『放課後ていぼう日誌』(全12話)感想・レビュー集

百合系アニメ。JK×専門分野モノ。釣りが題材で熊本県芦北町が舞台。
コンテンツツーリズムの分類としては「作品の舞台(ロケ地)」系。
動画工房は熱心な現地取材で有名だが熊本県芦北町の雰囲気がとても良く感じられる。
また釣り描写も未経験者に釣りの基礎を教え、楽しさが伝わるように工夫されている。
(私は釣りをしたことがないが、見ていて面白いと思う。)
キャラ描写と現地の雰囲気と釣りの専門性が上手くマッチしている。

第1話「手芸部に入ろうとしたら漁業部に入っていたでござるの巻き」

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  • タコ
    • 父親がUターンし地元に戻ったため、一家で引っ越してきた主人公の陽渚。超インドア派で手芸大好きな陽渚は、楽しい手芸部ライフを夢見ていたが、なぜか漁業部に入ることとなってしまいます。そのきっかけとなったのがタコ釣り。引っ越し作業の中母親からゴミ袋のお使いを頼まれた陽渚が海沿いをブラブラしていると、熱中症らしき人を発見。焦って駆け付けるも、釣りをしているだけだったというオチ。陽渚はそのまま流されるかのように釣りに参加。初回は、釣竿すらいらず板のような物体?からただ釣り糸を垂らすだけの釣り。見事釣り上げた陽渚でしたが、獲物はタコであり、第1話から触手プレイという難易度高い展開。タコにまさぐられる中、半ば強制的に入部届けを書かされてしまうのでした。

 

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  • アジゴ
    • 入学後、陽渚は漁業部への入部を断る為、部室へと赴きます。しかしなかなか言い出せないまま部員たちの自己紹介タイムとなってしまいます。勇気を振り絞って漁業部への入部を断る陽渚でしたが、ここで部長の人たらしが発動。何事も経験だから1回くらい釣りやってみない?と陽渚を誘います。ここで狙うのはアジゴ。最初はエサに触るのすら気持ち悪がっていた陽渚が、釣りの楽しみに目覚めていく様子が丁寧に描かれていきます。そして陽渚を釣り好きにするダメ押しとなるのが、「釣ったものは食べる」。釣り立てのアジゴをその場で素揚げにし、海を見ながらムシャムシャと食べます。こうして部長の策略のもと、気安い仲間たちと釣りをする楽しさに目覚めた陽渚は漁業部の続行を告げるのでした。まぁ最後はフナムシエンドであり、やっぱりやめる~☆とオチがつくのですが。

 

第2話「リールの糸解きとルアーを投げる練習」

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  • リールとか見ると釣り難易度高そうと思う
    • のっけから体力測定で壊滅的な記録を残す陽渚。なんと陽渚は極度の運動音痴でした。釣りには体力が必要ということですが、堤防までチャリこいでいくのもヘトヘト。到着後、部長も同じように体力測定で力尽きており釣りする気が出ません。その代わりにリールの糸ほどきを行うこととなったのでした。マジ大変そうな作業ですが、もともと手芸部志願者だった陽渚は絡まった糸をほどくのが得意なのでドンドンこなしていきます。そして陽渚にはご褒美として釣竿とリールが与えられたのでした。
    • この釣竿とリールを使ってキャスティングの練習をするのが今回のメイン。ルアーがあらぬ方向へ飛びまくる様子をご覧ください。悉くルアーにぶつかり犠牲になる夏海。釣り漫画ではお約束のスカートをひっかけて釣り上げてしまうシーンも安心の動画工房は健全に処理しています。コミカルなギャグテイスト。そして一見気だるげな部長が一番釣りの指導がうまく、初心者の陽渚が困るとのらくらと助け船を出してくれるパターンが良い味だしている。これからもこのパターンは続きそう。

 

第3話「クリンチノットを覚えてマゴチを釣る」

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  • 糸の結び方って不器用な人にとっては極度の難しさ
    • 釣り初心者の女子高生を主人公にすることで、釣りの良い入門案内になっています。釣りとか知らない人に釣りの楽しさを教えることが目的。やもすると専門的になりすぎて視聴者が遠ざかったり、キャラに焦点が当たりすぎて内容が薄くなったりしてしまいがちですが、本作はよく出来ているなぁと思います。今回はマゴチ釣りが目的ですが、その前に仕掛けづくりから教えてくれます。夏海スゲー良い奴だな!糸の結び方とか初心者だからこそ良く分からないところを丁寧に解説して頂きありがたや。何事もベテランに教えを請うと見て覚えろとかこんなんもできねーのかとバカにされることも多いのが現実ですが、懇切丁寧に教えてくれる夏海スゲー良い奴(2度目)。クリンチノッドという結び方を教えて頂きました。普段ちょうちょ結びくらいしかしないので結び方は勉強になります。

 

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  • 部長の距離感というか指導する時の距離感が良い(いつものパターン)
    • 実際の釣りの描写になりますが、ここで部長の陽渚に対する距離感がまた良く感じられます。最初にイロハを教えて、やらせてみせ、本人が釣れなくて悔しがっているところで、コツを教えるという流れ。一度に言っては全て覚えきれないでしょうし、本人が何で困っているのかを良く観察して必要な事項を適切に教えているのがステキ。水の中でのルアー操作とかって本当に手に感触が残るのかしらん。で、本物の魚のような動きになるように釣竿を動かすのだそうな。こういうのも釣りって何か虫とかのエサをつけて垂らすだけでしょとか思っていると大違いなんだなぁと分かります。ラン&ガンとか聞くとバスケを思い起こしますが、釣り場所をどんどん変えていくことを指すそうで結構アクティブな面も。
    • 見事マゴチを釣り上げることに成功した陽渚ですが、釣ったものは食べるということで、捌くように要請されます。この部活に所属しているだけで、かなり生活スキルあがるのでは?しかしながら陽渚はマゴチを捌く事はできず、せめてトドメをさせということで、殺すことに。この辺も初心者には躊躇されそうなところがうまく取り上げられています。今回は魚屋の娘である大野先輩が捌いてくれたので料理シーンはカットでしたが、そのうち刺身や唐揚げにするやり方も教えてくれるんだろうか。

 

第4話「釣具店でヤッケを買いイカを釣る」

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  • 釣具店でヤッケと帽子を購入する
    • 専門店を見に行く楽しさを提示するA-part。釣りに限らず専門店に行って、色々と選ぶのは楽しいよね。本作の場合はメインヒロイン鶴木陽渚がいつまでも借り物の帽子を使っているため、購入しに出かけます。ついでにヤッケも。オッサンの感覚だと部長が使っているヤッケもステキだと思うのですが、JKの感覚だとナシのようでカワイイウェアーを求めることに。オープニングでは鉄道と柑橘類でコンテンツツーリズム度満載でお届けされます。陽渚の予算は1万円であり、当初夏海はそれで充分だと言いますが、女子向けウェアーは高かったでござるの巻き。半額セールのものを何とか手に入れるも帽子は断念することに。しかし釣り仲間の粋な計らいでカネを出し合ってプレゼントすることに。感激する陽渚でしたが、最後に夏海が部活を辞めにくくするための手段であると暴露しオチがつくのでした。

 

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  • イカ釣り
    • b-partはイカ釣り回。エギという仕掛けで釣るのでエギングというそうな。仕掛けの作り方にせよ釣り方指導にせよ陽渚の夏海に対する当たりが強く感じてしまいます。まぁ遠慮のない関係ということなのでしょう。早々にエギを無くしてしまう二人をご覧ください。この日は部員全員が全然釣れず、諦めかけていたところへ最後のチャンス。ひななつコンビはかすりもしなかったものの大野先輩が見事吊り上げるのでした。買ったばかりのウェアーにスミを吐かれてげんなりする陽渚に対し、ポケットティッシュで拭いてあげる夏海の献身さよ!そしてイカをシメる時に色が変わるのは確かに面白いかも。イカの刺身が食べたくなる回でした。

 

第5話「干潟で泥まみれになったり、潮干狩りでとった貝を食べたりする」

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  • 干潟泥まみれ
    • コンテンツ作品で干潟が題材になることは多く、釣りキチ三平ゾンビランドサガなどで登場人物たちが泥まみれになります。日本人よ泥に回帰せよ!ということで、本作の1年生コンビも泥まみれに。部長の忠告を聞かず干潟で追いかけっこに興じる陽渚と夏海は案の定泥に嵌って出られなくなってしまいます。そして泥にダイブすることに。泥の中で百合プレイ。最初は自然物に対して嫌悪感を抱いていた陽渚が部員たちに巻き込まれることでその良さを知り次第に平然と接するようになっていくのが本作の見どころかも。長靴を脱ぎ捨て素足で泥を踏みしめる陽渚がその感触に感動する様子をお楽しみください。そして陽渚のビギナーズラックは続き、アサリだけではなくめったにとれないハマグリもゲットするのでした。

 

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  • アニメに出てくる女性教員のテンプレ像=行き遅れのアル中
    • 潮干狩りでとった貝を塩抜きし、翌日の部活で食べることに。しかしそこに顧問の女性教員がやってきます。1年生コンビにとっては優しそうな良い先生のように感じられたので一緒に貝を食べることを提案するのですが、なんと顧問教員はアル中だったのです。バレたら一発で懲戒になるな!ビール片手にツマミの貝を貪り食い、部員たちに絡みまくり、そして寝るという自由奔放っぷり。部員たちは辟易しながらも顧問が寝ている間に仕切り直して網焼きに興じることに。ここで陽渚がとったハマグリが登場。獲得者の特権ということで陽渚にハマグリを食べる権利が与えられ、いざ!口の中へ!!というところで顧問が乱入。横から掻っ攫っていったのでした。

 

第6話「魚慣れして調子こいて天狗になったためしっぺ返しを食らう」

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  • 内臓処理:生き物を食べるのって大変だなぁという話
    • いつかお料理回をやるんだろーなぁと漠然と思っていましたが、ついに陽渚が釣ったアジゴの後処理に挑戦。まだ料理ではなく、下ごしらえ回でした。着実にステップアップしていく方式です。魚を素手で掴み内臓を引きちぎっていく様子が丁寧に描かれていきます。最初、陽渚は怖気づいて内臓をメリメリできません。確かにこれは難易度高いわ!ここでも夏海との百合友情パワーが発動し、二人羽織形式で手取り足取り内蔵をとっていきます。しかしギャグテイストも忘れず、「いちにのさん」ね!という陽渚に対し、「に」のところでイキナリメリメリと剥がしにかかる夏海も微笑ましいですね。この後、陽渚は本物ではなくぬいぐるみと思えという助言に従い、見事覚醒!自己暗示をかけて次々と内臓をとることに成功したのでした。普段何気なく魚とか食べてますけど、釣って、下ごしらえして、料理してと様々な工程を経て口に入るんだなぁと実感するのでした。

 

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  • 調子こいて失敗:普段は釣り部に乗っかって何も考えずに釣っていたと反省
    • GW中、陽渚のマミーが死んだおじいちゃんの遺品を整理していたら遺品の釣竿を発見!陽渚に譲渡されますが、ついでにアジゴを釣ってくるように頼まれます。両親にヨイショされた陽渚は釣り部に慣れたこともあり、自分の釣りテクを過信して期待に応えようとします。また夏海に対しても一人でたくさん釣って自慢したいという見栄もあり誘わずにソロ釣りを決行!しかし全然釣れないという罠。諦めかけたところで救いの女神夏海が登場。電話一本で駆けつけてくれる優しさよ。こう、気軽に私も誘えよ~といえるところにコミュ力の高さが窺えますね!
    • で、陽渚に対して釣り指導。仕掛け一つとっても、針の大きさやら竿のしなりやらで道具を使い分けねばならないことを教えます。ここで陽渚は如何に自分が何も考えずにテキトーに釣っていたかを実感し反省するのでした。落ち込む陽渚に対してこれまた夏海はビギナーだから仕方ないし、同じ仕掛けでもその時々で釣れたり釣れなかったりするので、日々の創意工夫が必要であると説きます。さらに、それひっくるめて釣り全般が好きと述べる夏海の輝かしさが描写されます。都会出身の陽渚はナチュラルに夏海を見下しているようなそぶりがありましたが、それはこの様子を描くための伏線だったのです!!陽渚は夏海に憧憬を抱くと共にライバル心をも燃え上がらせるのでした。

第7話「穴釣りでガラカブを釣り、テスト勉強をする」

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  • 穴釣りチャレンジ
    • 恒例の陽渚の祖父の遺品から話が始まるシリーズ。今回は穴釣り専用の釣り針が見つかり、ガラカブを獲物に見定めます。ここでは大野先輩が無類の穴釣りマニアだということが明らかになり、ヲタク特有の自分の専門分野になると早口喋りになる現象を披露してくれます。はたと気づいて我に返るところが見どころとなっています。穴釣りは岩礁などの隙間の穴の中に入れて釣る方法で、キャスティングが必要ない初心者向けの釣りだけれども、駆け引きなどで奥が深いのだとか。そんなわけで穴釣りを始める陽渚たちでしたが、何故か大野先輩はハラハラしっぱなし。穴釣り終了後に、部長に促された大野先輩が言うことには、穴釣りに夢中になりすぎて海に落ちて溺れ、それ以来カナヅチになってしまったのだとか。それはそれとして、今回の穴釣りの目的はガラカブの味噌汁を飲むためだったのですが、味噌汁調理シーンがなくて残念。ガラカブはどうさばくんじゃい!?(一応アイキャッチで味噌汁を飲んで感動する陽渚のシーンはある)

 

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  • 夏海の嫉妬心らしき感情
    • 中間試験があることを忘れ去っていた陽渚は大ピンチ!じゃあ一緒にテスト勉強しようぜ!と誘ってくれた夏海に対してはバカ枠だと思って冷めた目を向けます。ホント陽渚は夏海をナチュラルに馬鹿にするよな!しかし夏海は勉強できる子であり、中学では常に順位一桁だったのだとか。こうして夏海の家でテスト勉強をする流れになります。夏海ハウスでは、親を友達に会わせたときに展開される恥ずかしい恒例行事が展開されたり、家ではメガネの夏海が照れたりします。夏海の部屋で物珍しさ故にキョロキョロする陽渚はあまり他人の部屋に入ったことがないと述べたことで、夏海に暖かい目を向けられます。友達が少ないことを認めたくない陽渚は必死に弁明するのですが、それが夏海の嫉妬心らしきものを醸し出させます。陽渚は手芸友達のことを語るのですが、夏海は自分の知らない陽渚の側面を改めて見せられたかのようで、自分にも手芸を教えてと頼むのでした。文脈から読み取れる夏海のジェラシーっぽい感情をお楽しみください。

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第8話「学校の近くの川でテナガエビを釣る」

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  • 河川釣りには遊漁券が必要なのか・・・
    • 梅雨で雨ばかりのため海に釣りに行けない部員たち。そんなわけで今回は川でエビ釣りにチャレンジすることになります。ここで驚いたのが遊漁券の存在。確かに釣りキチ三平とかちびまる子ちゃん(ヒロシ回)で遊漁券の話がありましたが、学校近くの川で釣るだけでも遊漁券必要なんかい!?私事で恐縮ですが出勤時に土手を歩いていると近所のジーサンたちが川で釣りしてるのを見かけるけど、彼等も遊漁券きちんと買っているのだろうか・・・。つーか遊漁券ってコンビニで買えるのね。
    • それはそれとして内容の話。テナガエビ釣りはスリリングでエキサイティングとのこと。最初のレクチャーの時には、部長が淡々と釣り上げ、陽渚が舐めてかかるというお約束が展開されます。陽渚が負けず嫌いであることは部員たちにとっては周知の事実になっているようで、部員たちがバンバン釣り上げる中、タイミングが合わずになかなか釣れない陽渚はエキサイトしていくことになります。思わずクソとか言っちゃって夏海から窘められたりもします。で、悔しがる陽渚に部長のアドバイス。竿を挙げる時にくっと重くなるところでいったん止めると違和感を覚えたエビが後ろに跳ねて勝手にかかるのだとか。スゲーな。

 

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  • ついにお料理回も登場
    • 今までの放送では(本格的には)お料理回はありませんでしたが、今回ついに登場!テナガエビの素揚げの作り方が紹介されます。お料理頑張るぞのコーナー爆誕。流水で一晩泥を吐かせたエビに料理酒をぶっかけて、しめるのだとか。実際に生きている動物を自分の手で殺して食うのって何気に難易度高いよなぁと。あと料理酒でエビ死ぬんだとか。そしてこの番組ではナチュラルに揚げ物してるけど廃油とかの問題もあって揚げ物って結構大変なのに苦も無くこなしてるところに生活力の高さが窺えます。オチ担当はいつものように顧問の先生。遊漁券の年券をねだる部長に対し、ビールを飲んでいいなら考慮すると答えて場が収まりエンドとなります。

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第9話「道徳教材」

今回の釣りアニメは道徳教材的な内容です。
前半は水難事故を防ぐために救命救急と着衣泳を学びます。
後半は釣り人のポイ捨てが野鳥を傷つけている事例を取り上げます。
説教臭くなりがちな内容をギャグテイストで上手く処理しています。
 

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  • a-part:着衣泳
    • 前半は救急救命を学びます。人工呼吸で肺に空気が入っていかないと嘆く陽渚。直接描写はありませんでしたが、おそらくあの人工呼吸人形のことを言っているのでしょう。リアルの救命講習だとあとAEDをやらされたりします。そんなこんなで釣り部員一同は養護教諭から着衣泳の指導を受けることに。今までライフジャケットを着けていなかったのは、最新式のものが発売されるまで待っていたとか言って処理されます。まぁ確かに公立高校で認可されている公式の部活において、ライフジャケット着けてなかったら問題だよなぁと。着衣泳の指導はいたって真面目に行われ、力を抜いて大の字になって浮くことが大事と教わります。泳いで体力を消耗するのは間違いでひたすら救助を待つのが正解なのだとか。ペットボトルに少量の水を入れて浮き輪にしたり、クーラーボックスを投げるのも手であるとのこと。で、真面目にやっているばかりでは視聴者が飽きてしまうので、最新式の腰巻救命胴衣の実演タイム。実演者は一人にしろという忠告を無視してプールに飛び込み、ボンベを浪費して部費を圧迫するというギャグでオチになります。

 

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  • b-part:釣り人のゴミポイ捨て問題
    • 道徳教材その2。アオサギの足に釣り糸がからまり指がもげている姿を目の当たりにして愕然とする陽渚。釣り部員たちは釣りをする気がなくなりゴミ拾いをします。陽渚はその夜もアオサギのことが頭から離れず、ネットで釣り人のせいで傷つく野生動物の惨状を調べショックを受けます。なかなか寝付くことができない陽渚は部長に相談し、アオサギの釣り糸をとることを提案。部長は役所の許可を取り捕獲道具を借りてきてくれますが、個人的にはこの辺が一番知りたいとこなんですよね。役所のどこの課へ行って、どんな申請書を書くのか興味あります。アニメじゃ映えないのでサクッとカット。捕獲シーンのみクローズアップされます。せめて陽渚が絡まった糸を取る描写はやって欲しかったかもしれません。流石に映像で表現するのはグロいか!?そんなわけで今回の釣りアニメは道徳教材的な内容でした。

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第10話「同じ魚でも様々な釣り方があるよねという話」

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  • のべ竿でアジを釣る
    • 新しい獲物を求めて息巻く陽渚。アジゴはたくさん釣ったのでもう言いとか言い出します。しかし部長はのべ竿でのアジゴを釣りを提案。同じ魚でも道具によって釣りの味わい方も変わるのだとか云々。のべ竿はリールとかなく、釣り糸を垂らして浮きを見るザ・釣りといった感じ。仕掛けの方法とかがダイジェストモードになってしまい、小難しい説明がカットされてしまった。確かに視聴者的には説明タイムが長いと離れて行ってしまうのでしょうが、この作品の面白さはディティールさにあるので、表現の仕方とか難しいよね。そんなわけで、のべ竿タイム。釣りの楽しみには、自ら積極的に行くスタイルと、待つことを楽しむスタイルがあるとかで、陽渚と部長は後者。一緒にされたくないとうへぇという表情を浮かべる陽渚ですが、部長が卒業して先輩になったらそのポジションと化すのは陽渚だよなぁとか思います。途中から狙いはアジゴだけではなくなり五目釣りとなりますが、真の狙いはアジゴではなく、アジ。その重さや感触に陽渚は感動を覚えます。しかしながらアジを〆る時に血がいっぱい出て貧血。
    • 今回のお料理は、三枚おろしとアジの開き。いやーマジ三枚おろしとか難しそうだわ。そのスキルを平然と身につけている夏海と部長もスゲーな。案の定陽渚は失敗。夏海は何気に大根のかつらむき?も綺麗にこなしており、勉強もできるしコミュ力高いし、陽渚からは野生児扱いされてますが、かなりのハイスペックっぷり。
    • オチを担当するのは、顧問教員。アジの開きを翌日に食す話題になると、突如登場。今回もアルコール片手に大暴れ。顧問教員は漁師ではなく猟師とのことで、普段はイノシシとか食ってるらしくお手製燻蒸装置を見せてくれるのでした。
    • 個人的にはアジの開きを乾燥させるのに、冷蔵庫を使う所とか驚き。作中で陽渚も述べていましたが、外に干すんじゃないんですね。冷蔵庫スゲーな。

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第11話「教えて!グーグル先生~リアル青虫と疑似餌の違い~」

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徐々に釣りに嵌っていく陽渚は、キスの天ぷらを食べてその美味しさに感動。もっとキスを食べたいのでキスを釣りたいと提案します。これからは積極的に行くという陽渚でしたが、そこには試練が!なんとキスのエサな青虫であり、虫が苦手な陽渚は最初から躓いてしまうのでした。優しい釣具屋のオッサンから疑似餌があることを教えて頂き、キス釣りに必要な道具も購入。いざ、キス釣りへ!ということで今回の場所は砂浜。部長からキス釣りのレクチャーを受けるも、その釣り方はエサがリアル青虫の場合の釣り方だったので、陽渚は全くうまく行かず釣りの成果は坊主に。可哀想だから疑似餌の釣り方を教えてあげたいという夏海たちに部長は陽渚の為にならないから向こうから教えを請うまではダメと言います。しかしプライドの高い陽渚は部員たちに聞いてこず、ジレンマが生じます。それを見かねた部員たちの目線に屈した部長は、それとなく疑似餌についてアドバイス。帰宅した陽渚は早速グーグル先生に尋ね、疑似餌の場合はリアル青虫とは違った釣り方をしなければならないことを知り、そのテクニックを学ぶのでした。ネット環境の整備が知識や技術を伝播させる良い例。
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第12話「自分で考えて試行錯誤した結果に得た知識こそが本当の経験になるのじゃ」

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  • ネットで得た知識を現実で使うには応用力が必要
    • 前回の放送でググレカスの学びを得た陽渚はさっそくキス釣りに関する知識を収集。その知識を現実で試そうと大張り切り!生餌と疑似餌の違いを部員たちに説明し果敢に挑戦していきます。しかし当りはくるようになったものの、釣り針に魚が掛かりません!なんで!?ネットでは爆釣りだったのに!?ネットの知識を具現化するために試行錯誤する陽渚。煮詰まる陽渚に対して夏海は麦茶inペットボトルを渡しながらアドバイス。夏海がよせやぁいをする描写とか好き。この夏海の行動が陽渚にひらめきを与え、問題解決!ネットと現実で違ったのはサイズの違い。ネットの事例よりもサイズが小さかったからキスが釣り針を呑み込むに至らなかったワケ!原因が分かればあとはもう馬鹿釣れさ!陽渚はググレカスをすることに加えて、ネット情報を現実で使いこなすメディアリテラシーも身につけたのでした。

 

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  • 釣り部で手芸する話
    • 本来ならば手芸部に入りたかった陽渚の話。釣り初心者の陽渚は普段は自分が教わることが多いわけですが、このターンでは陽渚の手芸スキルにスポットライトが当てられ、陽渚が優位に立ちます。陽渚がつけていたアジのフェルト人形に興味を持った夏海に対し、陽渚が手芸をレクチャーすることになります。百合友情タイム。夏海と陽渚がそれぞれのアジのぬいぐるみを交換するところがB-partのハイライトです。すごく楽しそうに手芸をする陽渚に対して、夏海は罪悪感が生じ、無理矢理釣り部に入れてしまったことを申し訳なく思います。これを掘り下げるとどこまでもシリアスになりそうですが、実は手芸部は男子部員しかいないムサイ部活であったとギャグ的な展開になり、手芸問題は一段落します。今ではもうスッカリ陽渚も釣りに嵌っており、新たな獲物を求めて釣りに燃えるのでした。と、いうわけで手芸部に入ろうとしていたら釣り部に入ってしまった少女が釣りの楽しさを知り、主体的意志で釣りに臨むようになったというオチで最終回を迎えたのでした。

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