【目次】
1.異文化理解と倫理
1-1.文化の多様性
- 人類の集団形成と文化の発生
- 文化とは何か?→人類が「一定のまとまり」を形成して暮らすようになった際に発生する、その成員が共有する生活の知恵や様式の体系のこと。
- 地域のまとまりには地域文化、民族のまとまりには民族文化がある。
- 文化とは何か?→人類が「一定のまとまり」を形成して暮らすようになった際に発生する、その成員が共有する生活の知恵や様式の体系のこと。
- 言語
- 現在の世界には5000~8000の言語がある。言語を民族を数える尺度とすると、それに対応した数の民族文化があることになる。
- 多民族国家・日本
- グローバリゼーションとその問題点
- 多文化状況…人、モノ、情報が国境を越えて大量に行き交う時代にあって、異文化同士が接触する機会がかつてないほど頻繁になっている状況。
- 文化摩擦…多文化状況のなかで異文化への無理解から生じる緊張や葛藤のこと。民族の紛争や対立を煽る一因となるため、異文化を理解するための努力をしなければならない。
2.人類の福祉
2-1.人類の福祉
- 利己主義的自由競争の末路
- 他者との関係を考慮せず、各人がひたすら自己の利益・幸福を追求すれば、さまざまな利害の衝突が生じる。そして、生命や財産を脅かされたり自己の実現を抑圧されて差別や不平等なあつかいを受けたりする人々が生み出される。
- 社会全体の福祉
- 利己主義的自由競争がもたらす不均衡を是正し、すべての人のよき生を実現するために必要な観点
- 福祉国家の誕生
- 搾取と貧困と不平等
- 南北問題と国際協力
- 先進国と途上国の経済格差(南北問題)を是正するためには、先進国の経済力・技術力にともなう国際協力が必要。
2-2.自立を支援する国際協力
- ODA(政府開発援助)
- 特徴…日本の援助の特徴は道路・鉄道・港湾・発電所などのインフラストラクチャー(社会資本)の整備。
- 問題…環境破壊や資源の浪費をまねき、住民生活の生活向上につながらない。
- 課題…感染症対策、初等教育の普及、人材育成など支援の内容が多岐にわたり、環境問題など地球的規模の課題に協力してとりくみ、解決をめざしていくことが求められる。
2-3.福祉の実現のために
- 人権とは?→すべての人間が生まれながらに等しく有する基本的権利
- 現代世界でも人権は保障されていない…地域紛争や不安定な政情、人種や民族、宗教的な理由により差別や迫害を受ける。
- 難民の発生への対処
- 「難民の地位に関する条約」(1951)…難民の庇護・定住を確保し、迫害の待つ本国へ送還してはならないとする条約。この条約に沿って、国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)を中心に難民を支援する活動が行われている。
- 人権に対する関心の高まり
- 「世界人権宣言」(1948)…国連総会ですべての人民と国家が達成すべき共通の基準として採択。→定着をはかるため「国際人権規約」(1966)、「人種差別撤廃条約」(1965)、「女性差別撤廃条約」(1979)が採択される。
- 「児童の権利に関する条約(子どもの権利条約)」(1989)…国連総会で、子どもの人格の尊厳を尊重し・確保し、国家に子どもの権利実現のためにあらゆる措置をとることを義務付けた。だが、子どもの人身売買、強制労働、ストリートチルドレン、虐待など多くの問題が指摘されている。