってしまうのでした。
- そして上京して原宿。求人雑誌片手に片っ端から公衆電話でアタックする少女。しかし中卒16歳に真っ当な仕事などありません。最終的に見付かったのが、解体前の建造物に1年間住むだけのお仕事。時給は400円、日給換算だと9600円。何もせずに1ヶ月28万8000円、二人で割っても14万4000円ってチョロすぎなのでは！？
- 中国人男性パート
- 中国人男性は大学受験に失敗した後、役場の紹介で厨房で働いています。しかし人生に生きる意味を見出せず、ただひたすら死んでいないから生きているだけの日々。熱意もなく惰性で生きるだけの生活を送っていたのでした。勉強そのものが好きというわけではなく社会的ステータスを得るために大学を目指していたので、もう既に教科書すら開かなくなり、鍋を振るいながら倦怠の毎日を過ごしていたのです。中国の大学受験もスゲー詰め込み式で受験終わった瞬間に一斉に窓から教科書を放り投げるとかいう話を聞くけど、80年代末期もそういう状態だったのかしらん？鄧小平の改革開放により社会主義市場経済は導入されていたけど、まだまだ人民工による低賃金肉体労働力で経済を回していた時代だから、中国で大学受験失敗するとどうなるかとか一寸興味あります。
- そんなわけで鬱屈した毎日を送っていた中国人男性は、バブル期の日本のことを聞きつけると、コンテナ船で密入国。バイヤーに連絡を取ると、稼げる仕事か稼げない仕事かを選ぶように言われ、強制送還されたくないので稼げない仕事を選びます。それが時給400円で物件に住むというバイトだったのです。少女と求人が被ってしまい、ダブルブッキング！！両者譲らない中、仲介業者のお姉さんにより、それぞれ給与半額になるけど二人でやりなさい案を提議。最終的に二人ともその条件を呑むのでした。けど、当時の相場だと1月14万でも中国だと凄まじい金額になるのでは？
- 熱意を失った男性が少女救済により生きる意義を取り戻すパターンは片岡とも先生の真骨頂なので、期待できそう。とてもやりたいですね。
