ウマ娘「フジキセキ」シナリオの感想・レビュー

舞台女優として挫折した少女が「エンターテイナー」になる夢を「レース」で実現する話。
フジキセキの母親は一流の舞台女優であり、それに憧れて役者を目指すのだが挫折に終わる。
そんな中、母親の助言で目覚めたフジキセキは別の道でエンターテイナーになることを目指す。
そこで出会ったのが「レース」でありメキメキと実力をつけていく周囲にも一目置かれていく。
だがそれは演出された「フジキセキ」像であり、中身はまだまだ思春期の少女であった。
フジキセキの本質に触れ支えとなればフラグは成立。トレーナーを積極的に求めてきます。

フジキセキのキャラクター表現とフラグ生成過程

【1】他者には「演出された自分」を見せる少女が抱えている心の不安の本質に寄り添え!

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フジキセキは周囲から尊崇の念や憧れの眼差しを集める実力派のウマ娘。自らエンターテイナーと称し、周囲に勇気と希望と感動を与えることを常としていました。しかしながらエンターテイナーということは、他人に見せるのは演出された自己ということ。頼れるフジキセキの本質は年相応に悩みを抱える思春期ガールでもあったのです。選抜レースの前日、失踪した後輩の悩みに付き合い調整ができなかったフジキセキ。問題が解決した後、ヒシアマゾンの助言も無視し夜中に練習を行ってしまいます。虫の知らせを受けた主人公は杞憂かと思いながらも寮を訪ねるとフジキセキが無断外出していることが明らかになります。ヒシアマゾンと協力して探し出し、そのワケを尋ねると、フジキセキは自分の心境を語ってくれます。自分でもすぐに寝るべきだと理解しているが、選抜レースという大舞台には不安もあり練習せずにはいられないと答えるのです。フジキセキには自信が必要だ!自己有用感だ!主人公は、フジキセキが根っからの役者であり、声援を力に変えるタイプのウマ娘であることを承知していました。それ故、寮の子たちを引き連れて、皆でフジキセキを励ますのです。この応援はフジキセキの心を打ち、翌日の選抜レースでは見事に1位となったのです。そんなこんなでフラグは成立!フジキセキは主人公を自分の専属にしようと求めます。

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【2】フジキセキ個別√でテーマとなるのは「挫折」と「散って逝った者たちの思い」!

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トレセン学園で結果を残せるのはほんの一握りのウマ娘たちだけであり、その他の生徒たちは有象無象として学園を去ることになります。フジキセキ自身レースで才能が開花しましたが、役者としては挫折を経験しています。そのため、学園を去っていく後輩たちを前にすると口では激励しながらも心深いダメージが鈍痛のように蓄積されていくのでした。そんなフジキセキに力を与えるのが、幼少期に役者として競ったライバルの幼馴染でした。一人で舞台を見に行く勇気が出ないフジキセキは主人公を誘います。そしてそこで圧倒的に成長した幼馴染を目の当たりにし、それにインスパイアされるのです。舞台とレース、それぞれ道は違えどエンターテイナーとしては同じ。フジキセキは自分が活躍することこそが、才能を開花できずに散って逝った者たちの思いを継承することだと認識し、三冠を誓うのでした。そのためには主人公が必要!ということで、フジキセキは主人公との繋がりを深くしたのでした。

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