戦後の東南アジア

1.旧仏領インドシナ

1-1.ヴェトナム史

(1)インドシナ戦争(1946~54) フランス・ヴェトナム国 VS ヴェトナム民主共和国・カンボジアラオス
(2)ヴェトナム戦争 アメリカ・ヴェトナム共和国 VS ヴェトナム民主共和国
  • 1955 ゴ=ディン=ディエムがバオ=ダイを追放してヴェトナム共和国建設
  • 1960 親米独裁政権の打倒を目指す南ヴェトナム解放民族戦線(ヴェトコン)が結成。
  • 1961 米国がヴェトコンを共産主義の侵略者とみなして軍事介入を決意 →軍事顧問団の派遣。
  • 1963 ゴ=ディン=ディエム政権がクーデタにより崩壊 → アメリカの本格的な軍事介入始まる。
  • 1964 トンキン湾事件…米軍駆逐艦が攻撃を受けたとするでっちあげ事件。ジョンソン大統領にヴェトナム問題解決のための特別権限が与えられる。
  • 1965 北爆開始!→ 南に戦闘部隊を派遣。北ヴェトナムも正規軍を投入し、戦争が本格化。
  • 1968 テト攻勢旧正月(テト)に北ヴェトナム軍と解放戦線がアメリカ基地と主要都市へ一斉攻勢を行う。アメリカ国民に戦争泥沼化を印象付け、内外の反戦世論を煽り戦争の転機となる。
  • 1973 パリ和平協定…ニクソンアメリカ軍撤退を実現。
  • 1975 米軍撤退後も戦闘は続くが、ついにサイゴン陥落 → 戦争終結
  • 1976 南北統一 → ヴェトナム社会主義共和国成立
(3)ヴェトナムの政策転換
  • 1979:中越戦争→ヴェトナムがカンボジア内戦に介入してポル=ポト政権を倒しヘン=サムリン政権を樹立させると、中国軍が侵入。実戦経験豊富なヴェトナムが撃退して終了。
  • 1986:ドイモイ政策→年に採用されたヴェトナムの改革・開放路線。経済面では生活消費財の生産拡大、市場経済の導入、外国資本の導入をうたう。

1-2.カンボジア

  • ヘン・サムリン政権(1979~91) ヴェトナム・ソ連支援
    • ‣カンボジア人民共和国(ヘン・サムリン&ヴェトナム&ソ連) VS民主カンボジア連合政府【ポル=ポト・シアヌーク・ソン=サン】
    • ‣1989.9  カンボジア駐留ヴェトナム軍完全撤退 ←ゴルビーのヴェトナム政策見直し&ヴェトナムのドイ=モイ政策
    • ‣1991.10 カンボジア和平協定調印
  • ⑤国連カンボジア暫定行政機構(1991~1993)
    • ‣1993年による総選挙(ポル・ポト派不参加)でシアヌーク復権

1-3.ラオス

①1953年 ラオス独立。左右の政治勢力の対立から内戦が始まる。
②1960年代 内戦状態;政権を握る右派VS左派のラオス愛国戦線(パテト=ラオ)
③1975年 ラオス愛国戦線が勝利 → ラオス人民民主共和国が成立。

2.米領フィリピン

2-1.WWⅡ前後

  • 1934 米大統領フランクリン=ローズヴェルト、10年後の独立を承認。
  • 1935 フィリピン独立準備政府成立(大統領ケソン)
  • 1942 日本軍、マッカーサー率いる米軍を駆逐し、フィリピンを占領。
  • 1943 日本軍、フィリピン独立許与(大統領ラウレル)←フクバラハップの抗日武装闘争
  • 1945 米軍によるフィリピン奪回(←1944米軍のレイテ島攻略)
  • 1946 共和国として独立(大統領ロハス)←対米従属と地主支配に対するフクバラハップの闘争(のち鎮圧)

2-2.戦後フィリピン史

  • ①マルコス政権(1965~86)
    • 長期政権の中で独裁化し腐敗が進む。83年に政治的ライバルのベニグノ=アキノが暗殺されると反マルコス運動が高まり86年のクーデタで亡命した。
  • ②コラソン=アキノ政権(1986~92)
    • 夫ベニグノが暗殺され政界入り。国防軍の支持を得て大統領に当選。新鮮なイメージで独裁政治からの脱却を図ったが、貧富の差は縮まらず経済も停滞し、クーデタの頻発に脅かされた。
  • ③ラモス政権(1992~98)
    • 共産党合法化、国軍右派との和解、モロ民族解放戦線との和平など、国内諸勢力の調和に努めたが、経済危機は解決できなかった。
  • エストラーダ政権(1998~2001)
    • 映画俳優出身で大衆的な人気で政権をとった。様々な利権と結びついてスキャンダルが発覚し、弾劾裁判で訴追されて退陣した。
  • ⑤アロヨ政権(2001~2010)
    • 経済再建、貧困の解決を課題とするが成果は上がらず。対米依存を進め、反テロ活動に同調してイスラーム急進派との戦いを強化した。

3.蘭領東インド

3-1.独立戦争

  • 日本軍政下で独立準備。日本降伏後8月17日にスカルノを指導者として共和国を宣言。宗主国オランダはこれを認めず独立戦争。ゲリラ戦と国際的批判により、49年11月ハーグ協定で独立承認

3-2.開発独裁

  • スハルト政権(1968~98)
    • 九・三〇事件を収拾して実権を握り68年大統領。反共親米路線を取り、西側資本を導入して積極的な経済発展を図った。しかし貧富の差の拡大、スハルト一族による利権の独占などで批判を浴び、98年大統領を辞任した。
    • ASEAN(1967)…タイ・マレーシア・シンガポール・インドネシア・フィリピンで結成。当初は反共軍事同盟的傾向。

スハルト退陣以降のインドネシア

  • ②ハビビ政権(1998~99)
    • スハルト一族の排除や青磁の自由化に努めたが経済が好転せず退陣。
    • 政権末期、東ティモール独立派へのテロ活動を抑えきれず国連の介入を受けた。
  • ③メガワティ政権(2001~04)
    • スハルトの娘。経済の再建に少しずつ成果を上げたが、テロ活動などの治安悪化で外資が細り苦慮。

4.旧英領ビルマ

5.英領マラヤ連邦