『我が姫君に栄冠を 体験版』の感想・レビュー

格上メーカーと凄腕ライターによる中二的なろう系能力バトル異世界ファンタジー
設定は王道でチート異能を持つ僻地の少年が嫁探しのため世界を巡るというモノ。
その過程で多くのイベントをこなしながら登場人物たちとの交流を深めていく。
国家指導者の3ヒロインごとに帝国・連邦・魔界のシナリオが用意されボリューム満点。
おそらく最終的には世界の深淵を巡る戦いになり交流キャラ勢揃いで大団円になる(予想)。
数多のキャラを引き立たせ有名声優陣を多様する演出はまさに大河!
ワナビたちが築き上げた土壌で一流のプロが筆を執るとこうなるという見本のようなもの。

中二的なろう系能力バトル異世界ファンタジー

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  • プロローグ「僻地に住むチート異能の少年が嫁探しの為に世界を巡るそうです」
    • 主人公は山奥の僻地で聖域を守る凄腕のオッサンに育てられた少年です。純朴で真面目ながら頭も回り芯のある少年漫画の主人公的なキャラクター造形です。本作の設定では一人一体の守護霊と契約でき、主人公は山の精霊の力を使っているのですが、旅立ちに際して既存のルールにとらわれない人造神との契約に成功。憑依合体することで無類の強さを誇るチート能力を有します。主人公がオッサンに与えられた使命は山を出て世界を巡り子供を作って次世代に知識と技術を伝達すること。そのためには嫁探しが必要だ!ということで、帝国・連邦・魔界のいづれかへ旅立つ選択肢が与えられます。体験版では帝国編のみ選ぶことが出来、他の√はピックアップで少しだけ遊べます。
    • 笑いどころも満点。主人公の旅のお供としてコミカルな妹的ポジションのキャラ(つよきすカニ」のセルフオマージュで本作は「エビ」)がいるのですが、非攻略対象のようで最初の選択肢で「4」(イモウト)を選ぶと、旅立たなくても後継者作れるじゃん!という流れになり妹とらぶらぶえっちしながら山奥の僻地で子育て生活が始まる強制エンディングに陥ります。こうして旅立つことになった主人公は、コミカルなポジションの妹、ギャグ担当の立ち回りをする人造神、やたらと声優が豪華な解説役のシブいウサギの4人パーティーで世界を巡ることになります。

 
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  • 帝国√第1話:盗賊問題を解決せよ!
    • 体験版でプレイできる帝国√は王道的なストーリー。寄り道しながら帝都へ辿り着き、そこで異能学園に入って学園生活モノ展開になり、ゆくゆくは魔族と戦うという流れです。まずは帝都への道ということで盗賊イベントに関わることになります。そこの地方長官は圧政を敷いており反発した人々が武装独立集団を組織し反政府勢力となっていたのです。何も知らない主人公はホイホイと地方長官の依頼を受け、潜入捜査をしにいきます。
    • 盗賊は国境を利用して帝国と連邦の手から巧みに逃れていたのですが、主人公が潜り込んだちょうどその時、帝国からも連邦からも追手が来ていたのでした。そんなわけで盗賊・帝国・連邦の三勢力の抗争に巻き込まれていきます。第一段階は帝国の討伐隊が盗賊団に敗れ捕虜にされるところから。(妙だな…盗賊団なのに捕縛しても凌辱しないなんて…)と思った主人公は潜入先の盗賊たちから情報を仕入れていきます。何でもこの盗賊団は義賊であり帝国に一撃を加えることを大義名分に掲げているので、殺しも犯しもしないのだとか。また首領の娘のバトルジャンキーっ子も明るく良い子でした。
    • 捜査の結果、盗賊の首領は意図に反して巨大化してしまった組織を持て余していることが判明。それなら捕虜の解放にも応じるのではないかと思っていたところに今度は連邦の討伐隊が乱入、何とたった5人で盗賊団を壊滅状態に追い込みます。それに対して主人公はチート能力を解放し、アッサリと連邦5人組を撃退。人造神のチートで俺TSUEEEするところはまさになろう系のノリの真骨頂ですね。
    • 結局、盗賊団に死傷者は出ず首領の処罰だけで他のメンバーの刑は軽いものとなりました。一方、地方長官の悪巧みもバレて因果応報となりハッピーエンド。首領の娘はすっかり主人公に惚れ込み、帝国で成り上がれば父の処罰を軽くできるとの助言も受け、同行することになります。序盤の旅立ち編は、多くのキャラを登場させ尚且つそれぞれの魅力を引き出しながら主人公TSUEEEを実現させておりまことに巧みな脚本執筆でした。ワザマエ!

 
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  • 体験版ピックアップ
    • 体験版は序盤だったので攻略対象が殆ど出てきません。それ故、よりぬきイベントが紹介されます。帝国、連邦、魔界と3種類選べますが、魔界編は数クリックで終了するのでシナリオまだできてないんじゃね?とか思われてなりません。
    • 帝国編では異能学園での学園生活の様子がピックアップされ同じく学園生でもある姫様一派と交流する様子を楽しむことができます。姫様からチート能力を買われた主人公が目をかけてもらったり、それをよく思わない噛ませ犬がマウント取ってきたりとテンプレ系王道展開が読者を待っています。異能力バトル満載って感じ。
    • 連邦編では、連邦選挙に巻き込まれることになります。現在は国家指導者が死んだため、その代理である攻略ヒロインが政権を担当しているものの次期選挙は大変厳しそうというもの。連邦の姫君の思想は平和主義で戦争よりも貿易で利益を出そうという方針を掲げています。他方で選挙のライバルは帝国から聖地を取り戻すべく戦争を仕掛けようと唱えており、連邦は真っ二つに割れているとのこと。連邦の姫君は主人公の人造神のチート能力に目を付け利用すべくキャバ嬢のような営業トークで主人公を落としにかかります。しかし即落ち2コマ漫画のようにアッサリと酒に酔いつぶれ自滅してしまうというギャグ的展開。果たして主人公は姫君を選挙の勝利に導くことが出来るのか!というノリの選挙戦がウリになっているルートです。
    • 魔界編は上述したように数クリックで終わります。魔界では幽遊白書のように魔界トナーメント的なものが行われ優勝した人がトップになり政権を担当するのだとか。現在魔界を支配しているのが攻略対象の姫君。この人物は治世に興味を示さず執務を部下に丸投げし自分は暇を潰せる余興に熱を上げています。帝国との戦いを主題にすると帝国√と内容が被ってしまうのでどんな展開になるのか全くの未知数。帝国とただ戦うだけでは物語が成立しえないので、裏切りやクーデターにあい魔界トーナメントで敗北するとかいう流れになるのでしょうか?

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感想まとめ