今回のコンテンツツーリズム論演習はH大構内でした。
皆様は『動物のお医者さん』を御存じでしょうか?
『動物のお医者さん』とは架空の大学H大獣医学部を舞台とする大学・専門職モノのマンガです。この漫画では実際のH大がたくさんでてきますが、その独特のユーモアセンスにより連載当時から30年近く経っても巡礼者が訪れるほどです。獣医学部には自由に見学できる標本室があるのですが、入り口側の外の壁には漆原教授よろしくアフリカグッズが掲げられており、標本室の訪問者ノートには『動物のお医者さん』を見てきましたと最近のコメントに書かれていたほどです。H大のコンテンツツーリズムを語るうえで『動物のお医者さん』は必須という事で、昨年度は私がこの作品のコンテンツツーリズムを作ったのですが、2019年度も引き続き別の担当者が企画の題材としました。ちなみに「このカシオミニを賭けてもいい」の現場の畜魂碑は現在移動されてしまっており病院の隣に移築されています。
偽ポプラ並木
『動物のお医者さん』には獣医学部に偽ポプラ並木が出てきます。菱沼さんという独特な女性が、獣医学部付近で観光客にポプラ並木はどこか聞かれ、ポプラで並木だけれども、貴方が求めているポプラ並木とは違うと答える例のアレです。獣医学部近辺について、ここはもうH大じゃないじゃんと言われて思わず憤慨する菱沼さんが良い味だしてますね。しかしながら、この偽のポプラ並木はどこにあるのでしょうか?作中の景観が大きく変化し、現代の景観とは異なるため発見しづらくなっているのです。そう、この獣医学部のポプラ並木は現在のエルムトンネルの上にあるのです。作中では車がビュンビュン走っているとあるので、道路を探そうとすると見つけられないのですね。現在だと車はエルムトンネルを通るので、ゆっくりと偽ポプラ並木を眺めることができます。
雪中ジャンプ大会で出て来る例の寮
そして恵迪寮の中に初めて入りました。きちんと許可をとって見学したのですが、寮の中は筆舌に尽くしがたい状況でした。受講生一行は余りの雰囲気に完全にビビッており、思わず会話も小声になってしまいます。令和の時代に未だに昭和30年代テイスト感が漂う雰囲気にタジタジです。教授も学部はH大出身とのことで「寮に入ろうと考えたことはありますか?」と尋ねたら、「周囲から止めとけと言われたし、勉強したかったら(寮に入る気はなかった)」とコメント。確かに、いくら費用が安くても、この状況はちょっとなぁと思うのでした。現実問題として寮の定着率は低く、あまりの現状に耐えきれなくなって1~2ヶ月で退寮する人々も多いと寮生から説明を受けました。本当に秘境と言えるでしょう。