のんのんびより(1期) 第1話「転校生が来た」の感想・レビュー

田舎において無自覚に暮らしてきた幼女がここは田舎だと気づいてしまう話。
主人公の幼女は小1に進学し分校に通う日々を送り始める。
しかし物心がついてくると、もしかしてここは田舎なのでは?と懐疑心を抱く。
中1の少女は頑なに田舎であることを否定するが転校生により相対化される。
そしてバスに乗り遅れた際、次のバスが2時間後であることで田舎だと愚痴る。
それを聞いた幼女はやはりここが田舎だと知り愕然とするのであった。

自分の居住地を田舎ではないと否定したい気持ちと田舎であるとファッキンしたい気持ち

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  • 転校生が来たことにより相対化が生じ、バスの本数の少なさから田舎であることを認めざるを得ない
    • 主人公の幼女宮内れんげは小1に進学したばかり。しかし最近自分の住んでいる地域が田舎なのではと疑念を抱くようになってきました。自意識のめばえ。そして田舎の境遇を相対化するには外からの視点が必要ということで、転校生一条蛍がやってきます。蛍の視点を通して複式学級の自習スタイルが通常ではないことや田舎で鍵を掛けないことの異常性が描かれていきます。それにしても辺境のド田舎にやってきた蛍にのっけからストレートになんかやらかしたん?と聞く越谷夏海の精神性よ。蛍は特に田舎を忌避することもなく次第に周囲に溶け込んでいきます。ゆるゆるスローライフタイム。中当て場面はシュール。越谷妹がノーコンだったり越谷姉が両手投げヘロヘロ球だったり、蛍がヘロヘロ球を補給失敗してアウトになったりとまったりタイム。さらにシュールな笑いは続き、幼女宮内れんげの家でタヌキの芸を見せようと自信満々に指笛を吹くも全くの無反応である様子とその間の表現が秀逸でじわじわと笑いがこみ上げてきます。ハイライトは給食の桜餅を景色の良いところで食らうシーン。坂道を上がった先には桜が満開であり高いところから田園風景を見て食らう桜餅は別格さ。(しかしながら中3のメガネ兄さんは給食もはぶんちょされておりどこでぼっち飯してるのか不安になる)。以上により転校生の視点で田舎のスローライフの癒しが描かれていき、その良さが強調されるのですが……オチはやっぱり田舎の不便さ。ギリギリのところでバスに乗り遅れたメンバーたちは、次のバスが2時間後であることに絶望。田舎の公共交通機関の貧弱さを嘆きながらエンドを迎えるのでした。そして幼女れんげは自分の居住地がやっぱり田舎だったことを改めて認識したのでした。

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