雑録

LOOPERS -ルーパーズ- (製品版)の感想・レビュー

ホスピス物。難病の少女が永遠の今日を願った為、ループ世界に閉じ込められた話。
少女の願いに感応した若者たちもループ世界に取り込まれてしまう。
当初は無限の時間に喜んだ若者たちだが継続性が無い虚無感に心が蝕まれていく。
そんな中、新たに仲間に加わった主人公の趣味が仲間たちに目的意識を与えていく。
その趣味とはジオハンティング(GPSアプリによるリアル宝探しゲーム)であった。
主人公の活躍により息を吹き返したメンバーたちはついにループから脱却する。
だがしかしループを願ったホスピス少女だけはループ世界(「時の渦」)にとどまってしまう。
これを解決するのが最終章であり、最後は難病も克服してハッピーエンドに終わる。

ループ期間を1日にしてジオハンティングを素材とした短いリトバスのような作品

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  • ホスピスが創り出した8月1日を繰り返すループ世界
    • メインヒロインのミアは難病の少女。そのため自分が健常でいられる「今」だけを願ったため、ループ世界を創出することになります。時の渦に巻き込まれたミアでしたが、同じように「今」という時間にコダワリを持つ若者たちがその時の渦に感応し、次々とループ世界に取り込まれることになります。彼らは望み通り永遠の今日を繰り返す享楽と頽廃の時を過ごしますが、時間に継続性の無い無意味さに次第に虚無感に駆られていき、精神を蝕んでいったのでした。
    • そんな中、新たに仲間になったのが主人公のタイラ。彼はジオハンティング(スマホGPS機能を用いたリアル宝探しゲーム)を趣味にしており、このジオハンティングこそが物語の重要な要素を占めリトバスと差異化できる要素と言えるでしょう。タイラのジオハンティングはミアの心を開き、メンヘラ状態になったループ者たちに活力を与え、植物人間状態となったキャラを回復させるのです。
    • 低価格の短編だから仕方がないのですが、ミア以外のキャラたちの薄さはいかんともしがたいです。ギャルのヒルダと受験戦争に敗れたレオナの間の百合友情はまだそれなりに筆量が割かれていましたが、ユーチューバーとインターネットお絵描きマンと筋トレ男たちはもうちょっとキャラの掘り下げをして欲しかったところ。

 
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  • ミアの難病物語
    • で、タイラの活躍によってループする者たちの停滞感は払拭され、皆で宝探しすることに!そしてこのGPSによる位置情報の分析が時空の揺らぎを解明させることにつながり、ループから脱却するゲートを見つけ出すことに成功するのです。
    • 物語の後半は、メインヒロイン:ミアの難病物語となり、上述のループ世界が創出された経緯が語られていきます。そしてミアはループ世界から出ることは死を意味しているので残ってしまったのです。現実世界ではミアの手術が行われ意識不明の重体状態。ループ世界では最後の別れの1日だけを永遠に繰り返すようになり最終的には崩壊してしまいます。
    • ミアを現実世界へと戻すためには、ループ世界を創出するきっかけになったミアの宝物(主人公が幼少期のミアに渡したトリケラトプスの消しゴム)を見つけ出し魔法を説かねばならないのです。と、いうわけで最後のイベントもジオハンティング。

 
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  • ホスピス少女の明日を生きる勇気
    • このゲームの最終場面のジオハンティングはルーパーたちの総力戦が描かれ大団円となる様子が展開されていきます。しかしながら各サブキャラの掘り下げがイマイチだったので、いま一つ盛り上がりに欠けたのもまた事実。主人公とミアが一度離れ離れになってしまったのも一度は離れる必要があったのだという有難いお説教のようなテキストが流れていきます。
    • 最後は予定調和のようにミアが勇気を出し今日にとどまるのではなく明日を掴む勇気を得て主人公にその存在を見出されて現実世界に回帰します。ミアが時の渦から現実へ回帰したことは、難病の手術後に意識を取り戻すことを意味しており、ハッピーエンドとなります。本作はミアゲーであり、ホスピスのミアが明日を生きる為の勇気を主人公により得た作品とまとめることができるでしょう。


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体験版感想


参考