2020年12月発売の新作ノベルゲーは何を買えばいいですか?

2020年12月は『殻ノ少女』シリーズの集大成である『天ノ少女』と名作リメイクである『終ノ空 remake』が二強となっています。しかし『天ノ少女』は硬派ゲーかつ前2作やってないとついていけないのではないかという不安があります。しかし私は特攻します。

終ノ空 remake』は抱き合わせ商法で2万円近くします。『素晴らしき日々』何回出すんだよ!『終ノ空 remake』だけ1万で売ってくれよという感じ。なぜ抱き合わせにした!?多分プレミアついて価格跳ねあがるだろうから買っておいて損はないと思うし、名作であることは理解しているのだが、阿漕な商法しおってからに。ケロQ/枕さまは『しゅぷれ〜むキャンディ』でも「サクラノ詩 第一章」の抱き合わせ商法をやりましたからね。あとケロQ/枕さまがゲーム発売した際には『サクラノ刻』はまだですか?というのがお約束です。私は買わなかったのですが後で後悔し、プレミア分金払ってプレイしそう(未来予想図)。

そんなわけで、私は『天ノ少女』と『星空鉄道とシロの旅』(公式通販)を購入しました。皆さんも面白い作品があったら教えてくださいね!

それでは2020年12月の新作の状況を体験版から見ていきましょう。

【目次】

『天ノ少女』前日譚

昭和30年代の東京を舞台にした芸術作品を扱う探偵ADV。推理ゲー要素があるので煩雑な選択肢と探偵パートが地味にしんどいです。あと難解。体験版をやる前、なぜ私は『殻ノ少女』シリーズをスルーしてしまったのかと悔恨していたのですが、攻略するのが大変だったからということを思い出しました。ちなみに私はこのメーカーの作品では『カルタグラ』に挫折しています。けどまぁ、途中から吶喊して楽しめる範囲で楽しめばいいやという気分になり購入。作品の内容としてはプレイヤーに近現代史の知識と芸術作品への教養が要求されるのでなかなか難易度が高いですが、純粋に昭和30年代の東京の雰囲気を楽しむこともできます。体験版の時点では、著名な芸術家の未発表作品である、腕の無い翼の生えた天使の絵が発見され、それが公開されたところ見立て殺人が起こってしまうという流れになっています。

『星空鉄道とシロの旅』

しゅがてんコンビによる同人作品。星空鉄道ですが、鉄道が主ではなく、旅ゲーがメインとのこと。体験版ではメタ的な紹介が行われるのですが、原画師のしらたま先生がカワイイキャラと交流することだけを目指したと述べていることから『銀河鉄道の夜』のような雰囲気のキャラゲーバージョンになりそう。キャラゲーと言い切っているだけあってキャラ達はものすごくかわいいです。一体これらのキャラとどのような交流が出来るのかが今から楽しみ。そしてもう一つの見どころとして挙げられているのが、アニメーターであるという設定の主人公が描き出す絵画。この作品群が物語を彩ると説明されているので、どんな背景CGが描かれるのかにも注目が集まります。背景CGを眺めるのって結構好きなんですよね。攻略後のギャラリーシーンでも背景CGが見られるといいな。

『紅月ゆれる恋あかり』

「カタナ」を主題にしたバトルモノシリーズ。今回は異能刀剣術を教える学園モノ。その内容の主軸となるのが、「メスガキ分からせ」。体験版の時点では自己の能力を過信したヒロインたちが兎に角増長しており、プレイヤーのヘイトを高めるためのクソガキとして描写されています。軍属の主人公がこれらのじゃじゃ馬を調教する為に派遣されてくるのですが、当初主人公は紳士的に対応します。しかしこれによりさらにヒロインたちから舐められることになり最終的には暴力で分からせることに。体験版でのクライマックスはメスガキ分からせです。自分が強いと過信していたヒロインたちが、主人公によって赤子の手を捻られるように敗北していくシーンがウリになっています。主人公は余裕をもってヒロインたちをあしらっていきます。個人的には腹パンや武器破壊、両腕脱臼くらいはやってもいいんじゃないかなって思うくらいヒロインたちのクソさが目立ちました(誉め言葉)。相手の実力も推し量れず主人公のことを弱いと侮り、土下座しろとまで言ってくるようなキャラたちが本編でどのように変わるのかが問われるところです。

『蛇足』

凌辱・リョナもの。体験版は短すぎて何とも言えない。登場人物たちは何か悪癖やトラウマを抱えているため社会不適合者であり、だからこそ絆を結べて無人島へやってきました。しかしそこでヒロインたちは四肢を断絶されながら犯されるという経験をするのです。ヒロインのトラウマの内容とこれまでどのような社会的排斥を受けてきたのかという事が焦点になるかと思います。このライターの作品は『クロノボックス』をやったことがありますが、終局部は面白いものの過激なリョナシーンに依存したシナリオ構成だったので本作もどうなることやら。ピーキーな作品なので一定の信者には遡及すると思うのでそれなりには高評価になりそう。

ピンヒロイン・廉価版

『ココロのカタチとイロとオト』

ウジウジ系主人公とほんわかまったり炉利少女の関係性がウリ。個人的にはずっとまったりしていて欲しいのですが、それだけではシナリオが進まないのでテコ入れが図られます。主人公は聴覚と色覚で他者の思考を感じ取れるという異能がありそれ故に苦悩してきたという設定です。しかしこの炉利ヒロインにだけは異能が通じなかったのです。だからこそこの炉利は主人公にとって安らぎの少女となったのですね。しかし二人のまったりした関係にヤキモキした炉利の友達が関係を進めるようにせっついてくるのです。これによって相手の思考が読めないからこそ炉利ヒロインに安寧を見出したのに、今度はそれがストレスになっていってしまうのです。奥手な二人がどう行動して関係を変えていくのかに着目されます。

『一途な(処女→)彼女と恋したい』

生真面目系世話焼き委員長と恋のステップアップをしていくところがウリ。ダンドリズムが好きな人には徐々にフラグ構築を進めていくシーンがきっと好きになるかと思います。冒頭の段階で恋人になるので、恋人になるためのヤキモキではなく、恋人になってからの関係性深化に焦点が当てられます。初デート、小指繋ぎ、恋人繋ぎ、おうちデート、自慰行為の見せあいと進んでいきます。主人公の苗字呼びしていたり、世話焼きっぷりを発揮してくれるので、委員長属性が好きな人には刺さるのではないでしょうか。またヒロインが生真面目系世話焼き委員長となったのは、偉大なる姉へのコンプレックスがあるようなことが匂わされています。そのトラウマが主人公によってどのように解消されていくのかが終盤の原動力となりそう。

『アイベヤ2』

嬉し恥ずかしシェアルームを題材にしたシリーズ。今回はメカクレ黒髪の引っ込み思案で人見知りの幼馴染という属性てんこ盛りで破壊力抜群です。主人公にだけ心を許しているっていいよね。今回のシェアルームはヒロインが居候してから1年経過した状態で始まります。主人公とヒロインは家族ぐるみで付き合いがあり、ヒロインの高校進学と同時に両親の転勤があったので主人公の一家に下宿することになったという設定。それから1年以上の時が過ぎ、二人はまったりとした関係を築き上げていきました。所謂ひとつの幼馴染関係性変化ってやつですね。二人は仲の良い幼馴染のため最初から好感度マックスであり、だからこそ恋人関係になるにはきっかけが必要という展開。二人の後押しとなるのはエアコンの故障。ヒロインが下宿することになった際、面積の広い主人公の部屋がパネルドアで仕切られることとなったのですが、エアコンが故障したことにより熱中症を防ぐためパネルドアが開かれるのです。こうしてシェアルームが爆誕し、相部屋となってタイトル回収。引っ込み思案で人見知りのヒロインが主人公との関係を進められるのか!?個人的にはメカクレ属性の人には悪いのですが、勇気を出したヒロインがピン止めで瞳を出す立ち絵変化があるといいなぁと勝手に思っています。あと原画師おりょう先生が今までの作風とは異なるヒロインを描いたことも見どころです。