北へ。〜Diamond Dust〜 白石果鈴シナリオの感想・レビュー

闘病生活を送る妹と医療費の為バイトに明け暮れる兄の兄妹モノ。
主人公くんは兄の代わりに果鈴の入院生活における精神的支柱となる。
果鈴が自然気胸の手術を怖がるのは、父を医療ミスで亡くしていたから。
主人公くんの支えで手術に挑む決意をした果鈴は健康な身体を手に入れる。
しかしFDでは2留した中学生活が上手く行かず学校で孤立していた。
そんな果鈴を励ますべく白石兄は大学のソーラーカーレースに出場する。
主人公と白石兄は二人で果鈴の翼となったのだ!

白石果鈴のキャラクター表現とフラグ生成過程

本編 Diamond Dust

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  • 自然気胸で闘病生活を送る果鈴が手術を拒否するのは何故?
    • 主人公くんは、北海道の北見工業大学に進学した親友に会うため、夏休みを利用して北見へ遊びに行きます。しかしその友人である白石はバイト三昧でなかなか遊ぶ時間も取れません。なんと白石は妹の果鈴の入院生活を稼ぐために、日夜労働に勤しんでいたのです。大学生のバイトは雇用者側から見れば低賃金で若い労働力を酷使できる絶好の奴隷だよなぁ・・・。妹の為、家族の為に頑張る白石兄は、妹のお見舞いに行くこともままなりません。そのため主人公くんは、白石兄から一人寂しく病室で過ごす果鈴を気にかけてやってくれと頼まれるのです。果鈴ちゃんのことは俺に任せろ!
    • 果鈴シナリオでギミックを利かせているのが、果鈴が運営しているwebサイト。果鈴は夢の図書館にアクセスして、そこで読んだ物語を書き残していると述べますが、闘病生活の苦しみを原動力として童話を書いていたのです。その物語の内容は結構真っ黒で悲観的。病室から出られない自分の状況を世界の果てと表現したりしています。そんな果鈴の精神的支柱となって勇気を持たせればフラグは成立さ。主人公くんは白石兄妹と深く関わることで、白石家と密接な関係になっていきます。白石家は実は母子家庭であり父親は医療ミスで死んでいることや白石兄が果鈴に対してバイト代の使い道を内緒にしていること等を知ります。そして主人公くんは白石兄の秘密を果鈴に暴露してしまったりします。
    • 果鈴シナリオの見所は、実兄と実妹の間柄が良く描かれていること。普段は白石兄が果鈴をからかい、果鈴は白石兄に対して反発するのですが、その奥底では兄妹の絆がしっかりと結ばれており、それを客観的に眺める主人公くんという構図になっています。
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FD +Kiss is Beginning

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  • 2留した中学生活で孤立化してしまう
    • 本編で手術が成功し、元気になった果鈴。しかしマリみての黄バラの人と同じ結果に。今まで病弱だった時にチヤホヤされたことに慣れ過ぎていたことに加えて、元気になった分はしゃいでしまったので、周囲にドン引きされてしまいます。さらに果鈴は中学を2留しているため、余計に馴染めないのでした。大人になると2年の差など微々たるものですが、第二次性徴が起こる時期って、中1と中3でも物凄い体格差だものねぇ。身体だけでなく精神的にも。以上により、果鈴は登校拒否にはなっていないもののパソコンだけが友達さという状況に陥ってしまっていたのでした。
    • FDにおける主人公くんの課題は、中学校でうまく行かない果鈴を励ますこと。色々な所へ出かけて果鈴の気分転換をはかるのですが・・・なんと、ここで交通事故発生!中学の同級生に主人公くんと買い物をしているところを見られ噂話を展開されると果鈴はパニックになり車道へ躍り出てトラックに跳ねられてしまうのです。このトラックイベントでフラグ分岐が発生し、主人公くんが身代わりになるルートと果鈴が記憶喪失になるルートに分れます。主人公くんが身代わりになった場合、軽傷で済みサクッと退院。白石兄のソーラーカーレースを見に行きます。白石兄は弱小サークルを率いて耐久レースに挑み、果鈴にチャレンジ精神を見せようとしたのです!主人公くん及び白石兄という二人のお兄ちゃんを翼にした果鈴は、中学生活に前向きに取り組む決意をします。今までチヤホヤされるお姫様状態に慣れ過ぎていたことを反省し、心を開く努力をすることに決めたのです。ちなみに記憶喪失ルートでもグッドエンドに入ることができ、同級生たちがお見舞いにやってきて友情を結んだりします。なにはともあれ、白石兄と果鈴の兄妹愛を描いたシナリオでした。
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