コンテンツツーリズムを研究していると、必ずといって出くわす問題があり、その一つに「コンテンツに性的要素が含まれるという批判への対処」というものがある。
先行研究としては、のうりん美濃加茂市事件(2015)、碧志摩メグ三重県志摩市事件(2015)、まいてつくま川鉄道事件(2016)、宇崎ちゃん献血事件(2019)、ゆずソフトエスコヤマ事件(2019)などはおさえておかねばならないだろう。これらの事例にまた新たな事例が加わった。
概要を簡潔に述べれば、ポスターに描かれたキャラクターのスカートの表現方法が性的であるという批判が起こったのである。
これらが孕んでいる根本的な問題として「コンテンツ」そのものに対する偏見というものがある。今でこそアニメ・漫画・ゲーム・ラノベといった大衆娯楽はクールジャパン効果もあり徐々に世の中に浸透してきてはいるが、少し前までは排除される対象であったのである。それゆえ香川県のように保守派層がゲーム脳を持ち出し条例で規制するのも、今回のように左派層が社会的性差を根拠にイラスト表現が性的であると批判するのも同質の傾向を持つと言える。つまりコンテンツは社会悪であり叩くものという概念が植え付けられてると考えられるのだ。
以上により、コンテンツを利用した地域振興においては、これからも必ずこのような事件は発生するであろう。一過性の論争で済ませるのではなく、2010年代後半から際立つ問題としてアーカイブしていき、後世の人間に伝えていかねばならない。
さらに問題となったのは社会的性差を専門とする研究者が「食料品の買い物するお母さん向けに考えないのはなぜ?オタクがミカン箱買いするとでも?」と述べたこと。伝統的な社会に押し付けられた性的役割分業を批判する立場を取りながら、自分が批判の根拠を伝統的ジェンダーロールに求めてしまった矛盾点が浮き彫りとなったのでした。
「食料品を買うのはお母さん」というジェンダーロールへの言及はよろしくないかと…。また女性蔑視が不適切であることをご存じであれば、オタクとのレッテルやその人たちへの先入観、ネガティブな言及についても同様に敏感であって頂きたいところです。 https://t.co/Ci32aTtQvp
— 高橋 秀和 (アフターピル薬局販売 署名中) (@chihayaflu) February 16, 2020
考えようによっては,専門家の深層心理にさえこびりついている伝統的ジェンダーロールは恐ろしいものなので,皆でより強く批判していこうな,という決着は用意できるのかも。
— DG-Law/稲田義智 (@nix_in_desertis) February 16, 2020
アニメや漫画の力を借りて地域を盛り上げようと善意で動いている中で、邪魔をして中止に追い込む連中のことを、
— 鏡裕之@2月29日、『高1ですが異世界で城主はじめました17』発売! (@boin_master) February 17, 2020
文化的テロリスト
と呼びたい。
別の言葉で屑。
ほんと、ろくなことをしない。
社会にとって害悪。こんなので女性が守られるものか。https://t.co/q99KEVR9jn
数年かけ地域に根差したアニメコラボが、狂人による、たった数日の狂騒で破壊されてしまうというの、「数年を努力してきた人達への否定」であり、「理不尽な狂人の肯定」にしかなり得ませんからね。
— こな蜜柑ちゃんpot (@reirei_pot) February 17, 2020
理不尽な狂人以外の全てが不幸になる。
「理不尽な狂人を否定できる社会」
にする必要がある。