2020-08-26 倫理 源流思想【2】キリスト教 倫理 源流思想 0.ユダヤ教 0-1.キリスト教の母胎 (1)ヘブライズム (2)ユダヤ教の特徴 1.イエスの思想 1-1.イエスの教え 1-2.神の愛 1-3.キリスト教の誕生 (1).イエスの復活 (2)パウロ…信仰義認説を説く!! 2.世界宗教への展開 2-1.キリスト教の発展 (1)教父哲学 (2).アウグスティヌス『告白』、『神の国』 2-2.教会制度の意義の確立 2-3.スコラ哲学 0.ユダヤ教 0-1.キリスト教の母胎 (1)ヘブライズム ①西洋思想の源流 ヘレニズム(古代ギリシア哲学)…ロゴス(理性)への信頼、合理主義的人間観 ヘブライズム(ユダヤ教 ⇒ キリスト教)…人間の無力さの自覚、絶対的な神の前での平等 ②ヘブライズムにおける神の性質 多神教とは異なる一神教の唯一神、世界や天地を創りだした創造神、比肩するもののない絶対神 (2)ユダヤ教の特徴 ユダヤ教とは 『旧約聖書』を聖典とするユダヤ教の民族宗教 ⇒ 選民思想 唯一神ヤハウェ(創造神・絶対神・人格神)との契約にもとづく救済への信仰 ⇒律法に背けば「裁きの神」 預言者モーセの活動などをもとに成立 ⇒ 「モーセの十戒」 1.イエスの思想 1-1.イエスの教え ①イエス「神の国は近づいた!」 イエスの言動は『新約聖書』のなかの「福音書」に掲載されています。『新約』には「福音書」の他、「手紙集」、「使徒行伝」、「黙示緑」などがあります。) ②イエスが唱える神の国とは? 「律法の内面化」:律法を形式的に守るのではなく、内面の心が問題。 ③律法主義批判 「姦淫するな」という律法をただ形式的に守るだけではダメで、イエスは「みだらな思いで他人の妻を見る者は誰でも。既に心の中でその女を犯したのである」と述べる。 ④イエスが唱える律法 「二つの戒め」 a.神への愛…「心をつくし、精神をつくし、思いをつくし、力をつくして、主なるあなたの神を愛せよ」 b.隣人愛…「何ごとでも人々からしてほしいと望むことは、人々にもそのとおりにせよ」 隣人愛の教え=最高の道徳 ⇒ 黄金律 1-2.神の愛 イエスによる弱者救済の教え アガペー=我欲を離れた絶対愛 価値や報いがあるからそのものを愛するというのではなく、無価値と思われるものをこそ愛し、励まし、勇気づけてくれる無差別・無償の愛。 1-3.キリスト教の誕生 (1).イエスの復活 ①平等主義・弱者救済の人類愛精神 → 律法主義者の権威を脅かす →イエス処刑 ②イエスが刑死後、復活して昇天 →イエス=神の子キリスト ③ペテロを中心にイエスの教えを広める → キリスト教の誕生 (2)パウロ…信仰義認説を説く!! ①贖罪 イエスはキリスト(救世主)である →イエス=キリスト 人類は生まれながらにして罪を背負っている(原罪) イエスの死とは、原罪を代わりにつぐなうもの。 ②パウロは使徒として伝道に従事し、世界宗教化させる。 2.世界宗教への展開 2-1.キリスト教の発展 (1)教父哲学 教父哲学って何? キリスト教の公認化→異教徒たちに教えを論証する必要性→教父(教会の指導者)たちがカトリック教義の確立を目指す。 (2).アウグスティヌス『告白』、『神の国』 キリスト教三元徳 信仰・希望・愛 > ギリシャ四元徳(知恵・勇気・節制・正義) 2-2.教会制度の意義の確立 人類の歴史 神の国(神への愛の世界)VS地上の国(自己愛と欲望の世界) 2-3.スコラ哲学 ①スコラ哲学とは? 修道院付属学校(スコラ)で行われた、理性と信仰がどちらが大事かを考える哲学。 ②トマス=アクィナス『神学大全』 信仰と理性を調和させたことに意義がある。 理性の働きは信仰にもとづく →「哲学は神学の婢」→ 信仰優位のもとでの信仰と理性の調和