ハミダシクリエイティブ「錦あすみ」シナリオの感想・レビュー

引き篭もりがVtuberの世界で居場所を見つけリアルでも不登校を解消する話。
音楽学校で挫折したあすみは普通の学校にも馴染めず「周回遅れ」と感じてしまう。
そんな中、ボカロPついでVtuberで地位を得たあすみは引き篭もりとなってしまう。
家とコンビニを往復し、寝て起きて作曲するだけを繰り返す日々。
しかし主人公から生徒会に誘われたことを契機に復学することに成功する。
文化祭ではリアルとネットでの同時ライブに成功しハッピーエンドとなる。

錦あすみのキャラクター表現とフラグ生成過程

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  • 如何にしてあすみは引き篭もりとなりしか
    • 錦あすみは大人気Vtuberの中のヒト。だがしかし、音楽学校で挫折を経験していました。両親共に一流の音楽家であるあすみは音楽系の学校で声楽を専攻していたのですが、ある時声が出なくなってしまったのです。療養をすすめられたあすみでしたが、周囲に置いて行かれるという恐怖感から無理をして咽喉を潰してしまい、最終的に音楽学校を退学することになってしまいました。当初は交友関係もあったのですが、如何なる時も即レスするあすみに対してニート疑惑がかけられ、その繋がりも断絶していきます。そのような中であすみが生き甲斐として見出したのがボカロPとなること。ボーカロイドを調教して楽興を生み出していきます。さらにもともと声楽専攻で自分で歌を歌いたいと願っていたあすみは、Vtuberに目を付け、歌ってみた系で成功を収めていきます。こうしてネットの世界で安寧をみつけたあすみは学校生活を投げ捨て、すっかりヒキコモリとなっていたのです。高校進学をしてもあすみの生態は変わらずすっかり不登校になっていました。そんなあすみでしたが、主人公と共に生徒会活動をしていくなかでリアルでの交流を持てるようになっていきます。

 
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  • リアルとVtuberでの同時ライブ開催
    • あすみ√でテーマとなるのはVtuber業界の闇。界隈に目を付けた大企業がその資本力により食い散らかしていった様子が描かれていきます。あすみは当初は野良Vtuberだったのですが、企業のネットインフラに惹かれ、プロとしてデビューします。しかし未だ日が浅いVtuber業界に対しての無理解の日々が続きます。Vtuberなどただの3dモデルにしかすぎず、その振る舞いは単なる演技であり、視聴者ウケが優先されて、中のヒトの想いが蔑ろにされていたのです。そのような状況に対し、あすみは中のヒトは「魂」なのであると唱えていきます。
    • Vtuber業界の闇のなかで主人公と共に奮闘していくあすみ。しかしそこへダブルブッキングが襲います。あすみは文化祭で生身のライブを引き受けていました。しかし当日、Vtuberとしてのイベントが重なってしまったのです。規模的にはプロとしての仕事を優先すべきなのは百も承知。しかしあすみの気持ちも尊重したい。その願いをくみ取った主人公は、文化祭における生身のライブのモーションをVtuberのライブイベントに飛ばして同期させることを提案。スゲー技術力だしちょっとご都合主義が過ぎるっぽいですが、何とか成功。ヒキコモリだったあすみが歌で救われたことを論じ、外に出てみようよと呼びかけるイイハナシダナーエンドとなります。

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