19世紀後半の社会と文化
(1)人文・社会科学に対する自然科学の影響
- ①社会を考察する際に、統計資料を用いたり、何らかの法則を探究しようとする機運が強まる。
- ②神学上の問題:ダーウィンの説は、ヒトは神が自身の姿に似せて全生物を支配するために創造した不変なものとする聖書の人間観を大きく揺るがすことになった。
- ③社会上の問題:1870年代に入ると、社会的弱者や劣等とみなされた民族・人種への迫害を正当化する論理となる。
(2)歴史学
- ①近代歴史学の創始…ランケが史料批判による科学的研究法を重視したことによる。
- ②国民史の流行…「国民」の実在を前提にその成立・発展を叙述する。史料館の整備・史料集の刊行が各国で進み、ナショナリズムの風潮とあいまったことが背景にある。
- ミシュレ…民衆とフランスの革命的伝統を擁護。1851年忠誠宣言を拒みコレージュ・ド・フランスの教授職を追われた。
- ③史的唯物論…ナショナリズムに批判的なマルクスが唱えた歴史観。人間の物質的な生産活動を土台にして、それを反映する社会的・政治的・精神的な意識形態が形成されるという考え方。
- 「人間の意識がその存在を規定するのではなく、人間の社会的存在がその意識を規定する」
(3)文学・絵画
(5)大衆社会
- ①印刷術の発展によるマスメディアの登場
- ②初等教育の義務化による識字率の向上
- ③マスコミュニケーションで画一的な世論が形成される大衆社会の誕生!