雑録

倫理 西洋思想【7】自己実現と幸福③幸福と功利(功利主義)

0.個人の幸福と社会全体の幸福について

  • 資本主義
    • 競争社会→貧富の格差!! 「個人の幸福と社会の幸福はどうあるべき?」
  • アダム=スミス…利己心にもとづく営利追求こそが社会に冨をもたらす
    • a.レッセ=フェール…各人が利己心に従って行動しても「神の見えざる手」という市場メカニズムが働き、社会全体の利益を生むという考え方。
    • b.「共感の原理」…アダム=スミスは利己心なら何でも認めたのではない。第三者の立場にある公平な観察者の共感を得られる枠の内で行動する限りでのみ、利己的な行為が是認されるとした。
  • 利己心と社会の富及び幸福はホントウに調和されるのか?
    • 功利主義…快楽を求め、苦痛を避けるという人間の本性が道徳の基準になるという倫理思想。

1.最大多数の最大幸福【ベンサム

  • 結果論的な道徳観
    • ある行為が正しく、道徳にかなっているかどうかは、その行為が多くの人に幸福をもたらすかどうか。
      • 行為の結果重視で、行為を行うヒトの思いや気持ちに対しては問題にしない。
      • 行為の動機を重視したカントとは対極的な考え方。
  • 快楽計算
    • 人間の快楽を増大させ苦痛を減少させるものを善とし、その逆は悪として、行為の道徳的善悪の判断のためにおこなう計算のこと。
    • 計算基準は以下の7つ。(❶快苦の強さ・❷持続性・❸確実性・❹実現の時期の近さ・❺多産性・❻純粋性・❼範囲)
  • 制裁…快楽計算の結果を最大にするために必要な、利己的な存在である人間のための、外からの働きかけ。
    • a.自然的制裁…不摂生の結果、建康を崩す
    • b.法律的制裁…犯罪をおかして刑罰を受ける
    • c.道徳的制裁…実妹と密通して社会的非難を受ける cf.軽皇子(かるのみこ)と衣通姫(そとおりひめ) 
    • d.宗教的制裁…不敬な行為で神罰を宣告される
    • ベンサムは、この制裁(サンクション)のうち、法律的制裁を重視した。
  • 最大多数の最大幸福
    • 最大多数の個人の快楽が満たされた社会が最も幸福であるという原理。
    • 封建制絶対王政の下での少数者の幸福ではなく、万人が平等で最大の幸福にあずかる権利を持つ。

2.不満足なソクラテス【J・S・ミル】

  • 質的功利主義
    • 快楽には質的差異があり、肉欲的な快楽よりも精神的快楽を求めるべきだという思想
    • 「満足した豚であるよりは不満足な人間であるほうがよく、満足した愚かものであるよりは不満足なソクラテスであるほうがよい」
  • 内的制裁
    • 道徳的義務に反して他者を裏切った時に感じる良心の苦痛。
  • 献身の行為
    • ミルの説く真の快楽、幸福。自分の行いが社会や他者の役に立つことであり、社会的献身や見返りを求めない純粋な愛と、それにともなう喜びであること。
  • エスの隣人愛
    • 他者の幸福や人類の改善などを理想的目的としている人々が幸福。「我が身を愛するようにあなたの隣人を愛しなさい」という隣人愛にこそ、功利主義道徳の理想がある。