弱キャラ友崎くん Lv.1「なんだかんだ言って有名なゲームは大体おもしろい」の感想・レビュー

人生をゲームに例えてリア充になるべく現実を攻略する脱オタモノ系統のパターン。
主人公を陰キャ系根暗ぼっちコミュ障キモヲタに設定することで下剋上カタルシスを提供。
現代版ときメモのような感じでリア充パラメを上げて女子と交流し学園イベントをこなす。
主人公を導くのは努力しリア充化した自意識の強い元喪女で、この人の課題をスモールステップする。
キモヲタ更生物など吐いて捨てるほどある中、何故この作品が受けたかを学ぶために視聴。
1話の時点では現実SLG下剋上カタルシスリア充陽キャヒロインの喪女トラウマあたりが受けた理由?
俗世的なリア充の評価基準に堕し自分が大切にしてきたセカイ(専門分野)を喪失する展開なら面白そう。

「なぜ『弱キャラ友崎くん』は数あるキモヲタ更生パターンの中でアニメ化に至るまでウケたのか」

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  • 第1話だけ見ると従来の作風と異なる所は余りない。元喪女の陽キャリア充ヒロインから与えられる課題こなし編から面白くなるのか?
    • 主人公は陰キャ系根暗ぼっちコミュ障キモヲタという設定です。スクールカースト最下層に属しているけれどもスマブラの腕は世界一。現実を不平等なクソゲーであると称して斜に構えてリアルを嫉み、自分が活躍できるゲームの世界のみに固執するというありがちなパターン。とりあえずこの主人公にはルソーの人間不平等起源論とロールズの正義論、あと富裕層の再生産装置としてのメリトクラシーの逆説あたりを履修させればいいんじゃないかな?
    • そして、学校におけるマドンナ的ヒロインが実はゲーマーであり、主人公を導いてキモヲタから更生させていくというお決まりの流れ。スマブラ界において尊敬していたプレイヤーがキモヲタだと知るやいなや罵倒してくる自分勝手でワガママなヒロイン像をお楽しみください。このメインヒロインもかつては喪女であり、そこから努力して陽キャリア充になった実績があるというワケ。だからこそスマブラで自分よりも強いプレイヤーがキモヲタであることは許せないという都合の良い理屈をこねだします。そしてメインヒロインは人生をSLGに見立てて、主人公をリア充にするべく現実を攻略していくという展開です。
    • キモヲタ更生モノは、よっぽど人生攻略の手順を面白く描かないと、そこらへんのティーンズ向けファッション雑誌になってしまうんですよね。第1話で実践されたのは、「表情」と「姿勢」の重要性。キモヲタがメインヒロインからレクチャーを受けるのですが、表情筋を鍛えてや背筋を伸ばせなど言ってることが当然の内容すぎて、どこに面白みを見出せばいいのか少し困惑気味になってしまいました。
    • いや、諦めるのはまだ早いです。このメインヒロインは主人公をリア充にするために、色々な課題を設定してくれるとのこと。大目標・中目標・小目標ってやつね。スモールステップ。【大目標】メインヒロインと同じくらいのリア充になる←【中目標】高3になるまでに彼女を作る←【小目標】家族や友人から彼女できた?と言われるようになる(自分の雰囲気を陽キャ気質に変える)←【今日の課題】そのためには女子3人に話しかけるというもの。第2話はキモヲタが女子に話しかける様子を見守ることになりそうです。

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  • 売れている理由の分析など
    • 雑感としては近年の学園モノはJK専門分野特化型がウケているのに対し、本作品は純粋にキモヲタ層の「ホントウはカースト上位のリア充になりたい」という潜在的な欲求を刺激した所がウケたのかもしれません。あとは一種のゲーミングラーニングで現実をSLGに見立てるというときメモ的要素、キモヲタがカーストを登っていく下剋上カタルシス要素なども大衆への遡求力があったのではないでしょうか。
    • 登場するヒロインたちはメインヒロインをはじめ(いまのところ)キャラクター像があまり可愛いとは感じられませんでした。今後キャラクターの掘り下げが行われるなかで変わってくるのでしょうか?1話の時点では何とも言えませんが、メインヒロインがかつて喪女だったことが明かされているのでトラウマ発動PTSD精神崩壊展開があるのかもしれません。キモヲタ更生物語の特徴として、結局のところ勉強・運動・ファッション・コミュ力・流行などをリア充になるための単なる手段にしかとらえず、それそのものの面白さを描くわけではないので薄っぺらいものになりがち。本作品はそれをどのように覆してくれるのか見ものでもあります。