『天結いラビリンスマイスター』プレイ記録⑤ 第5章「どんなに理論武装しようと革命なんてものはムカつくからという社会への不満の醸成が根本原因であるという話」

革命を目論む敵組織幹部と戦うことになるが、革命の理由は単にムカついたからであった。
魔術国家は新自由主義経済を突き詰めたような国家形態であり競争の敗北者を切り捨ててきた。
富裕階層は教育にカネを注ぎ再生産が行われ格差は固定化し支配階級のみ恩恵を享受していた。
敵組織幹部は貧民出身で過酷な人生を辿った為、国家に対して敵意を抱いたのである。
怨念に囚われる敵組織幹部は早急な解決を求め暴力革命による政府転覆を目指したのであった。

革命とテロリズムの境目

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  • 完全に私怨でムカついたからという超個人的理由で暴力革命する
    • 第5章ではついに8つの迷宮の最後に挑戦することになる。だがそこで待ち構えていたのは敵組織幹部。主人公たちは彼女を止めようと何故こんなことをするのかと説得することになる。しかし相手からはムカついたからという理由が返ってくる。敵組織幹部は貧民出身であり、凄惨な過去を送ってきたことをツラツラと語り、元々の生まれが社会的に優位であった落ちこぼれ魔女を糾弾する。特に敵組織の幹部は才能がないのにその生まれにによりのうのうと生きて来た落ちこぼれ魔女を憎み、名家出身コンプレックスなど持てる者の論理であると責め立てていく。能力第一主義は一見すると平等かもしれない。しかし能力の獲得はある程度、メソッドと時間とカネに左右される。すなわち富裕階層は幼いころから教育に力を注ぐことができ、最初からスタートが違うのである。富裕階層はずっと支配階層に君臨し、自らは自分が努力したから成功したのであり、弱者は頑張りが足らなかったのだからという個人的責任に帰結させる。こうして社会階層は再生産されることになり格差は固定化されていくのである。これをメリトクラシーの逆説という。
    • このような状況に対してピンクだったら社会改善による格差の是正を目指すのかもしれない。しかし社会に対してムカつくものが性急にとる手段などテロリズムくらいしかない。こうして敵組織幹部は赤化することになったのであった。敵組織幹部は完全に個人的ワガママでムカついたので国家の転覆をはかった。革命なんてものは多かれ少なかれムカついたからというのが根本原因なのかもしれない。フツーだったら大衆を巻き込めない少数の暴力革命など失敗するのがオチなのだが、ファンタジー作品なので超法規的手段が取れる。それは魔術国家の創生起源ともなった悪魔の召喚であった。こうして第5章は幕を閉じ、第6章へと突入する。

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