雑録

ヨーロッパ文化史 19世紀前半の文化

1.19世紀前半の文化的潮流~ロマン主義

  • ロマン主義の特徴とは
    • a.調和を重んじる古典主義や理性を重視する啓蒙思想に反発!
      • ※cf. 古典主義文学とは
        • ☆古代ギリシア・ローマの文化を理想とし、調和と形式的な美しさを重視した文芸上の傾向。17世紀のフランスに始まり、17世紀末~18世紀中期のイギリス、18世紀中期~19世紀初期のドイツで広まった。
        • ☆疾風怒濤(シュトゥルム=ウント=ドランク)… 1770年代からドイツに起こった文学運動。世俗的道徳や因習を否定し、個性と自然を尊重し、人間感情の発露を求めた。
        • ゲーテ…『若きウェルテルの悩み 』で清純な若者の恋愛感情を描いた。『ファウスト』は主人公ファウストが悪魔メフィストと出会い、あの世での魂の服従を交換条件に、現世であらゆる人生の快楽・悲哀を体験させるという約束をする。攻略ヒロインは素朴な街娘グレートヒェンとギリシャ神話世界の美女ヘレネー。
        • シラー…『群盗』は疾風怒濤時代の代表作。自由奔放な人間像を描いた。
    • b.調和よりも躍動を!理性よりも自由な感情を!普遍性よりも個性を!重視
    • c.個人と民族の自由や独自性を求める社会の風潮に合致。

2.文学史

(0)ロマン主義文学の起源

  • フランス革命 = 「理性崇拝」!!
  • ②しかし・・・ → 反対派を抹殺するジャコバン独裁 + ナポレオンのヨーロッパ諸民族の抑圧
  • ③その結果 → 理性に対する信頼は失われ、ドイツを中心に個人の感情や想像力を重んじ、過去に回帰して歴史や民族の伝統を尊重する文化が生まれた!! ⇒ ロマン主義

(1)ドイツのロマン主義

  • ノヴァーリス…『青い花』。夢に見た青い花を求めて放浪する詩人が主人公
  • ②グリム兄弟…『童話集』。民族の伝統の研究。『アテナウム』でロマン主義運動を推進
  • ③シュレーゲル兄弟…兄は批評家・翻訳家でシェイクスピアの名訳。弟は歴史家・哲学者で『文学対話』。
  • ④ハイネ…『歌の本』。七月革命後はパリに居住し、革命詩人と呼ばれる

(2)フランスのロマン主義

  • ①スタール夫人…『デルフィーヌ』。ネッケルの娘。ナポレオンに迫害され外国に亡命。
  • シャトーブリアン…『アタラ=ルネ』。政治的には反動的。革命中は英に亡命。後に外相。
  • ユーゴー…『レ=ミゼラブル』。人道主義的な共和主義者。第二帝政を否定。

(3)イギリスのロマン主義

(4)アメリカのロマン主義

(5)ロシアのロマン主義

  • プーシキン…デカブリストに共鳴。代表作:『オネーギン』、『プガチョフ反乱史』、『大尉の娘』

3.美術史編

(1)古典主義絵画

  • ⓪特徴…18世紀末~19世紀初、フランスを中心におこった古代ギリシア・ローマを規範とする格調の高い、均整のとれた美術様式。宮廷を中心に発達した。
  • ダヴィド…フランス革命の際にはジャコバン派の一員として「マラーの死」を描いて理性崇拝の演出を担当。ナポレオン時代には宮廷画家として「戴冠式」や「アルプス越え」を描いた。
  • ②アングル…ダヴィドの弟子。古典主義絵画の完成者とされる。代表作「グランド=オダリスク」は、ゆがめられたプロポーションの後ろから見られるけだるいポーズの、愛妾を描いている。

(2)ロマン主義絵画

  • ⓪特徴…古典主義に満足できず19世紀初めからおこった美術様式。情熱的・幻想的で、題材も強烈。
  • ドラクロワ…フランス=ロマン主義の代表的画家。強烈な色彩による劇的表現を用いた。

4.音楽史

(1)古典派音楽

(2)ロマン主義音楽

5.学問編

(1)哲学

(1)-1.ドイツ観念論
  • ①カント…合理論と経験論を批判的に総合。三批判書を書き、批判哲学の祖とされる。
  • フィヒテ…カントの実践理性の思考を強化。主観的観念論を樹立。「ドイツ国民に告ぐ」
  • シェリング…観念論から出発。精神と自然の合一に知識は基づくとする同一哲学を説く。
  • ヘーゲル弁証法哲学を提唱し、ドイツ観念論を体系化。「歴史哲学講義」
(1)-2.ヘーゲル弁証法~家族・市民社会・国家~
  • ①家族…正/テーゼ。夫婦や親子など愛によって結ばれている自然的な共同体。自然的人倫。しかし、子どもはやがて成長し、市民社会の一員となる
  • 市民社会…家族に対する反/アンチテーゼ。独立した個人が独自の利害を追究する「欲望の体系」、「人倫の喪失態」。たがいの利益によって人間関係が結ばれ、富の蓄積、貧富の格差、不平等が生じる。
  • 止揚/アウフヘーベン…テーゼに対するアンチテーゼを高次元で統合すること。
  • ④国家…家族と市民社会アウフヘーベンしたもの。合/ジンテーゼ。家族と市民社会を統合した最高の共同体。不平等が克服され、万人の自由。人倫の最高段階。

(2)経済学

(2)-1.穀物法論争
  • マルサス
    • 地主階級の利益を代弁し穀物法を擁護
    • 農業を保護し、穀物価格を高値で安定させることが、農業投資を促進すると考えた。高い穀物価格は地主の得る地代を上昇させる。これが工業への有効需要を生み出すことになると主張した。
  • リカード
    • 産業資本家の利益を代弁し穀物法撤廃を主張
    • 国際分業論を展開。安価な穀物の輸入⇒穀物価格の低下⇒賃金の低下(労働者は安くパンを買えることができ資本家は支払う賃金を低下することが出来る)⇒高利潤⇒資本蓄積の促進⇒経済成長。
(2)-2.マルクス経済学
  • ⓪特徴
  • 唯物史観 (史的唯物論)とは
    • 人間の物質的な生産活動を土台にして、それを反映する社会的・政治的・精神的な意識形態が形成されるという考え方。

6.ナショナリズムと学問の関係

  • 歴史学派経済学
    • 代表者はリスト。経済発展を歴史的に考察しようとする経済学。経済の発展段階説を唱え、経済的後進国では古典派経済学が唱える自由貿易ではなく、保護貿易政策が必要だと説いた。
  • ②近代歴史学
  • ③歴史法学
    • 代表者はサヴィニー。法の普遍性を主張する自然法学に対して、法の歴史性や法と民族精神の表現である関連性を重視。ナポレオン戦争後のドイツ民法典制定に際し、法を民族精神の表現であると主張した。